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  6. 浴室に窓は必要?メリット・デメリットやおすすめの窓の種類を解説
2024/03/01 2024/05/13

浴室リフォームを検討している方の中には、窓が必要かどうか悩んでいる方も多いでしょう。浴室に窓を設置すればお風呂の採光性が高まり換気がしやすくなりますが、一方で防犯性が低くなるのが難点です。

そこで本記事では浴室に窓を設置するメリットやデメリット、費用相場などをまとめて解説します。目隠し対策や寒さ対策など目的別に、おすすめの窓の種類も紹介するのでぜひ参考にしてください。

浴室に窓は必要か?あり・なしを比較

注文住宅を建てたり浴室リフォームを検討したりする際、お風呂に窓が必要か悩む方も少なくありません。

マンションの浴室には窓が設置されていないことも多いですが、一戸建ての場合は採光や開放感の観点から窓を設置している場合がほとんどです。

メリット

浴室窓あり浴室窓なし
・自然光が入りやすい
・換気がしやすい
・開放感が生まれる
・窓枠を棚代わりに使える
・窓の掃除が不要
・プライバシーを確保できる
・断熱性を維持できる

デメリット

浴室窓あり浴室窓なし
・防犯対策が必要になる
・結露が発生しやすくなる
・窓の設置費用がかかる
・自然換気できない
・圧迫感が出やすい
・お風呂が暗くなる

浴室窓のあり・なしには上記のような違いがあるので、後悔することがないようにしっかり比較検討しましょう。

浴室に窓を設置するメリット

浴室(ユニットバス)に窓を設置するメリットとしては、大きく下記4つが挙げられます。

  • 採光性が高まる
  • 換気がしやすくなる
  • 開放感が生まれる
  • 断熱窓なら寒さ対策やヒートショック対策になる

基本的に窓を設置すると浴室内に冷気が入り込みやすくなりますが、断熱効果の高い窓にすれば寒さ対策にも効果が期待できます。

窓の選び方次第ではデメリットをメリットに変えられるので、ユニットバスの状況や希望に応じて適した窓の種類を選択することが大切です。

採光性が高まる

浴室に窓を設置すれば外からの自然光を取り入れやすくなり、浴室内の採光性が高まります。お風呂が明るくなるのはもちろん、日当たりが良くなることでカビの繁殖を防げるのも大きなメリットです。

日光を浴びながら入浴するとリラックス効果も高まり、より快適なバスルームになるでしょう。また、日中であれば電気を付けずに入浴できるので、電気代の節約にもつながります。

換気がしやすくなる

窓を設置することで、浴室の換気がしやすくなるのもメリットのひとつです。

浴室は湿気がこもりやすい場所なので、定期的な換気が欠かせません。開閉可能な窓を設置すれば風通しがよくなるため、カビの発生を抑えて清潔なお風呂を実現できるでしょう。

また、換気扇を使用しなくても浴室内の空気を入れ替えられるので、電気代を節約できるのもうれしいポイントです。

浴室窓は開けっ放しでもOK?

換気に役立つ浴室窓ですが、基本的に開けっ放しにしておくのはおすすめできません。窓をずっと開けていると、かえって空気中のカビを取り込んでしまう恐れもあります。外からの湿気や冷気も入りやすくなるため、浴室内の温度調整も難しいでしょう。

換気する時は、なるべく窓を開ける時間を短時間にするのがポイント。窓を開けただけでは浴室の壁や床の湿気を完全に取り除くことはできないので、換気扇やサーキュレーターも併用して効率よく換気するのがおすすめです。

開放感が生まれる

浴室の窓には、お風呂の開放感をアップさせる役割もあります。元々浴室は閉鎖的で圧迫感のある空間ですが、窓から日光や風を取り込めれば開放的な気分を味わえるでしょう。

外の景色を眺めながら入浴すれば、まるで露天風呂かのような快適性を実現できます。浴室を広く見せる効果も期待できるので、お風呂でリラックスしたいと考えている方には大きなメリットです。

断熱窓なら寒さ対策やヒートショック対策にも

浴室に窓を設置すると外の冷気を取り込みやすいため、寒さ対策が必要になります。特に寒さが厳しい冬には注意が必要ですが、断熱性や気密性の高い窓を選べば防寒対策につなげることが可能です。

浴室と脱衣所の寒暖差によるヒートショックも予防できるので、安心して入浴するためにも断熱窓への交換リフォームを検討すると良いでしょう。

また、浴室乾燥機の暖房機能を起動させることも減るため、電気代を大幅に節約できるのもメリットです。

浴室に窓を設置するデメリット

浴室への窓の設置は、もちろんメリットだけではありません。

  • 目隠し・防犯対策が必要になる
  • 結露が発生しやすく掃除が大変

窓を開閉して換気がしやすくなる反面、外から浴室内が見えてしまい防犯性が格段に下がるのはデメリットです。また、カビの原因となる結露が発生しやすくなるので、掃除の手間がかかりやすいのも難点と言えるでしょう。

ここからは浴室窓のデメリットを詳しく解説するので、メリットと見比べたうえで設置を検討してください。

目隠し・防犯対策が必要になる

ユニットバス(システムバス)に窓を設置する際は、目隠し・防犯対策が必要になります。特に人通りの多い場所にお風呂がある場合は、通行人から浴室内を覗かれるリスクもゼロではありません。

窓を開放しているとプライバシー対策が難しいため、フェンス・網戸・格子などを設置してしっかり防犯対策を行ってください。

なおマンションの高層階の場合は窓の設置によるデメリットが少ないので、住宅の立地条件に応じて決めると良いでしょう。

結露が発生しやすく掃除が大変

窓を設置すると浴室内の換気はしやすくなりますが、外気との温度差によって窓本体に結露が発生しやすいのはデメリットです。

結露はカビの原因にもなるため、清潔で快適なバスルームにするためには定期的にお手入れする必要があります。特に窓のサッシやパッキンにはホコリ汚れも溜まりやすいため、掃除がかなり大変と言えるでしょう。

窓まわりのこまめな掃除が難しい方は、窓を設置しないほうが良いかもしれません。

浴室に設置できる窓の種類と開け方

浴室に窓を設置する際は、設置可能な窓の種類を事前に把握しておくことが大切です。主に7種類の窓があり、それぞれ窓の開け方や特徴が異なるので下記で確認しておきましょう。

窓の種類特徴・メリット・デメリット
内倒し窓●窓の上部が室内側に倒れるように開く
●外部に干渉しない
●通気を確保しやすい
●小さめのサイズが多く防犯面も優れている
上げ下げ窓●窓ガラスが上下に2枚分かれている
●上下に開閉する
●上部の透明ガラスが固定されているタイプも
●気密性が高い
●窓の外側を掃除しにくい
●開閉に力を込める必要がある
出窓●建物から突き出ているタイプ
●日当たりが良い
●突き出ている部分に物を置ける
●外からの見栄えがおしゃれに見える
●浴室の使用面積を広くしたい場合におすすめ
●建物の外側にスペースが必要
●突き出ている部分の手入れが重要
フィックス窓●固定されており開閉できないタイプ
●防犯効果に優れている
●スペースを必要としない
●採光に適している
●開閉できないため換気はできない
●目隠しシートなどを貼り付けるのが難しい
引き違い窓●2枚の窓を2つのレールでスライド・開閉するタイプ
●窓の拭き掃除がしやすい
●設置可能な窓のサイズ幅が広い
●開口部が大きいため断熱性が低い
縦すべり窓●外に押し出すようにして開くタイプ
●窓枠の中央を軸にして外側に開く
●風通しが良くなる
●気密性が高い
●縦長サイズなので外部からの侵入を防ぎやすい
●雨が吹き込みやすい
●外側に面格子をつけられない
横すべり窓●窓枠の左右にある溝に沿って外側に滑り出させて開くタイプ
●窓の角度を調整でき、換気がしやすい
●上部に開くので雨が入り込まない
●開口部がほとんど見えないため防犯・覗き見対策になる
●サイズのバリエーションが幅広い

浴室窓の種類を選ぶ時は、開け方や仕様のほかデザイン性にも気を配ることがポイントです。浴室窓はLIXIL(リクシル)やYKK AP、TOTOなど、さまざまな住宅設備メーカーから販売されているので、まずは製品カタログを取り寄せてみると良いでしょう。

それぞれの窓の特徴について詳しく解説するので、窓選びの参考にしてください。

内倒し窓  

内倒し窓

内倒し窓は、窓ガラスの上部が室内側に開くのが特徴です。窓の可動域が限られているので開く面積が小さく、防犯性能に優れています。省スペースなので、浴室が狭い場合でも安心して設置できるでしょう。

注意点としては、室内側に開くためカーテンやブラインドを設置しにくい点が挙げられます。さらに防犯対策をしたい場合は、目隠しシートを設置してみてください。

上げ下げ窓

上げ下げ窓

上げ下げ窓は、2枚に分かれた窓を上下にスライドさせて開閉するタイプの窓です。縦長で開口部が狭いことが多く、外部からの侵入や空き巣のリスクを軽減できます。レールがないため気密性も高く、なかには上部の透明ガラスが固定されているタイプもあります。

費用が高いのはデメリットですが、防犯・防寒対策を重視している方におすすめです。

出窓

出窓

出窓とは、建物から突き出て設置される窓のことを指します。浴室の外側に窓があるため日当たりが良く、浴室の使用面積を広くできるのがメリットです。突き出た部分はカウンターとして物を置くのに便利なので、観葉植物を飾るのにも重宝します。

見栄えがおしゃれになるのも魅力ですが、窓の場所が外から把握しやすいため防犯性にはやや劣ると言えるでしょう。また、突き出ている部分に結露が発生しやすく、掃除やお手入れが大変なのも難点です。

フィックス窓

フィックス窓

フィックス窓は、開閉できないよう固定されているタイプの窓です。窓を開放できないため換気はできませんが、自然光を取り入れて採光性を向上させることができます。

他の窓に比べて、防犯効果が最も高いのもポイントのひとつ。しかし目隠しシートなどを貼り付けるのは難しいので、浴室には不向きと言えるでしょう。

引き違い窓

引き違い窓

引き違い窓は、2枚のサッシを左右にスライドさせて開閉する窓を指します。レールが付いており、一般的な住宅に採用される窓の中でもオーソドックスなタイプです。

サイズが大きめなので採光性が高く、換気をしやすいのがメリット。価格も比較的安価ですが、外気が入りやすく気密性には劣る傾向にあります。特に冬場の時期は室温が下がりやすくなるため、防寒対策やヒートショック対策を怠らないようにしましょう。

また窓が大きい分、外部からの侵入や空き巣も容易なので、防犯性にも配慮する必要があります。

縦すべり窓

縦滑り窓

縦すべり窓は、ガラス戸を外側へ向けて押し出すようにして開くのが特徴です。窓枠の中央を軸にして、室外側へ滑らせるように開きます。

縦長なので外部からの侵入を防ぎやすいほか、風通しが良いのが大きなメリットです。気密性も高いので、室温を快適に保ちやすいのもうれしいポイントでしょう。

ただし、窓が開く方向にある程度スペースが必要になるため、事前に開口部や幅のサイズを測っておくことが大切です。

横すべり窓 

横滑り窓

横すべり窓も、窓枠の左右にある溝に沿って外側に滑り出させて開くタイプです。窓の角度を調整できるので換気がしやすく、全開にしなくて良いので気密性にも優れています。

仕様や開け方は縦すべり窓と同様ですが、横すべり窓は横長の形状が特徴です。上部に窓が開くため、天気が悪い日でも雨が入り込むリスクを軽減できます。

バリエーションも豊富なので、開く側のスペースに合わせて最適な窓サイズを選びましょう。

【リフォーム目的別】おすすめの浴室窓

浴室窓を導入する際は、窓の設置によって生まれるデメリットをカバーできるタイプを選択することが大切です。そこでここからは、リフォーム目的別におすすめの浴室窓を紹介します。目隠し対策と寒さ対策別に具体的なリフォーム方法も解説するのでぜひ参考にしてください。

お風呂の目隠し対策には可動式ルーバー面格子

お風呂の防犯・目隠し対策をするなら、可動式のルーバ―面格子を設置するのがおすすめです。ルーバ―窓とは細長い羽根板を平行に組んだ窓のことで、外部から浴室内を見えにくくする効果が期待できます。

ブラインドのような形状で、可動式タイプであれば開閉角度を自由に調整できるのが大きな特徴です。たとえば入浴中はルーバーを閉めて外からの視線を遮断したり、掃除の際は少し隙間を作って風通しを良くしたりと、シーンに応じて使い分けできます。

防犯性能が最も高い窓の種類なので、目隠し・覗き見対策を重視している場合はぜひ検討してみてください。

また万が一の侵入に備えて、一般的な窓ガラスや単板ガラスよりも割れにくい複層ガラスや防犯ガラスへ交換するのもひとつの方法です。

カーテンや目隠しシートの活用も

さらにプライバシー対策をしたいなら、可動式ルーバ―面格子を設置したうえでカーテンや目隠しシートを活用するのもおすすめです。ルーバ―自体がブラインドのような形状なので、オプションで設置するならブラインド以外を選ぶと良いでしょう。

浴室の窓に突っ張り棒を吊り下げれば、賃貸物件でもカーテンを設置することができます。一方目隠シートは窓に貼り付けるだけで簡単に設置でき、窓のサイズや形状に左右されにくいのが魅力です。目隠しシートの中にはデザイン性にこだわったものや機能性に優れたものも多いので、さまざまな商品を見比べて選んでみてください。

寒さ対策には内窓や複層ガラスの設置が有効

浴室の寒さ対策には、内窓の設置が効果的です。既存の窓の内側にプラスで1枚窓を設置して二重窓(二重サッシ)にすることで、浴室内の断熱性や気密性を高められます。冷えの解消にも役立つので、冬場の季節でも快適なバスタイムを過ごせるでしょう。

特に、単板ガラスにスペーサーという部材を挟んだ複層ガラスの中には、断熱性能と防犯性能を兼ね備えた商品もあるので気になる方は要チェックです。二重窓や複層ガラスにすると、浴室の防音効果も高められます。

樹脂サッシへの交換リフォーム

断熱効果を高めたいと考えているなら、樹脂サッシへの交換リフォームも検討してみましょう。アルミサッシに比べて樹脂製のサッシは熱を伝えにくいため、浴室内へ冷気が入りにくいのが特徴です。

断熱性や気密性も高いため、窓全体を交換したり内窓を設置したりする際は、樹脂サッシを選択してみてください。

窓を小さくする方法もおすすめ

既存の窓が大きい場合は、防寒対策として窓を小さくするリフォームも人気を集めています。大きいサイズの窓は採光性が高い分、浴室の暖気が逃げやすいのがデメリットです。換気の度に窓を開けていると、浴室が冷え切ってしまうこともあるでしょう。

そのため「浴室内の温度を快適に保ちたい」「ヒートショック対策をしたい」という場合は、窓を小さくする方法も検討してみてください。

浴室窓の大きさ・サイズ

浴室に窓を設置する際は、事前に間口・幅や浴室の間取りを把握しておくことが重要です。窓の開閉スペースも考慮して、扱いやすい大きさ・サイズの窓を選びましょう。

一般的な浴室窓の間口・幅

一般的な浴室用の窓は、30cm〜60cmの小さめサイズが主流です。特に上げ下げ窓・ルーバ―窓・内開き窓などに見られるサイズで、開口部がコンパクトな分寒さ対策や防犯対策に役立ちます。

引き違い窓の場合は60cm〜80cmのサイズが多いですが、前述の通り大きすぎるサイズの窓はあまりおすすめできません。浴室窓を設置できる場所は浴室の間取りによって限られているため、必ず業者と相談したうえで決めるようにしてください。

浴室窓の高さ

浴室用の窓の高さは、80〜120cm前後が多い傾向にあります。こちらも浴室の間取りによって設置可能な窓が異なるため、浴槽や天井とのバランスを見ながら決めるのがおすすめです。

窓のデザイン性もさまざまなので、設置後の空間をイメージしながら選ぶと失敗しにくいでしょう。

浴室・お風呂の窓選びは周辺環境に注意

浴室に設置する窓は小さめサイズを選ぶのが基本ですが、周辺環境によっては大きめの窓のほうが適しているケースもあります。

たとえば高層階に住んでいて外の景色を楽しみたいという場合は、60〜80cmの大きめな窓を設置するのも良いでしょう。

また既存の浴室に希望のサイズの窓を設置できない場合は、浴室やユニットバス全体をリフォームするのもひとつの方法です。特に使用年数が長い在来工法の浴室は、現場調査でトラブルが見つかることもあるかもしれません。

まとめて依頼するほうが費用が安くなることもあるため、まずはリフォーム会社に見積もりを依頼してみてください。

浴室の窓リフォームにかかる費用相場と日数

浴室の窓リフォームにかかる費用相場と日数は、施工方法によって大きく異なります。リフォーム費用の相場を把握しておけば、窓を設置する際の予算などを事前に設定しやすくなるでしょう。

施工方法費用相場施工期間(目安)
カバー工法(外窓交換)5万円〜30万円1日
ガラス交換2万円〜40万円半日
内窓設置4万円〜35万円半日〜1日
サイズ交換9万円〜25万円4〜10日

浴室窓を交換する際は、カバー工法で施工するのが基本です。ガラス交換や内窓の設置だけなら比較的安い費用でリフォームできることも多いので、寒さ対策を重視している方はぜひ検討してみてください。

なお上記のリフォーム費用には、窓本体の価格は含まれていません。窓の種類や性能によって本体価格は変動するため、なるべく節約したい場合はさまざまな窓を比較してみると良いでしょう。

以下の関連記事では、お風呂・浴室リフォームの費用相場や施工事例、リフォーム内容を紹介しているので、窓以外のリフォームも検討している方は併せて参考にしてください。

関連記事:お風呂・浴室リフォームの費用相場

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本記事では、浴室に窓を設置するメリット・デメリットをはじめ、おすすめの窓の種類、リフォーム費用相場などを解説しました。浴室用の窓を設置することで、採光性を高めたり換気をしやすくなったりするのがメリットです。安心して入浴するためにも、寒さ対策や防犯対策にも気を配りながら窓の種類を選びましょう。

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