防水パンは、洗濯機が万が一水漏れした場合の漏水防止や運転時の振動・音を和らげる役割があります。
「防水パン周辺が濡れている」「防水パンが変色・変形している」といった症状がある場合、防水パンが劣化しているサインです。
そのまま放っておくと、洗濯機からの水漏れにより床の腐食やカビの原因となります。少しでも異変を感じたら、専門業者に点検を依頼しましょう。
今回は、防水パンの交換費用の相場や取り替えるタイミングなどを解説します。
防水パン(洗濯機パン)とは?
防水パンとは、洗濯機の下に設置されている四角い受け皿のこと。防水パンには排水口が付いており、万が一水が漏れた場合でも排水される仕組みです。
防水パンがあることで、洗濯機の故障や誤作動で床が水浸しになるのを防ぎ、下の階への水漏れ被害を回避できます。
防水パン(洗濯機パン)の役割
先ほども触れましたが、防水パンの役割は漏水を防ぐことです。
仮に防水パンなしで洗濯機を床の上に直接置いたとしましょう。排水ホースを直接床の排水口に接続することになり、ホースが外れたり、排水が溢れたりした場合、漏水が起こります。漏水はカビや腐食の原因となり、建物の耐久性に及ぼすため危険です。
また、防水パンには、洗濯機の振動や騒音を軽減する役割もあります。漏水や近隣トラブルといったリスクを避けるためにも、防水パンは必ず設置しましょう。
防水パン(洗濯機パン)の必要性
技術の進歩により洗濯機性能が向上したことで、水漏れのリスクが低減。これにより、防水パンを設置しないケースも増えています。防水パンがないことで洗濯機周りがスッキリして見栄えがよくなり、スペースを有効活用できるという利点も。
ただし、水漏れが発生した際に床への被害が大きくなる可能性や、洗濯機の重みで床が凹む・傷むというデメリットもあります。
戸建て住宅であれば被害は自宅だけですみますが、マンションだと被害が階下の部屋にまで及ぶ可能性があります。そのため、集合住宅では階下への影響を考慮して防水パンの設置を推奨するケースがほとんどです。
戸建て住宅で設置するかどうかは、個々の住環境やライフスタイルに応じて判断しましょう。
防水パン(洗濯機パン)交換の費用相場
防水パンの設置や交換にかかる費用相場は、以下の通りです。
防水パン(洗濯機パン) | 約5,000円~8,000円 |
排水トラップ | 約2,000円~3,000円 |
業者によっては、防水パンや排水トラップの本体代、部品、人件費などが工事費用に組み込まれているところもあります。
床下に配管を這わすスペースがない場合は、床上配管対応用の防水パンを選びましょう。見積りは無料で取れるため、複数の業者に相見積もりをとり、比較検討してから依頼するのがおすすめです。
防水パン(洗濯機パン)は自分で交換可能?
業者に依頼すると8,000円ほどの交換費用がかかるため、できればDIYで済ませたいという方もいるでしょう。
防水パンを自分で交換できますが、おすすめはしません。というのも、既存の防水パンの撤去と排水トラップの取り外し、排水トラップの接続など専門技術が必要となるからです。
防水パンを交換する際は、止水栓を止め洗濯機を取り外します。排水トラップを取り外し、防水パンを撤去。排水管まわりの掃除をしてから排水トラップを取り付け、新しく購入した防水パンを固定します。
最後に、止水栓を開けて動作を確認すれば作業完了です。
手順だけを聞くと簡単そうに感じますが、ドラム式洗濯乾燥機は約80〜90kgと重量があり一人での作業は危険です。
排水ホースの接続不良があると床が水浸しになり、集合住宅の場合は階下に漏水した場合、多額の損害賠償が発生するリスクもあります。
防水パン(洗濯機パン)を交換するタイミング
防水パンは、洗濯機の重さや水の重さ、振動に耐えられるよう設計されています。寿命は20〜25年と長く、他の住宅設備と比べて買い替え頻度が低く経年劣化のサインを見逃しやすい部分です。
水漏れに気づいて慌てて業者に交換を依頼するというケースは多くあります。いざ交換が必要になったときに慌ててしまうことがあります。
防水パン(洗濯機パン)が破損や故障してしまった場合
防水パン設置から10年以上経過していて、ひび割れや色褪せなどがある場合は、交換のサインです。
亀裂部分から水が漏れる可能性があるため、すぐに防水パンを交換しましょう。
防水パン(洗濯機パン)が洗濯機のサイズに合わない場合
洗濯機は、縦型ドラム式があり種類によって防水パンのサイズが異なります。
洗濯機の買い替えが必要なときは、サイズを確認したうえで防水パンを設置しましょう。
おすすめの防水パン(洗濯機パン)はこの3種類
防水パンには、段差が少ない「フラットタイプ」、防水パンの周りに枠が付いた「かさ上げタイプの枠あり」、排水不良を防ぐ「そしてかさ上げタイプの枠なし」といった3種類があります。
フラットタイプ
フラットタイプは、床面とフラットに設置されるため、空間を広く見せる効果があります。掃除しやすくホコリやゴミが溜まりにくいため、きれいな状態を保てるのも大きなメリットです。
ただし、排水口の位置によっては排水ホースの勾配が確保しにくく、排水不良を起こしやすいのが難点といえます。
かさ上げタイプの枠あり
「かさ上げタイプの枠あり」は、床から少し高い位置に設置され周囲が枠で囲まれているタイプです。枠があることで、万が一水漏れが発生した場合でも、水が周囲に広がるのを防止できます。
かさ上げタイプの枠なし
「かさ上げタイプの枠なし」は、枠がない分、すっきりとした見た目で洗濯機まわりの掃除がしやすいのが最大のメリット。万が一水漏れした場合、水が周囲に広がりやすいという点は注意が必要です。
このように、排水パンはタイプによってメリット・デメリットがあります。設置場所のスペースやライフスタイルに応じて最適なタイプを選びましょう。
賃貸は防水パン(洗濯機パン)の交換前に確認が必要
賃貸マンションやアパートの場合、無断で防水パンを交換すると退去時にトラブルになる可能性があります。
必ず管理会社に連絡を入れて、老朽化や破損など交換理由を具体的に伝えて、交換工事の可否や費用負担の有無などを確認しましょう。
防水パン(洗濯機パン)の交換・設置は専門業者に依頼
防水パンの交換や設置には、排水管や排水トラップの取り付け、傾きの調整など、専門的な知識と技術が求められます。DIY経験が豊富な方であれば自分で作業することも可能です。
ただし、正しく設置されていないと、水漏れによる床の腐食や家財への損害、さらには下の階への水漏れといったトラブルにつながる恐れがあります。
専門業者に依頼すれば、水漏れのリスクを防げると同時に、施工後に万が一不具合が発生した場合のサポート体制が整っているため安心です。無理に自分で交換するのは避け、専門業者に依頼しましょう。
防水パン(洗濯機パン)の交換をどこに頼むか迷ったら、ゼヒトモで探そう
本記事では、防水パンの交換にかかる費用相場とおすすめの防水パンの種類を解説しました。
防水パンは、洗濯機からの漏水を防ぐために欠かせない住宅設備のひとつです。安全に使用するためにも専門業者に依頼しましょう。
- 防水パンの交換について相談したい
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