パーソナルトレーニング
2023/06/27 2023/08/10

体幹は身体のコアにあたる部分で、手足を自由に動かすために重要な役割を担っています。体幹を鍛えることで、姿勢の改善や引き締まったボディラインなどの効果が期待できるでしょう。

本記事では、初心者でもできる体幹の筋トレメニューを紹介します。高齢者が自宅で簡単にできるトレーニング方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。

体幹の役割

体幹とは身体のコアとなる部分で、姿勢を保つために働く筋肉のこと。体幹を鍛えることで骨格と筋肉のバランスが整い、身体の安定性をキープしてくれます。腕や足の自由な動作のために、重要な役割をしている部分です。

また体幹は、内臓と脊髄を包み、保護する役割も果たしています。体幹の筋力が弱まると身体機能や内臓機能が弱くなり、歩行や生活機能が衰えてしまいます。身体を健康的に維持するためには、体験を鍛えてこれらの機能を向上させることが重要です。

インナーマッスルと体幹の違い

体幹とインナーマッスルは、厳密にいうと同じものではありません。インナーマッスルは身体の深層にあり、姿勢を保つための筋肉です。正しい姿勢を維持し、骨や関節の動きをサポートします。

体幹は、このインナーマッスルと表層にあるアウターマッスルを含んだ総称のことを指します。アウターマッスルは大胸筋や大臀筋など比較的大きな筋肉で、身体が動作をするときに使う筋肉です。

体幹のトレーニングにより、インナーマッスルとアウターマッスルの両方を鍛えることが重要です。

体幹を鍛える効果とメリット

体幹のトレーニングにより、姿勢の改善やボディラインを引き締めるなど、さまざまな効果が期待できます。ここでは、体幹を鍛える効果・メリットを紹介します。

姿勢を改善できる

猫背や巻き肩の方は、体幹トレーニングに取り組むことにより、姿勢を改善できる場合があります。姿勢を良くするために重要なのは背骨と骨盤ですが、身体の土台となる骨盤が歪むと、つながっている背骨をうまく支えられません。そのため、骨盤が歪んでいると上半身の姿勢が悪くなってしまいます。

体幹のトレーニングで筋力を高めることで、身体のバランスを整えることが可能です。背中を支えている脊柱起立筋が強化され、無理なく背筋を伸ばして正しい姿勢を維持できるようになるでしょう。

引き締まったボディラインになる

体幹トレーニングは、基本的にお腹周りを引き締める運動のため、メリハリのある理想のボディラインが手に入ります。

また、体幹の筋肉を鍛えて筋力が高まることで、基礎代謝アップの効果も。消費カロリーが増えるため、脂肪を燃焼しやすい身体になるでしょう。

基礎代謝は年齢とともに低下するため、同じ量を食べても年々太りやすくなってしまいます。体幹を鍛えて基礎代謝を上げることで、痩せやすく太りにくい身体を実現できるのもメリットです。

疲れにくい身体になる

体幹トレーニングにより、身体が疲れにくくなるのもメリットです。体幹が不安定な状態になると動作の効率が悪くなり、少し動くだけでも必要以上のエネルギーを使ってしまいます。疲れが溜まりやすくなり、身体が重く感じるようにもなるでしょう。

体幹を鍛えて効率の良い動きができるようになれば、少ないエネルギーで動くことができ、疲れにくい身体を実現できます。スポーツパフォーマンスの向上も期待できるかもしれません。

毎日自宅でできる体幹トレーニングメニュー5選

体幹トレーニングの中には特別な器具を使わず、自宅でできるメニューもあります。ここでは、毎日できる自重トレーニングを5つ紹介しましょう。正しいフォームや目安のセット数、トレーニング効果を高めるコツについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。

プランク

身体を一直線に保ち、体幹を鍛えるトレーニングです。

  1. うつ伏せになり、肩の真下に肘が来るようにする
  2. 上半身を起こし、肘とつま先で身体を支える
  3. 脚を閉じ、頭からかかとまで一直線になるようにする
  4. お腹とお尻に力を入れて30秒キープする

回数は、30秒を目安に3セット行います。慣れてきたら、時間を1分に伸ばしましょう。

トレーニングの効果・目的腹直筋や腹横筋を鍛える
トレーニング時のコツ・目線は斜め前にする
・呼吸を止めない
・肩や腕に力を入れないよう注意し、腹筋を意識する
正しいフォームお腹を落とさず高さを保ち、お尻を上げないようにして身体を一直線にする

ドローイング

お腹をへこませながら浅い呼吸を繰り返し、腹筋やインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。

  1. 床にまっすぐ立ち、腹式呼吸で大きく息を吸う
  2. 吸い切った状態で一度息を止める
  3. 腹部をへこませながら勢いよく息を吐く
  4. 息を吐き切った状態をしばらく保つ

1回15秒で2セット行います。

トレーニングの効果・目的深層筋・腹横筋を鍛える
トレーニング時のコツ・腹筋を意識して呼吸する
・力を入れすぎない
正しいフォーム背筋を伸ばしてまっすぐに立つ

マウンテンクライマー

有酸素運動の要素も取り入れ、一部の部位だけでなく全身の脂肪燃焼にも効果的な体幹トレーニングです。

  1. うつ伏せで両手を肩幅に開いて床につき、プランクの姿勢をとる
  2. 片足の膝を胸に引き付けるように曲げ、前方に足をつく
  3. 蹴るようにして、左右の足の位置を入れ替える

30秒を目安に3セット行います。

トレーニングの効果・目的腹筋強化、脂肪燃焼
トレーニング時のコツ・体を大きく弾ませず背中が丸くならないようにする
・体幹部分は動かさない
正しいフォーム着地する足はしっかり踏ん張る足首で蹴り上げて太ももをしっかり上げる

ヒップリフト

お尻や太ももの筋肉を鍛え、下半身を引き締めるトレーニングです。

  1. 仰向けになる
  2. 足を広げて膝を90度に曲げる
  3. 床からお尻を浮かせる
  4. お腹と膝の位置を一直線にする
  5. 15~30秒キープする
  6. ゆっくりお尻を下げる

15〜30秒を目安に3セット行います。

トレーニングの目的大臀筋を鍛える
トレーニング時のコツ・首に力を入れない
・自然な呼吸を続ける
正しいフォーム・肩を床につける
・膝から肩までが一直線になるような姿勢が難しい場合は手のひらで床を支える

サイドブリッジ

プランクを応用し、横向きで行う筋トレメニューです。

  1. 床に肘をつき、身体を横向きにする
  2. 頭からかかとまで、真っ直ぐに保つ
  3. 呼吸を止めないようにして1分間キープする

1分間行い、休憩を挟みながら3セット行います。さらに負荷を高めたい場合は、上側の足を上げて両足を開いた状態にしましょう。

トレーニングの効果・目的腹斜筋を鍛え、ウエストラインを引き締める
トレーニング時のコツ・肩に力を入れない
正しいフォーム身体を一直線にする身体の下側にある腕を地面に対して垂直になるようにする

器具を使った体幹トレーニングメニュー5選

ジムに通っている方は、器具を使った本格的なトレーニングメニューがおすすめです。ここでは、器具を使った体幹トレーニングを5つ紹介します。

デッドリフト

バーベルを膝の高さまで持ち上げ、体幹を鍛えるトレーニングです。全身を一度に鍛えるのに効果が期待できます。

  1. 足を肩幅に開いて立ち、つま先を正面に向ける
  2. 膝を曲げ、両手でバーベルを持つ
  3. 胸を張って背筋を伸ばす
  4. バーベルを上からつかむ
  5. 身体の前面に沿わせるように持ち上げる
  6. バーベルが膝の高さを通過したらより上半身を起こす
  7. 膝が伸びきったタイミングで元の位置に戻る

初心者は、体重と同じくらいの重さのバーベルを使って10回程度行います。

トレーニングの効果・目的背中、お尻、ハムストリングスを鍛える
トレーニング時のコツ・動作中に背中を丸めない
・バーベルはできるだけ身体に近づけて沿わせる
・常に腹圧を入れた状態をイメージして行う
正しいフォーム腰を反りすぎず、骨盤をまっすぐ立てて行う

バランスボールプランク

バランスボールを使い、プランクを行う筋トレです。バランスをとりながら行うことで、効果的にお腹の筋肉や体幹を鍛えられます。

  1. バランスボールの下にトレーニングマットを敷く
  2. バランスボールに両腕を置き、上半身のバランスをとりながら膝を伸ばす
  3. 腰が反らないようにお腹とお尻に力を入れる
  4. 身体を一直線にする
  5. 30秒間、姿勢をキープする

時間は30秒を目安に2~3セット行います。

トレーニングの効果・目的腹直筋、腹斜筋を鍛える
トレーニング時のコツ目線は少し前に向け、上半身のバランスをとる
正しいフォーム肩から足まで一直線にする

フロントスクワット

バーベルを持ちながら行うスクワットです。バーベルやダンベルを体の前に担ぐことで、太ももの部位に強い刺激を与えます。

  1. 足を肩幅くらいに開き、体の前にバーを置く
  2. 鎖骨と両肩にバーベルを置き、手首を返すようにして前からバーベルを持つ
  3. 鎖骨と両肩、両手でしっかりとバーベルを支えるようにする
  4. 太ももと地面が平行になるまで体を落とす
  5. 胸を張ったまま膝を伸ばして立ち上がる

10回を1セットにして、3セット行います。

トレーニングの効果・目的太ももや大臀筋など下半身を鍛える
トレーニング時のコツ・顎を上げない
・重心は常に足の真ん中に置く
・呼吸を止めずに体幹部に力を入れる
正しいフォーム背筋を伸ばし、かかとは常に床につける

ローワーバック

座って前かがみの姿勢から身体を起こす筋トレです。マシンで負荷を与え、効率的に背中の筋肉を鍛えることができます。

  1. 1セット10〜15回できる重さを設定する
  2. 胸の前で手を組み、背筋を伸ばす
  3. 1・2のリズムで上げて、3・4・5のリズムで戻す
  4. シートに深く座る
  5. 呼吸は上げるときに吐き、戻す時に吸うようにする

10〜15回で1セット行います。

トレーニングの効果・目的背筋を鍛えて姿勢を良くする
トレーニング時のコツ反動を使わずゆっくり動作する
正しいフォーム骨盤を立て、背筋を伸ばしてマシンに座る

ベンチバックエクステンション

マシンを使い、背中全体を鍛える筋トレメニューです。

  1. マシンのパッド部分にアキレス腱をあて、うつ伏せになる
  2. 両手を顎の下か頭の後ろで組む
  3. 肘を閉じ、マシンに沿って背中を丸める
  4. 肘を開きながら、ゆっくりと背中を伸ばす

10回を目安に、3セット行います。負荷が足りない場合には、ダンベルを持ちながら行うのも効果的です。

トレーニングの効果・目的脊柱起立筋を鍛える
トレーニング時のコツ反動を使わずゆっくり行う
正しいフォーム上半身を起こすとき腰を反りすぎない

高齢者でも簡単にできる体幹トレーニングメニュー

高齢者の方でも、簡単に体幹を鍛えられる筋トレメニューがあります。高齢の場合は加齢とともに体幹の筋力が弱まり、そのまま放置しておくと歩行能力の低下や日常生活でうまく動けないなどの弊害が起こる可能性も。体幹トレーニングをすることで、年齢を重ねても健康的に動ける身体を手に入れられるでしょう。

ここでは、自宅でできる体幹トレーニングメニューを2つ紹介します。

クランチ

腹筋を鍛えるトレーニングで、主にお腹の筋肉を鍛えます。座ったままの状態で、簡単にできるトレーニングです。

  1. 仰向けに寝て両ひざを立てる
  2. おへそをのぞき込むようにゆっくりと頭を起こす
  3. ゆっくりと元に戻す

バックキック

大臀筋を鍛える体幹トレーニングです。

  1. 四つ這いの姿勢になり、手は肩の真下に置く
  2. 膝は骨盤の幅に開く
  3. 片方の膝を伸ばしながら後方へ蹴り上げる
  4. 膝を床ギリギリまで下ろす

左右各10回、3セットを目安に行います。

体幹トレーニング効果を高めるおすすめ器具

体幹トレーニングで器具を使う場合、バランスボールやダンベルなどの器具を使うことで効果を高めることができます。

器具を使うトレーニングは、ジムに通っている方にもおすすめです。最後に、体幹トレーニングに効果的な道具を2つ紹介します。

バランスボール

バランスボールとは、その名の通り身体と密着させてバランス感覚を養うボールのことです。バランスボールの重み・弾み、不安定な形状が身体の負荷となり、バランスを取るために自然と体幹が使われます。そのため、無意識に体幹の筋肉を鍛えられるのがメリットです。

バランスボールを使った基本的な筋トレメニューとしては、ボールの上に座って横や前後に腰を動かすエクササイズがあります。腰痛改善などに効果的で、最初はできる範囲で動かし、少しずつ大きく動かすようにしましょう。腰に痛みが出た場合は、無理に行わないよう注意してください。

ダンベル

ダンベルは、両側に重りが付いたトレーニング器具で、自宅で行う体幹トレーニングには欠かせないアイテムです。身体に負荷をかけ、筋トレの効果を高めてくれます。ダンベルには重りと持ち手が一体となった固定式と重さを変えられる可変式があるため、トレーニングメニューに合わせて適切なタイプを選びましょう。

ダンベルは、さまざまなトレーニングメニューに取り入れることが可能です。たとえば、スクワットをする際に両手にダンベルを持つことで、よりトレーニング効果を高められます

ダンベルを使用する際に重要なのは、適切な重さで行うこと。まずは軽い重さからはじめ、慣れてきたら少しずつ重さを増やしていくと効果的なトレーニングができるでしょう。

バランスボード

バランスボードとは、不安定なボードの上に乗ってバランスを取りながら体幹トレーニングできるアイテムです。乗るだけで、自宅でも手軽に筋トレができます。

乗り方次第でトレーニングの難易度を調整できるため、初心者から上級者まで、効果的なトレーニングが可能です。

バランスボードを使った筋トレとしては、バランスボードの上に乗ってバランスを保つメニューがあります。バランスを取る際は体に力を入れないように注意し、リラックスして行うことが重要です。

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今回の記事では、体幹を鍛えるメリットや効果、具体的なトレーニングメニューを解説しました。身体のコア部分となる体幹を鍛えることで、さまざまなメリットを享受できます。特に高齢者の方は、動きやすい身体づくりのためにも優先して鍛えていくのがおすすめです。

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