キッチンに収納が少ない場合、吊り戸棚を後付けすることでスペースを有効活用できます。本記事では、キッチンに吊り戸棚を後付けする費用相場や方法をご紹介します。種類や商品選びのポイントなども解説するので、ぜひチェックしてみてください。
吊り戸棚とは?キッチンに後付けできる?
吊り戸棚とは、壁の上部や天井に直接取り付ける収納棚のことです。キッチン上部の空いたスペースをうまく利用し、食器などの小物や調味料、ストック用品などを収納します。
吊り戸棚は、事前に吊り戸棚を固定する補強下地を入れておけば、後付けすることは可能です。
ここでは、吊り戸棚をつけるメリット・デメリットを紹介します。
吊り戸棚をつけるメリット
吊り戸棚をつけるメリットは、次のとおりです。
- 収納量が増える
- デッドスペースを有効活用できる
- キッチンとの統一感が出る
- 子どもの安全に配慮できる
吊り戸棚を設置する大きなメリットは、収納量が増えることです。食器類はもちろん、調理器具やキッチンアイテムもすっきり収納できます。上段には普段使わないものを、すぐ手が届く下段には調理器具や調味料など頻繁に使うものを入れ、便利に使えます。
デットスペースを有効活用できるため、キッチンが狭くなることはありません。システムキッチンとカラーを合わせれば、統一感が出てキッチン全体をおしゃれな雰囲気にできます。
包丁やハサミなどの危険な調理器具を吊り戸棚にしまうことで、子どもの安全を配慮できるのもメリットといえるでしょう。
吊り戸棚をつけるデメリット
吊り戸棚をつけるデメリットは、次のとおりです。
- 圧迫感が出る
- 開放感がなくなる
- 出し入れが大変になる
壁の上部に設置する吊り戸棚は圧迫感が出やすく、特に背が高い人は作業していると邪魔に感じることもあるでしょう。
対面式キッチンに設置するタイプは、吊り戸棚の設置でダイニングとの一体感や開放感がなくなることもデメリットです。吊戸棚の高さや設置場所、照明の位置によってはキッチンが暗くなることもあります。
また、吊り戸棚の上段にあるものは手が届きにくく、取り出すために踏み台や脚立が必要です。出し入れのたびに踏み台や脚立を用意するのは面倒なだけでなく、転倒する危険もあります。
このようなデメリットを踏まえ、吊り戸棚を後付けする際は工夫が必要になるでしょう。
吊り戸棚を取り付ける費用相場
吊り戸棚をキッチンに新たに取り付ける際は、吊り戸棚の本体価格と、取り付けの工事費がかかります。
本体価格は昇降機能の有無によって変わり、相場は次のとおりです。
- 昇降機能なし:1万~4万円
- 昇降機能付き(手動):6万~12万円
- 昇降機能付き(自動):20万~30万円
施工費は5〜10万円が相場で、設置場所によっては内装工事が必要になるため、さらに高くなる可能性があります。
正確な価格は、いくつかの業者から無料の見積もりをとるとよいでしょう。
吊り戸棚の種類と、商品選びのポイント
吊り戸棚にはさまざまな種類があるため、キッチンに合わせ、使いやすいタイプを選びましょう。
ここでは、吊り戸棚の種類と選ぶポイントを解説します。
サイズで選ぶ
使いやすい吊り戸棚を選ぶには、高さやサイズが重要です。
一般的な 吊り戸棚の高さは、50cm・60cm・70cm・90cmの4段階あります。
吊り戸棚は一度設置してしまうと簡単に移動や取り外しができないため、位置の設定やサイズ選びは慎重に行いましょう。
吊り戸棚の高さは、吊り戸棚の底がキッチンを使用する人の目線から10〜15cmほど下になるよう設置してください。奥までしっかり見渡せ、出し入れしやすくなります。
吊り戸棚の奥行きは、キッチンの天板よりも浅いサイズを選びましょう。天板よりも深いと邪魔になり、頭をぶつけることもあります。天板から30cmほど狭いものが適切です。
商品のタイプで選ぶ
吊り戸棚は、扉の種類により3つのタイプに分けられます。日々の作業で使いやすいタイプを選びましょう。
1.開き戸タイプ
開き戸タイプとは、蝶番(ちょうつがい)で支えられた2枚の扉を左右に開くタイプの扉です。
全開になるため、棚の内部を見渡しやすいのがメリットです。棚の中央部分の食器や調味料も楽に取り出せます。
ただし、開いたときの扉が邪魔になり、開けたままにはできません。その都度閉めなければならない点がデメリットです。
また、地震の際に扉が前に開いて食器が落下するリスクがあるため、耐震ロックに対応したタイプを選べば安心でしょう。
2.引き戸タイプ
引き戸タイプは、扉の下にあるローラーで左右にスライドしてあけるタイプの扉です。
戸を開けたまま作業ができる点がメリットです。開き戸の場合はその都度閉めなければなりませんが、引き戸なら開けたままでも邪魔にならず、使いたい調味料や食器などがひと目で見渡せます。
また、引き戸タイプは開き扉と比べ、開閉時のスペースをとりません。よく使う食器は一箇所にまとめて収納し、必要なスペースの開閉だけで出し入れできるのもメリットです。
ただし、引き違い戸になるため、奥行きに扉2枚の厚み分がとられることがデメリットです。
3.ガラス戸タイプ
ガラス戸タイプは、扉がガラス製で中が見えるタイプの扉です。開き戸・引き戸の両タイプがあります。
扉を閉めたまま中のものを見渡せるのがメリットです。中が見えることでディスプレイ効果があり、きれいに整頓しようとする意識ができるでしょう。空間の奥行き感があるため、吊り戸棚の圧迫感も軽減できます。
ただし、ガラス戸タイプの場合、乱雑に収納すると見た目が悪く、中が見渡せることがデメリットにもなる点に注意が必要です。
おすすめの吊り戸棚製品
ここからは、個性豊かな3つの吊り戸棚製品を紹介します。選ぶ際の参考にしてください。
1.【arne】WallBox7 B-1200 Glass 木目 | ウォールシェルフ
温かみのある、木目調が魅力のウォールボックスです。多目的に使える戸棚で、サイズオーダーができます。吊り戸棚にも活用でき、幅や高さ、奥行きのサイズが細かく設定されているため、「既製品ではキッチンのサイズに合う 吊り戸棚がない」という方におすすめです。
ガラス扉のため、ほこりやゴミが入るのを防ぎながら、食器や小物をディスプレイできるというメリットもあります。
ブラウンや北欧チーク、ホワイトウッドなどのカラーバリエーションが豊富で、キッチンのデザインに合わせて選べるのもメリットです。
2.【ニトリ】キッチン吊り戸棚
備え付けの戸棚の下に取り付けできる、扉のないコンパクトな吊り戸棚です。 既存の吊り戸棚を開閉する必要がないため、「よく使う調味料をすぐにとれる場所に置きたい」という場合におすすめです。
工事の必要はなく、棚板に差し込むだけで収納スペースを作れます。
取り付け可能な吊り戸棚の棚板は厚さ15〜25mmまでで、扉と棚板の隙間は3mm以上必要になります。ガラス戸には使えないため、注意してください。
3.【DAYDO】昇降機能付き吊戸棚 ワンステッププルダウン
扉と収納が連動し、昇降機能が付いて出し入れのしやすい吊り戸棚です。収納ラックと扉が連動しており、ラック底面の取手を引き下ろすだけで扉が開いて手の届く位置まで収納ラックが下がる仕組みです。
「出す→使う→戻す」の一連の流れが、ワンアクションでスムーズに行えるため、忙しいキッチンの作業を少しでも効率化したいという方におすすめです。
自分で取り付けるほか、設置工事を依頼することも可能です。
吊り戸棚を施工する業者の選び方
吊り戸棚の後付けにリフォーム業者を選ぶ際のポイントは、次のとおりです。
- 吊り戸棚の設置に施工実績がある
- 要望に合った提案をしてくれる
- 問い合わせには丁寧に対応する
- 保証やアフターフォローが充実している
まず、これまでどの程度の施工実績があるかを確認しましょう。 吊り戸棚の施工例も確認しておくと安心です。
こちらの要望をしっかり聞いて、それに沿った提案をしてくれるかもチェックしてください。
問い合わせに丁寧に回答してくれるかどうかも、大切なポイントです。特に、見積もりについてわかりやすく説明し、質問にもしっかり答えてくれる業者であれば信頼できます。
あわせて、保証やアフターケアの内容も確認しておきましょう。工事中に壁や家財道具を傷つけたり、施工後に不具合が見つかったりすることもあります。そのような場合にも、きちんと対応してもらえるかをチェックしておいてください。
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