シロアリは木材を食べて生活しているため、住み着くと木造の住宅や建物に深刻な被害を与えることがあります。一度住みつくと一年中活動するため、あらかじめ予防することが大切です。
本記事では、30坪のシロアリ予防にかかる一般的な費用相場から、予防方法やオプションの種類などを紹介します。業者選びのポイントや自分でできる予防法についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
30坪のシロアリ予防にかかる費用相場
30坪の住宅のシロアリ予防にかかる費用相場をご紹介します。
主なシロアリ予防方法は?
シロアリ予防には主に、「バリア工法」と「ベイト工法」の2つの方法があります。
バリア工法
床下の土壌や木材に薬剤を直接散布することでシロアリを寄せ付けないようにする一般的な方法です。
即効性が高く、他の工法に比べて普及している工法のため、トータルコストは最も安価です。ただし、薬剤を使うことから、アレルギーや臭いが気になる場合は念のため注意が必要です。
ベイト工法
従来の薬剤散布とは異なり、毒エサである「ベイト剤」を使用します。具体的には、家の周囲に「ステーション」と呼ばれるケースを地中に埋め込み、その中にシロアリが好む木材成分のベイト剤を設置します。
働きアリがベイト剤を巣に持ち帰り、他のアリと共に食べることによって巣全体を駆除することが目的です。薬剤散布がないため健康リスクも少なく安心できます。しかし、効果が現れるまでに半年から1年ほどかかり、費用も高めです。
シロアリ駆除にかかる費用の内訳
シロアリ予防の費用は、施工方法や建物の規模、使用する薬剤の種類など、条件によって異なります。一般的な目安として、30坪の住宅の場合は15万円〜30万円が相場です。
費用の内訳は、薬剤費・床下調査費・養生費・人件費・出張費などで構成されます。坪単価は、5,000円から10,000円程度で計算されることが多く、この坪単価で30坪とした場合、以下の計算になります。(1坪=約3.3㎡=約2畳)
- 最低費用:5,000円 × 30坪= 150,000円
- 最高費用:10,000円 × 30坪= 300,000円
ただし、これはあくまで目安であり、「建物の構造」「シロアリ被害の状況」「使用する薬剤の種類」「保証内容」などによって、費用は大きく変動する可能性があります。正確な費用を知るためには、複数の業者から見積もりをとり、比較検討することが重要です。
シロアリ予防の費用は何で決まる?
建物の構造やシロアリ被害の状況、地域の気候条件などで費用が変わります。また、業者によってサービス内容が異なるため、適切な業者を選ぶことも重要です。
建物の床下事情
シロアリ予防の費用は、建物の床下事情によって大きく変わります。床下作業のしやすさが主な要因です。
たとえば、床下の高さや広さによって、業者の作業効率が変わります。床下空間が狭く作業しにくい場合は、施工に時間がかかり、その分費用も高くなるのが一般的です。床下点検口の数や位置も、作業時間や必要な薬剤の量に影響を与えるため費用に反映されます。
あらかじめ自宅の構造を確認しておきましょう。
シロアリ被害の程度
シロアリ予防の費用は、シロアリ被害の程度によって大きく変わります。たとえば、柱が食い荒らされているなど被害が深刻な場合は、費用も増加する傾向にあります。シロアリ駆除に加えて、被害箇所の補修や補強工事が必要になる場合もあるでしょう。
被害が進行しているほど構造上の難度も高くなるため、経験豊富で技術力のある業者が必要です。高度な技術を要する工事は費用もかさむ可能性がありますが、被害が小さい場合は自分で対応できることもあります。
業者に依頼する場合は、被害の程度に合うサービス内容かどうかを確認することが大切です。
地域の気候性
地域の気候性は、シロアリ予防の費用に大きな影響を与えます。たとえば、沖縄県や九州地方のような高温多湿な地域では、シロアリの発生率が高く、そのため予防処理の費用も高くなる傾向です。
これに対し、寒冷地である北海道では、シロアリの活動が少ないため、予防費用は比較的低く抑えられます。
また、地域の人口も価格に関係しています。東京や大阪などの大都市圏では、建坪が小さい家も多いため㎡あたりの金額が高くなります。これは施工に最低限の経費と時間がかかるためです。
また、イエシロアリ(強力な加害力を持つ種類)が生息する地域では、ヤマトシロアリ(一般的な種類)の生息地に比べ、一般的に1.2〜1.5倍の費用が設定されています。
選ぶ業者やサービス内容
シロアリ予防の費用は、業者によって大きく異なります。
業者ごとの主な違いは、使用する薬剤の種類や品質・施工方法・保証内容・業者の企業規模などです。たとえば、環境に配慮した高品質な薬剤を使用する業者や長期間の保証を提供する業者は、初期費用が高くなる傾向にあります。
大手企業や上場企業は、手厚い保証や豊富なサービス、施工実績がある反面、中小企業と比べると費用が高めになることが多いです。
一方、中小企業や個人事業者は、料金が安く済む場合もありますが、サービスの質にばらつきがある場合もあります。
業者が提供しているサービス内容をよく確認して依頼することが大切です。
シロアリ予防せずに放置するとどうなる?
シロアリ予防をせずに放置すると、住宅に深刻な被害を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。シロアリは建物の木材を食い荒らすため、放置すると住宅の強度が低下し、最悪の場合、倒壊の恐れもあります。
「日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合」のデータによると、保証期間満了後10年ほどで約20%の住宅がシロアリ被害を受け、時間の経過とともにシロアリ被害が増加傾向にあるとのレポートがあります。
シロアリ被害の原因は、目に見える部分だけでなく、床下や壁の中など目に見えない場所で進行しているケースも少なくありません。そのため、被害に気づくのが遅れ、深刻化し費用が高額になる前に、早めの予防対策が必要です。
参照:日本長期住宅メンテナンス有限責任事業組合|シロアリ被害実態調査報告書
シロアリ予防業者を選ぶポイント
シロアリ予防業者を選ぶ際は、実績や口コミ、アフターサービスなどを確認し、複数社の見積もりを比較することが重要です。費用だけでなく、サービス内容や信頼性も加味して総合的に検討しましょう。
実績や口コミをチェック
シロアリ予防業者を選ぶ際のポイントは、豊富な経験と専門知識を持ち、信頼性の高い会社かどうかを見極めることです。
実績のある業者は、さまざまな状況に対応できる能力を持っています。とくに地域密着型の業者は、地元特有のシロアリの種類や発生傾向を熟知している可能性が高いでしょう。
また、信頼できる業者を確認するには、オンライン上の評判や口コミが参考になります。Googleマップの口コミは、比較的信頼性が高いとされています。
適切な資格や認証を持っているかどうかも、重要な判断基準です。これらの要素を総合的に評価し、安すぎる料金や高額請求に留意しながら、優良業者を選ぶことが大切です。
相見積もりをとる
シロアリ予防業者を選ぶ際には、複数の業者から相見積もりを取ることが重要です。相見積もりを取ることで、同じサービスでも費用や内容に違いがあることを確認できます。
また、業者ごとの対応や姿勢を比較することで、信頼できる業者を見極める手助けになります。複数の見積もりを比較することで、適切な価格でサービス提供している業者を選ぶことができるでしょう。
アフターサービス
シロアリ予防業者を選ぶ際、アフターサービスの充実度は重要なポイントのひとつです。とくに注目すべきは、長期保証と定期点検の有無です。
優良業者は通常、5年程度の保証サービスを提供があります。これは顧客にとっては長期的な安心感につながります。保証サービスに関する説明がない業者は避けるべきでしょう。
また、定期的な無料点検を実施する業者も高く評価できます。これにより、実施効果の持続性を確認でき、新たな被害を早期に発見することが可能です。
地域密着型の業者であれば、迅速な対応や豊富な地域特有の知識を活かしたアフターフォローが期待できるでしょう。
費用感だけで選ばない
シロアリ予防業者を選ぶ際に、費用だけで判断するのは危険です。極端に安い料金設定の業者には、注意しましょう。
安すぎる料金の裏には、手抜き工事や必要な工程が省略されている可能性も考えられます。また、施工後の保証内容が不十分な場合もあり、トラブルが発生した際に追加費用を請求されるケースも見受けられます。
シロアリ予防は、建物を長期的に守るための重要な投資です。安易に価格だけで判断せず、総合的な観点に立って業者選びをしましょう。
30坪のシロアリ予防は自分でできる?
費用を抑えたい場合、シロアリ予防を自分でおこなうことを考えている方もいるでしょう。適切な知識や経験が不足していると、かえって被害を拡大させることもあるので注意が必要です。
自分でシロアリ予防をおこなうリスク
「30坪程度の広さなら、自分でシロアリ予防できるのでは?」と考える方がいるかもしれません。しかし、シロアリ予防は専門知識や経験が必要となる作業のため、DIYでおこなうには大きなリスクが伴います。
シロアリは建物の見えない部分に侵入し、被害を拡大していくため、素人判断では適切な薬剤の選択や施工箇所の特定が困難です。自己流の対策では、効果が得られないばかりか、かえって被害を拡大させてしまう恐れもあります。
また、注意点としてシロアリ駆除に使用する薬剤は、誤った使い方をした場合には、人体や環境に悪影響をおよぼす可能性もあります。安全かつ確実にシロアリ予防をおこなうためには、プロの専門知識と経験が必要です。
専門業者に依頼するメリット
専門業者にシロアリ予防を依頼すると、正しい知識に基づいて被害評価を行い、適切な予防策を講じることが可能です。また、長期的に住宅を守り、将来的なトラブルや修繕費用の負担を軽減できます。
保証サービスを提供している業者に依頼すれば、万が一の再発にも安心です。
自分で対策をする方法もありますが、長期的な視点で考えると、専門業者に依頼する方が賢明な選択といえるでしょう。
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