大人の習い事としても人気のある書道や習字ですが、具体的な違いがわからないという方も多いのではないでしょうか。書道と習字は目的や学習内容に違いがあるため、趣味として始める場合は自分に合った教室を選ぶのがおすすめです。
本記事では、書道と習字の違いを詳しく紹介します。教室に通おうか悩んでいる方や書道と習字どちらを習おうか悩んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
書道と習字の違いは何?
書書道と習字は、どちらも文字を書くという点では同じですが、目的やアプローチに違いがあります。まずは、書道と習字の定義や概要について詳しく見ていきましょう。
書道とは?
書道とは、筆と墨を用いて文字を芸術的に表現する日本の伝統芸術です。「文字のアート」と言うこともでき、文字そのものを通じて感情や精神を表現します。
書道では、文字の形・線の強弱・墨の濃淡・余白の使い方などすべての要素を作品の一部として評価するのが特徴です。決まったお手本はないので「行書・楷書・草書といったさまざまな字体をいかに美しく表現するか」という技術とセンスが求められるでしょう。
筆づかいや字のプロポーションなど、教室や流派・会派ごとに指導される部分はありますが、習字に比べると自由度が高いと言えます。
習字とは?
習字とは、文字を正確かつ美しく書くための方法を習うことです。特に日本では小学校の教育課程でも取り入れられており、子どもたちが正しい書き順やバランスを身に付けるために行われます。
なお小中学校の授業で行う習字は「書写」と呼ばれることもあり、書き順や字体などをいかに正しく書けるかが重要視されるのが特徴です。
習字の主な目的は「読みやすく綺麗に整った字を書く」ことにあります。書道では芸術性や個性を出すことに重きを置きますが、習字では個人の癖を出すことなく「お手本に沿った美しい字を書くこと」が求められます。
最近では「ボールペン字講座」もよく見られますが、これも習字の一種です。習字では楷書体が基本となり、整った形の文字を正確に書けるように指導されます。
書道教室と習字教室では学べる事が違う?
書道と習字はそれぞれ目的に違いがありますが、実は使用道具や学習内容にも異なるポイントがあります。教室によって学べる内容が違うため、自分の希望に合わせて選ぶのがおすすめです。
書道と習字で使う道具
書道(毛筆) | 習字(硬筆・毛筆) | |
筆の特徴 | ・筆と墨を使って文字を表現する ・とめ、はね、はらいなど表現の幅が広い ・毛筆を使いこなすには一定のテクニックが必要 | ・硬筆と毛筆を両方使う場合がある ・硬筆は文字の書き順やバランスを学びやすい |
筆以外に必要な道具 | 下敷き、文鎮、筆置き、墨(墨汁)、硯など | 紙のみ |
書道と習字で使う道具はよく似ていますが、筆に大きな違いがあります。書道では主に毛筆、つまり筆と墨を使って文字を表現するのが特徴です。毛筆を使うことで、線の太さや墨の濃淡、筆圧などを調整し、文字に立体感や流動的な表現を与えられます。
書道では筆の選び方が作品に影響を与えるため、毛の長さ・硬さ・産地などにこだわって選ぶことが大切です。しかし、とめ・はね・はらいなど表現の幅が広い分、毛筆を使いこなすには一定のテクニックが必要となります。
一方習字では、硬筆と毛筆の両方を使うのが特徴です。硬筆はペン先が硬い素材で作られている筆のことで、ボールペンや鉛筆、フェルトペンなども硬筆に含まれます。硬筆は文字の書き順やバランスを学びやすく、日常生活で役立つ字のスキルを身につけたいときに最適です。
書道と習字の学習内容
書道と習字では学ぶ内容にも違いがあります。書道の学習内容は、文字を通じて感情や思想を表現する技術を身につけることが中心です。
古典的な書体を模写する「臨書」からはじまり、独自のスタイルで表現する創作に至るまで、文字を通じた芸術表現を学習できます。また書道では筆の運び方や墨の濃淡、余白の取り方など文字以外の要素も学べるのが特徴です。
一方習字では、正確で美しい文字を書くための技術習得に重きを置きます。楷書体を中心に、文字の書き順やバランス、筆の使い方を学べるのが特徴です。お手本通りの文字を書けるようになるために、反復して練習することも少なくありません。
このように、書道は芸術的な表現を重視し、習字は実用的な文字の書き方を重視する点が、学習内容の大きな違いと言えるでしょう。
書道と習字のメリット
書道 | 習字 | |
メリット | ・自己表現や創造性を高められる ・日本文化を学べる ・高い集中力が身につく | ・お手本のようなきれいな字を書ける ・日常生活で役立つスキルを得られる ・読む側に好印象を与えられる |
書道と習字にはそれぞれ異なるメリットがあります。まず書道に関しては、自己表現や創造性を高められるのが最大のメリットです。文字の形や線の強弱によって自分の感情や思想を表現するので、感性や表現力を磨くことができます。さまざまな古典文学に触れながら己のセンスを磨くことになるため、日本文化を学べる点も書道の魅力でしょう。
また「高い集中力が身につく」のも、書道ならではの魅力です。書道では墨と毛筆を使って文字を書くため、一度書いた字は消したり直したりできません。一発勝負となるため、書道を続けるうちに自然と高い集中力を身につけられます。
一方習字のメリットは「お手本のように綺麗な字を書けるようになること」です。手紙や書類などを正確かつ美しく書く能力が身につくので、日常生活のさまざまな場面で役立ちます。
さらに「読む側に好印象を与えられる」こともメリットのひとつです。 手書きの文章が綺麗に書かれていると「しっかりしている」「丁寧」といった印象を与えられるので、取引先への文書や履歴書などを書く際にも役立つでしょう。
こんな方に「書道教室」がおすすめ
書道教室は、自己表現や芸術に興味がある方に特におすすめです。書道は、文字そのものを芸術作品として捉えるため、感性や創造性を大切にしたい方に向いています。具体的に以下のような方は、書道教室に通ってみると良いでしょう。
- 芸術的な美しさのある字が書けるようになりたい
- 高い集中力を身に付けたい
- 静かな空間で心を落ち着かせたい
- 芸術を通して自己表現がしたい
- 日本の伝統文化に触れてみたい
書道は集中力を高めたり心を落ち着けたりすることができるため、日常のストレスを解消したい方にもぴったりです。書道教室では基礎からしっかりと学べるため、経験がなくても心配はいりません。
自分の感性やスタイルを文字に反映させたいという強い意志がある方にとって、書道教室は理想的な学びの場になるでしょう。
こんな方に「習字教室」がおすすめ
習字教室は、実用的な文字を書くスキルを身につけたい方におすすめです。特に手書きの文字を美しく、正確に書けるようになりたいと考える方に適しています。以下のような項目に当てはまる場合は、習字教室に通ってみましょう。
- ノートやメモなど日常生活で綺麗な字を書けるようになりた
- 履歴書や年賀状の字を綺麗に書いて、読む側の印象を上げたい
- 人に手紙を送るとき、美しい字を書いて喜んでもらいたい
- 字が汚く、誰にでも読みやすい字が書けるようになりたい
- 仕事で手書きの文書を書く機会が増えた
子どもや学生はもちろん、社会人にとっても正しい書き順やバランスの取れた文字を書けることは重要なスキルとなります。習字教室では硬筆の練習をすることもあるため、ペン字の練習をしたい方にもぴったりでしょう。
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今回の記事では、書道と習字の違いについて紹介してきました。芸術性に優れた字を書く「書道」と端整で美しい字を書く「習字」はそれぞれ良いポイントがあり、学ぶメリットは大きいと言えます。
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