収納リフォームにはどのような種類があるのか?収納スペースはどれくらいあればいいのか?など、リフォームを検討しているものの、さまざまな疑問を抱いている方も多いことでしょう。
この記事では、自宅リビングをリフォームして、収納スペースを確保する方法を紹介します。あわせて、リビングリ収納のアイデアや収納リフォームにかかる費用をもまとめて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
収納リフォームでスッキリとしたリビングを
収納リフォームとは、お部屋の収納スペースを改修したり、増やしたりして収納力をアップさせるリフォームのことです。
たとえば、「既存の押入れをクローゼットに変える」「既存の特定スペースを収納スペースにリノベーションする」「クローゼットをウォークインクローゼットにする」といったことが挙げられます。家族の荷物の量や、ライフスタイルなどにあわせて、収納場所を自由に確保できるのが特徴です。
収納リフォームのメリット
- 部屋の広さを確保したまま収納スペースを増やせる
- 家のデッドスペースを有効活用できる
- 機能性の高い収納スペースに変更できる
大きなポイントは、部屋の広さを保ったまま収納スペースを増やせる点です。
収納グッズは簡単に設置できる反面、部屋も狭くなりがちです。また、使い方が限定されているものが多く、収納量もある程度のことが多いです。一方、収納リフォームであれば、クローゼットや壁面収納・床下収納などが増設できます。部屋の広さを保ったまま、収納力のあるフリースペースを増やせます。
また、家のデッドスペースも有効活用できます。子供部屋や洋室に押し入れがあるけれど、奥行きがありすぎて使いにくいというケースもあるでしょう。そのような場合も、建て付けの収納をリフォームして、使いやすく改善できます。
一方で、壁面収納を採用する場合はデメリットもあるため、注意が必要です。デザインによっては壁一面が収納となり、圧迫感が出てしまう恐れがあります。その際は、壁面収納の奥行きを調整したり、扉のテイストを工夫してアクセントを調整したりするなどの対応をするといいでしょう。
また、デザインを選んでオーダーメイドで業者や大工に依頼するため、材料費や人件費が、通常よりも高くなる傾向があります。
リビングに必要な収納スペースはどのくらい?収納率とは
快適な空間を作り上げるためには、ある程度の収納量が必要です。確保する収納の量を示す基準として、収納率があります。収納率とは、家全体の総面積に対して、収納として使う部分の面積(押し入れや納戸、クローゼット、パントリーなど)の比率を表わしたものです。
【収納率】= 収納面積÷総床面積×100
収納率は上記の計算式で求められ、一戸建てであれば10~15%、マンションであれば8%以上が理想とされています。
ただし、この計算式は平面上の面積で検討した場合の収納スペースです。高さは反映されていないため、収納可能な容積率とは異なります。同じ面積だったとしても、天井までの棚と腰高までの棚では、収納量は倍近く異なる可能性があることを理解しておきましょう。
収納物にあった収納スペースを確保するには、立体で考えることが重要です。収納率からはわからない高さ、収納スペース内の仕様もしっかり計画しておくことが欠かせません。打ち合わせの際は、平面図だけではなく立面図やパースで確認しましょう。もし既製品があるのであれば、メーカーのショールームで確認することも1つの手です。
リビングの収納のアイデア【事例付き】
リビング収納の、おすすめアイデアを解説します。マンションや一戸建てのリビングをリノベーションした施工事例をもとに、部屋の見た目やこだわりを参考にしつつ、自分のお気に入りを見つけましょう。
リビング収納として紹介するのは、以下の4つです。
- 壁面収納
- デッドスペースを活用した収納
- 床下収納
- 見せる収納でインテリアに
壁面収納
壁一面の収納をオーダーメイドすることでお部屋のサイズにぴったり合い、デザイン性にも優れた造り付けの壁面収納に仕上がりになっています。テレビ台の周りが、収納力抜群の収納棚になっているのが特徴です。本棚や小物を置ける戸棚もあり、既製品にはない用途に応じた機能性を備えています。
棚の色も壁紙の色と同じ白にして統一感を出し、テレビ台部分をナチュラルな木目調にすることで、全体が落ち着いた雰囲気になるように工夫されているのが印象的です。また、引き出しを備えており、さまざまなものをまとめて収納できるほか、各収納が扉付きになっているため生活感が出すぎず暮らし方を邪魔しません。
まさに、圧迫感を与えず生活に調和し、おしゃれと収納力も確保したバランスのとれた設計になっています。
次の壁面収納は、お部屋の壁一面すべて隠れてしまうほど大きな壁付けの収納です。リビングに設置すれば、家族全員の好きなものを入れられる収納場所として有効活用できる以外にも、飾り棚や収納ボックスとしても使えます。
下の段を子ども専用として使えば、子供部屋にある毎日使うちょっとしたモノを置いておけて便利です。また、子どもでも手が届く高さ・奥行きのため、安心して利用可能で出し入れもスムーズに行えるでしょう。
デッドスペースを活用した収納
一般的に階段下の空間は狭いうえに、勾配があるほか凸凹しており、住まいの中では使いこなしにくいイメージのある場所でしょう。そのような階段下収納のデメリットを、メリットに変える実例といえます。ポイントは、システム収納の導入です。
DIYが得意であれば、サイズを計って自分でパーツを購入して戸棚などを設置すれば、押入れ代わりになるスペースを確保できます。
次は、L型キッチンのコーナー部分のデッドスペースを、有効活用する施工事例です。180度回転するトレーを設置しすることで、デッドスペースとなっている部分にある収納物が簡単に取り出せるようになります。
床下収納
内装リフォームで段差を利用した収納スペースを増設すれば、見た目はシンプルながら充実した収納空間を簡単に実現できます。
押し入れに物を収納していると、どうしても一時的に片付けをした状況になりがちです。その点、床下収納であれば、床下を上手に使って中身を隠せるため、生活空間をスタイリッシュに構築できます。
ただし、そのためには床下収納に納めるレイアウトや配置を調整して、整理整頓することが大事です。変化に応じて、取り出す物が選びやすい仕様になっていたり、自由に取り出せたりする状態を目指すと良いでしょう。
床の間の段差を利用して収納スペースを確保したアイデアです。床の間としての機能はそのままのため、子どもの遊び場や昼寝場所として快適に使えます。また、床下収納に子どもの衣類・洋服を入れておけば、すぐに着替えさせることも可能です。
この場合、リフォーム時に大切なのは、目的に応じて最適な工事内容を選択することです。個室の機能は維持したまま、収納力をアップさせることに注意しながら希望を叶えられるように計画を立てましょう。
見せる収納でインテリアに
最後は、見せる収納でインテリアにした事例です。最初の事例では、パントリーの見せる収納で、インテリアのようなオシャレ感を演出しています。
ポイントは、家事で使う道具に統一感を持たせ、それらを内装の一部として見せることです。バラバラの色や素材では統一感が生まれないため、見せる収納に挑戦するときは、デザイン性も重視しつつ並べるものを選ぶようにしましょう。
LDKにある飾り棚を見せる収納として活用した方法です。ポイントは、見せる部分と隠す部分のバランスにあります。見せる部分では、自分好みの小物などを飾っておしゃれを演出しつつ、隠す部分には扉を設けてしっかりと隠すことが重要です。そうすることで、見せる部分により目線が行くため、小物類のセンスが引き立ちます。
リビングの収納リフォームにかかる費用
主なマンションリフォーム事例のパターンとしては、以下の3つです。
- 床下収納を作る
- クローゼットを設置する
- 現状ある収納を改修する
具体的なケースについて、工事内容やリフォーム費用をチェックしていきましょう。総額は、機器代金や材料費、工事費用、そのほか諸経費や一般的な下地処理、解体・撤去処分費用なども含んだ金額です。これらは実際の部屋の状況や施工場所や部分、プランなどでも変わってくるため注意しましょう。
まずは、床下収納を作る際の施工事例から紹介します。床下収納では、床下に十分な収納スペース(空間)があり、基本的工事だけで床下収納を設置できるお宅であれば、10万円〜15万円程度が目安です。
【床下収納を作る】
機器代金 | 6万円 |
工事費用 | 4万円 |
※110 Lタイプ:2台セットの220 Lタイプを設置(開口部1207×608mm 高さ470mm)の場合
キッチンリフォーム(リノベーション)で床下収納を作るときの例です。床下収納の設置では、オーダーメイドで造り付けの床下収納を依頼する方法も可能ですが、ユニットタイプの収納本体を取り付けるほうが簡単なうえ、予算的にも抑えられます。
収納力を求めるのであれば、収納本体を大きなものにする方法も1つです。ただし、容量が大きくなればその分費用も必要になってきます。お部屋全体の押入れなど、既存の収納場所の収納量と相談しながら決めることが重要です。
床下収納があれば、衣類の収納場所で悩みを抱えたり、大型家具やオーダー家具を購入したりする必要がありません。また、床の間の下を有効活用できるほか、見た目もスッキリした印象に仕上がるため、生活や暮らしのイメージを損なわずに快適な住まいを実現できます。
【クローゼットを設置するリフォームの価格】
材料費(木材・パイプハンガー・扉など) | 工事費用に含む |
工事費用 | 15万円 |
洋室の壁面に、1間のクローゼットを新設する例です。1間(約1.8m)程度の幅でクローゼットや壁面収納を設置する費用は、総額で12万~25万円程度が目安になります。中には、戸棚とパイプハンガーを設置することが一般的な事例です。
なお、幅が半間(約90cm)の間取りになっても、業者の作業工賃があまり変わらないため費用は半分にはなりません。おおむね、7〜8割程度となります。
部屋別にクローゼットや壁面収納を設置すれば、家族それぞれで目的や用途に応じて使用できるのが特徴です。また、クローゼットは同じ色合いやデザインになりがちなため、個人の要望にあわせて自由に選び方を変えた仕様にするのもいいでしょう。
収納棚の素材を変えたりお気に入りのテイストやデザインにしたりする工夫をすれば、インテリア性に富んだおしゃれで便利な収納を実現できます。
【現状ある収納を改修するリフォームの価格】
機器代金 | 8万円 |
工事費用 | 2万円 |
現状の古い吊り戸棚を昇降式の吊り戸棚に交換して、収納を一部変更するリフォームの例です。戸棚は、使いやすい高さや奥行きを考慮して設置しないと、デッドスペースになってしまう場合があります。すでに吊り戸棚がある場合は、取り付け費用は2万~3万円ですが、新しく設置する場合は別途補強工事が必要になります。
収納リフォームをリフォーム会社などのプロに依頼する場合は、費用面の確認も大事ですが、抱えている収納に関する悩みや問題を解消できるかを考慮するようにしましょう。
たとえば、ウォークインを設置して収納を増やして余裕が出たものの、出入りがしづらく収納に手間がかかって、あまり利用しない状態では毎日の生活が快適になったとはいえません。
費用はあくまで参考にしながら、効率的な収納や快適な生活環境を構築できるかを重視しながら計画を進めましょう。
収納リフォームの注意点
最後に、マンションや一戸建てにおける収納リフォームの注意点をまとめて紹介します。
収納の目的を検討する
収納力が高そうだからリビングに壁面収納がほしい、という安易な発想では、設置後に入れたいものと収納棚のサイズが合わず使いにくい、収納量に見合った収納場所が確保されていないといった状態になりがちです。
工事後の暮らしをイメージして、工事内容を決める
壁面収納は他の家具とは違って、一度設置すると撤去するのが難しいものです。リフォームの際は、生活動線や家事動線を確保しておくことがポイントです。ライフスタイルに変化が出たときに支障にならないかも、考慮してから設置すると良いでしょう。
大型収納の圧迫感を考慮する
壁面収納など部屋の面積の多くを占めるものは、部屋全体が狭く見えてしまう可能性があります。たとえば、壁や床が見えるように一部に余白を作っておいたり、白い色調で広く見せたりするなどの工夫が求められます。
デザインや色味は、既存の内装のフローリングや壁、扉など面積の大きいものと合わせると、良いでしょう。
素材にこだわる
当然ですが、戸建やマンションリフォームは、その後長く住むために行うものでもあります。収納も長く利用したいのであれば、素材もチェックするといいでしょう。結露しやすい、日に当たりやすいといったケースで使用するなら、気温の変化や天候に適切に対応できるような素材を選ぶのがおすすめです。
見せる部分と隠す部分を決める
オープンタイプの飾り棚は、小物などをディスプレイの一部として飾れるのがメリットです。シンプルながらも汎用性があり、アクセントになります。一方で、扉付きの隠す収納なら、見られたくないものを手軽に収納できます。
見せる収納では毎日の掃除が必要であり、隠す収納では収納場所・収納スペースの確保が必要です。用途を考えて賢くリフォームしましょう。
まずは業者に相談してみよう
リビングの収納リフォームについて、その事例や費用、注意点などをまとめて解説しました。リフォームする際、安心して施工するためにも信頼できる業者に依頼することが大切です。
- リビング収納を工夫して快適に暮らしたい
- どんな収納方法があるかを知りたい
- リビング収納の見積もりを取りたい
そんな方は、ゼヒトモでリビング・居間のリフォーム業者のプロを探してみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたにピッタリのプロが見つかります。リビングの増築を検討している方は、ゼヒトモをお気軽にご利用ください。
リビング・居間リフォーム関連の最新記事
天井のリフォームにはいくつかの方法があり、費用相場も異なります。この記事では、天井の張り替えについて、張り替えを検討するべきタイミングやリフォームの方法・費用、天井をリフォームする際に気をつけるべきポイントについて紹介し […]
吹き抜けを塞いで空間を有効活用したいと考えた時、どのような方法があるか知っておくとより理想的な住まいにリフォームできます。吹き抜けが不要になって、新しい間取りに変える際に必要な費用相場や、リフォームにあたって重要な注意点 […]