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2017/03/21 2024/09/02

アシュタンガヨガとは?効果やルール、ポーズの順番を解説

アシュタンガヨガとは、呼吸とポーズを連動させることで深い瞑想を促すヨガの一種です。インド発祥の伝統的なヨガで、一連の決められたポーズを順番通りに行います。ダイナミックな動きを連続して行うため運動量が多く、脂肪燃焼や代謝アップに効果的です。

本記事では、近年人気を集めるアシュタンガヨガの効果やルール、ポーズの順番などを解説します。アシュタンガヨガのレッスンを受けられるおすすめ教室も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

アシュタンガヨガとは?

アシュタンガヨガとは、呼吸と動きを連動させながら行う伝統的なヨガの一種です。一連の決められたポーズを呼吸と同期させながら、流れるように行います。動きの激しいエネルギッシュなヨガとして知られており、爽快感を得られるのも魅力です。

アシュタンガはサンスクリット語で「八支則」を意味し、ヨガの経典「ヨーガスートラ」に内容が記載されています。八支則とは、ヨガのポーズや呼吸といったルールが書かれたヨガ哲学の基本となる教えのことです。

アシュタンガヨガはこの八支則をもとにしており、ヨガの哲学的側面を体感するにはぴったりと言えるでしょう。

アシュタンガヨガの歴史

アシュタンガヨガは、近代ヨガの父と称されるティルマライ・クリシュナマチャリア氏によって基盤が築かれ、その弟子であるシュリ・K・パタビジョイス氏がアレンジを加えて世界中に広められました。

1948年にパタビジョイスがインド・マイソール地区にアシュタンガヨガのジムを設立したのが始まりとされています。1990年代にはアシュタンガヨガにルーツを持つパワーヨガがアメリカで大流行し、世界中で実践されるようになりました。

アシュタンガヨガのマントラとは

アシュタンガヨガでは、練習(クラス)の始まりと終わりにマントラを唱えます。マントラとは、インドで古代から用いられている「心を落ち着かせるために唱える言葉」です。

真言や呪文といった意味があり、始まりと終わりにマントラを唱えるのには以下のような目的があります。

  • 始めのマントラ:これから始める練習の意味を理解し、練習する姿勢を確認する
  • 終わりのマントラ:練習が終わり、日常生活に戻るときの心構えを確認する

マントラには不動明王のマントラや愛染明王のマントラなど複数の種類があり、どのような内容を唱えるかはスタジオによって異なります。

アシュタンガヨガのクラス

アシュタンガヨガの練習方法(クラス)には、大きくマイソールとレッドの2種類があります。マイソールスタイルはアシュタンガヨガの伝統的な練習方法で、一連のポーズを個人のペースで行うのが特徴です。教室に複数人の生徒がいても各々異なるペースで練習し、インストラクターからアドバイスを受けられます。

一方レッドクラスは、インストラクターのカウントに合わせて練習する方法です。インストラクターがアーサナ(ポーズ)の順序や呼吸法を指示し、クラス全体で同じペースで進めていきます。生徒のレベルに応じてポーズの内容が分かれていることが多く、初心者でも取り組みやすいのが魅力です。

それぞれメリット・デメリットがあるので、自分のレベルや希望スタイルに応じて選びましょう。

アシュタンガヨガとハタヨガの違い

ハタヨガは、全てのヨガ流派の基本となる代表的な流派です。アーサナ(ポーズ)を中心としたヨガですが、アーサナの内容や順番は定められていません。インストラクターによって練習ポーズやルールが異なり、ヨガ初心者でも気軽に始められます。

反対にアシュタンガヨガは、アーサナの順番やルールが明確に決まっているのが特徴です。定められたポーズを繰り返し練習するので、ハタヨガに比べると自由度は低くなります。また、動きと呼吸を連動させながら連続的に行うので、ハタヨガよりも難易度が高いと言えるでしょう。

アシュタンガヨガの八支則

アシュタンガヨガは、ヨガの基本である思想・礼儀「八支則」に基づいてポーズを取っていきます。呼吸と動きを同期させることで深い瞑想に入り、悟りの境地へと達するのが目標です。ここでは、アシュタンガヨガの精神的・倫理的基盤となる八支則を見ていきましょう。

八支則心得
ヤマ(禁戒)日常生活で行ってはいけない心得。非暴力、真実、不盗、禁欲、無所有の5つを含む
ニヤマ(勧戒)個人の内面的成長を促進するために行うべき心得。清浄、満足、苦行、自己研究、神への帰依の5つを含む
アーサナ(坐法)身体的なヨガのポーズ。より高度な瞑想のために身体・心を整える
プラーナヤーマ(呼吸法)瞑想に集中するため呼吸を整える。心身の浄化と活性化を促進する
プラティヤーハーラ(感覚の制御)外部の刺激から感覚を引き離し、何にも動じない精神を作る
ダーラナー(集中)一点に意識を集中させる。瞑想へのステップ
ディヤーナ(瞑想)感情を制御した、持続的な集中状態。心の静寂と内なる洞察を深める。
サマーディ(三昧)ヨガの最終目標。自己と宇宙との完全な一体化を意味する。煩悩から解放され悟りを開いた状態

八支則は、ヨガの最中だけでなく日常生活に統合することが大切とされています。生活様式として取り入れれば、悟りの道へとたどり着けるでしょう。

アシュタンガヨガの効果

アシュタンガヨガは、他のヨガに比べてエネルギッシュに動くのが特徴です。身体的・精神的に総合的にアプローチするため、定期的に実践すればさまざまな効果を得られます。ここでは、アシュタンガヨガによって得られる3つの効果を確認してみましょう。

筋力・代謝がアップする

アシュタンガヨガでは全身の筋肉を使うため、コア(体幹)の筋力強化に効果が期待できます。どのポーズも強度・難易度が高く、多くのカロリーを消費できるのが魅力です。呼吸に合わせて動くことで脂肪燃焼効果も高まるので、ダイエット目的の方にはぴったりでしょう。

また、アシュタンガヨガの連続的な動きは有酸素運動としても機能し、基礎代謝の向上にもつながります。圧倒的な運動量によって基礎代謝がアップし、太りにくい身体をつくれるのもメリットです。

身体の柔軟性が高まる

アシュタンガヨガは、身体の柔軟性を高めるのにも効果的です。難易度の高いアーサナ(ポーズ)を取ることで全身の筋肉と関節が伸ばされ、可動域が広がります。

アシュタンガヨガは前屈・後屈・逆転といったアーサナで、全身を流れるように動かすのが特徴です。単純に身体を柔らかくするだけでなく、身体の歪みを整えられるので、肩こりや腰痛といった身体の不調改善にもつながるでしょう。

心身ともに健康になれる

修行目的で行われていたアシュタンガヨガは、精神的・感情的な健康にも大きな影響を与えます。決まった動きを正確に行うことで集中力が向上し、精神安定の効果を得られるでしょう。

またアシュタンガヨガを定期的に実践すれば、自己認識と自己受容を深め、強い精神力を鍛えることが可能です。ストレス緩和にも効果が期待できるので、日々のルーティーンに取り入れてみると良いでしょう。

アシュタンガヨガは「不安やうつ症状を軽減したい」「睡眠の質を向上させたい」という方にもおすすめです。

アシュタンガヨガの4つのルール

アシュタンガヨガは、特定の原則や方法論に基づいて行うことが大切です。ここからはアシュタンガヨガの4つの主要なルールについて解説します。

ポーズの順番が決まっている

アシュタンガヨガでは、アーサナ(ポーズ)の順番が厳密に決められています。アーサナは6つのレベルに分かれており、初心者向けの「プライマリーシリーズ」からより難度が高いシリーズへと進むのが基本です。

レベルが上がるに連れてアーサナ(ポーズ)が難しくなるので、段階ごとに練習を重ねる必要があります。流れるような動きを意識して繰り返し実践することで、瞑想状態に入りやすくなるでしょう。

胸式呼吸(ウジャイ呼吸)で行う

アシュタンガヨガは、ウジャイ呼吸と呼ばれる胸式呼吸で行います。胸式呼吸とは鼻から息を吸って鼻から出す呼吸方法のことで、喉の奥を少し締めて行うのがポイントです。喉の奥を締めると呼吸に摩擦音が生じ、呼吸音に意識を向けることで集中力が高まります。

なお鼻から息を吐くときは「シューッ」と力強く吐くようにしましょう。動きに連動してウジャイ呼吸を行うことで自律神経が整い、血行促進の効果も期待できます。

目線を固定する

アシュタンガヨガでは、アーサナごとに定めるべき視点(目線)があります。視線の固定点は「ドリシュティ」と呼ばれ、集中力を高めるためにも視点を動かさないことが重要です。

アシュタンガヨガにおける主なドリシュティとしては、以下のようなものが挙げられます。

  1. 鼻先(ナサグライ)
  2. 上方・天空(ウールドヴァ)
  3. 右側、右方遠く、左側、左方遠く(パールシュヴァ)
  4. おへそ(ナビ・チャクラ)
  5. 眉間( ブルーマディヤイ)
  6. 手(ハスタグライ)
  7. つま先(パダヨラグライ)
  8. 親指(アングシュタマディヤイ)

視線の固定によって外部の視覚的な刺激を減らし、内なる意識を高めることが可能です。ドリシュティを通じて集中力を鍛えておけば、ヨガ以外の日常生活でも役立つでしょう。

身体の締め付け(バンダ)を意識する

アシュタンガヨガは、身体・筋肉の締め付け(バンダ)を意識して取り組みましょう。バンダを意識すれば体内のエネルギー(プラーナ)が逃げるのを防ぎ、ポーズの安定性を高められます。バンダの主な種類は以下のとおりです。

  1. ムーラバンダ(骨盤底筋の締め付け)
  2. ウディヤーナバンダ(下腹部の締め付け)
  3. ジャランダラ・バンダ (喉の締め付け)

特に逆立ちなどのポーズでは安定した状態を保つのが難しいため、バンダを活用することが大切です。身体の体幹強化にもつながるので、アシュタンガヨガの効果を最大限に得るためにも重要と言えます。

しかしバンダの実践には高度な技法が必要なので、経験豊富なインストラクターのもとで学ぶのがおすすめです。初心者の場合は、まずポーズと呼吸に集中し、徐々にバンダの意識を取り入れましょう。

【プライマリーシリーズ】アシュタンガヨガのポーズと順番

アーサナは大きく6つのレベルに分かれていますが、初心者向けの最初のレベルが「プライマリーシリーズ」です。プライマリーシリーズでは、主に以下の順番でポーズを取ります。

  1. 太陽礼拝
  2. 立位のポーズ
  3. 座位のポーズ
  4. 終盤のポーズ

この順番は身体を徐々に開き、高度なポーズに向けて身体を強化できるよう設計されています。ここからは、プライマリーシリーズのポーズの順番を詳しく見ていきましょう。

1. 太陽礼拝

太陽礼拝

太陽礼拝は、その名の通り「太陽を拝むための動き」です。アシュタンガヨガの基礎となる動きで、身体を温め心身の準備を整える役割があります。

太陽礼拝にはAとBの2種類があり、ポーズの難易度が比較的低いのが特徴です。たとえば太陽礼拝Aでは、以下のような流れで行います。

【太陽礼拝Aの主な流れ】

  1. 山のポーズ(タダーサナ)
  2. 両手を上げるポーズ(ウールドヴァ・ハスターサナ)
  3. 前屈(ウッタナーサナ)
  4. チャトランガ・ダンダーサナ
  5. 上向きの犬のポーズ(ウールドヴァ・ムカ・シュヴァーナーサナ)
  6. 下向きの犬のポーズ(アドー・ムカ・シュヴァーナーサナ)

太陽礼拝Bには、Aの流れに加えてウトカタ―サナ(椅子のポーズ)とヴィーラバドラーサナ(戦士のポーズ)が含まれます。太陽礼拝は心肺機能の向上や血流促進にも効果があるので、毎朝行うと身体をリフレッシュできるでしょう。

2. 立位のポーズ

三角のポーズ,立位のポーズ

太陽礼拝が終わったら、立位のポーズを行います。代表的な立位のポーズについては、以下をご覧ください。

  1. パダングシュターサナ:つま先立ちの前屈
  2. トリコーナーサナ:三角のポーズ
  3. パールシュヴォッターナーサナ:側面の激しい伸展のポーズ
  4. プラサーリタ・パードッターナーサナ:開脚前屈
  5. パールシュヴァ・コーナーサナ:側面の角度のポーズ

立位のポーズは、前屈・体側・前屈・後屈の順に身体全体の筋肉を鍛えるのが特徴です。骨盤と股関節の柔軟性を高められるので、姿勢の改善にも役立ちます。

最初は難しいポーズも多いですが、できるところから始めて身体を温めていきましょう。

3. 座位のポーズ

杖のポーズ

座位のポーズ以降は、ポーズ間にハーフヴィンヤサが入ります。ポーズの難易度が高く、バランスを取りづらいので無理のない範囲で練習しましょう。

  1. ダンダーサナ:杖のポーズ
  2. パスチモッターナーサナ:座位前屈
  3. プールヴォッターナーサナ:逆板のポーズ
  4. アルダ・バッダ・パドマ・パスチモッターナーサナ:半結跏趺坐前屈
  5. マリーチャーサナA、B、C、D:賢者マリーチのポーズ
  6. ナーヴァーサナ:舟のポーズ
  7. クルマーサナ:亀のポーズ

座位のポーズでは、できるだけつま先を伸ばし、美しいポーズを維持するのがポイントです。背中・腹部・股関節などの柔軟性アップに有効なので、バンダやドリシュティも意識しながら進めてみてください。

4. 終盤のポーズ

鋤のポーズ

プライマリーシリーズの終盤には、逆転のポーズをはじめとする高度なポーズが含まれます。主な終盤のポーズは以下のとおりです。

  1. サルヴァンガーサナ:肩立ちのポーズ
  2. ハラーサナ:鋤のポーズ
  3. マツヤーサナ:魚のポーズ
  4. ウッターナ・パーダーサナ:上げた足のポーズ
  5. シールシャーサ:頭立ちのポーズ
  6. バッダ・コーナーサナ:結んだ角度のポーズ
  7. シャヴァーサナ:屍のポーズ

逆転のポーズ(サルヴァンガーサナ、シールシャーサナ)は血液循環を促進し、身体をリフレッシュさせる効果があります。ただし終盤のポーズはバランスが難しく、1人で行うと怪我する恐れもあるので、必ずインストラクターの指導のもと行うようにしてください。

アシュタンガヨガの注意点

アシュタンガヨガには、先程紹介したルール以外にもいくつか注意したいポイントがあります。伝統を重んじるヨガなので、練習時は以下のようなルールに気を付けましょう。

  • 練習中に水を飲まない
  • 練習前に食事をしない
  • 練習前はシャワーで身体を清める
  • 練習中に会話をしない
  • アーサナは順番通りに行う
  • 満月、新月は練習を行わない
  • 生理中1〜3日は練習しない

アシュタンガヨガを満腹状態で行うと内臓に負担がかかるため、可能な限り空腹状態で行うことが推奨されています。またヨガスタジオによっては、香水などの香りが禁止されている場合もあるので注意が必要です。

上記はあくまでも一例ですが、他のヨガにはないルールがあるので事前に把握しておくと良いでしょう。

【東京都】おすすめのアシュタンガヨガ教室

アシュタンガヨガを始めたいなら、プロのインストラクターが在籍するヨガ教室に通うのがおすすめです。そこで最後に、東京都でアシュタンガヨガのクラスを提供している教室を2つ紹介します。

IYC インターナショナルヨガセンター

IYCインターナショナルヨガセンターは、約30年の歴史を持つヨガスタジオです。日本におけるアシュタンガヨガの第一人者であるケン・ハラクマが在籍しており、さまざまなスタイルのヨガクラスを提供しています。

アシュタンガヨガを中心にハタヨガ ・陰ヨガ・ヴィンヤサ系ヨガといった多様なクラスがあり、初心者・上級者などレベル別に選べるのが魅力です。計5つのスタジオがありますが、ケン・ハラクマから直接指導を受けたい場合は表参道スタジオを訪ねてみましょう。

TOKYOYOGA青山

TOKYOYOGA青山は、東京都港区の閑静な場所に位置するヨガスタジオです。アシュタンガヨガはもちろん、リラックスヨガやハタヨガなどのクラスがあり、自分のレベルや目的に応じて選べます。

メインスタジオの天井は高くて開放感があり、1年を通して快適にヨガを行えるのが魅力です。ヨガスタイルに合わせたプロップ(ブランケットやブロックなどの道具)も用意されているので、体が硬い方も自分のペースでアシュタンガヨガを行えるでしょう。

ゼヒトモでアシュタンガヨガのレッスン教室を探す

本記事では、アシュタンガヨガの効果やポーズの順番、気を付けたいルールなどを詳しく解説しました。アシュタンガヨはダイナミックな動きが多く、筋力アップや代謝アップに効果が期待できます。

呼吸法やポーズの順番などのルールが明確なので、初心者の場合はプロのインストラクターが在籍するヨガ教室に通うのがおすすめです。

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そんな方は、ゼヒトモでヨガのレッスン教室を探してみませんか?ヨガのインストラクターから指導を受ければ、自分の体の硬さや骨の歪み、怪我などを考慮してアシュタンガヨガを行えます。

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