土壁は機能性やデザイン性に優れた自然素材である一方、定期的な補修工事が必要です。経年劣化で壁の強度が低下した場合、ヒビ割れやカビが発生します。対応が遅れると、損傷が壁全体に拡がるため、早急な対応が必要です。
土壁を補修する際、どのような補修方法が選択肢にあがるのでしょうか。この記事では、土壁補修の方法や方法別の費用、DIYのリスクなどに関して、ご紹介します。ご自宅に土壁を使っている方、土壁への塗り替えを検討している方は、最後までご覧ください。
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土壁とは
土壁とは、土にわらや砂を混ぜて水で練ったものを塗った壁を指します。わらの使用によって、調湿性や耐久性を高めるのが狙いです。砂壁と同様、内壁材として和室や床の間に使用されています。
土壁は調湿性や断熱性に優れており、季節を問わず快適に過ごせる点が魅力です。梅雨や夏場は湿気を吸収し、蒸し暑さを和らげます。一方、冬場は外部の寒さを遮断するため、室内の温度が急激に下がることはありません。
また、土によって色や質感が異なるため、オリジナリティに溢れた空間を印象付けられます。反面、土壁は定期的なメンテナンスが必要です。ヒビ割れやカビの発生を放置すると、壁の強度低下や健康被害など、さまざまな悪影響が発生します。
さらに、土壁は上塗りしたあと、乾燥するまでに多くの時間が必要です。損傷度合いが激しくなるほど、工事費用の高騰や工期の長期化を招くため、早期対応が求められます。
砂壁との違い
砂壁とは天然石やガラス、貝殻などを混ぜ合わせ、石膏ボードやモルタルの表面に上塗りする仕上げ材です。主に和室や床の間に使用されています。砂壁は土壁と同様、調湿性や耐火性、断熱性に優れている点が特徴です。
有害物質も発生しないため、アレルギーを起こす心配はいりません。また、お住まいを自然素材ならではの温かみのある雰囲気に演出できます。反面、衝撃や揺れに弱く、床に砂が落ちやすいため、小まめに床掃除が必要です。
さらに、砂壁を塗装する際は高い施工技術が求められます。優れた技術を持つ左官職人が在籍していないと、工事を依頼できません。他の方法と比べて、工事費用の高騰と工期の長期化も発生しやすいため、慎重な判断が必要です。
土壁補修を検討するタイミング
お住まいの土壁が以下3つの状態に該当した場合は、リフォームを検討しましょう。
- 土壁が崩れてきたとき
- 表面にヒビ割れが発生したとき
- カビが生えてきたとき
土壁は塗装や乾燥に多くの時間が必要なため、工期が長くなる傾向にあります。劣化症状を見つけた場合は、なるべく早く工事を決断しましょう。
土壁が崩れてきたとき
劣化が進んだ土壁に手を触れると、ポロポロと崩れる可能性があります。崩れているのは、土壁の表面に塗装した仕上げ材です。放置すると、壁の強度や住宅の美観性が低下するため、早急にリフォームを検討しましょう。
表面にヒビ割れが発生したとき
経年劣化によって土壁の強度が低下すると、表面にヒビ割れが起こります。土の水分量が減り、紫外線や乾燥で壁自体が硬くなっている状態です。ヒビ割れを放置すると、壁自体が崩れる可能性が高まります。
壁に触っていなくても床に粉が落ちている場合は、土壁のリフォームを検討しましょう。
カビが生えてきたとき
土壁は調湿性に優れていますが、経年劣化で機能が低下するとカビが発生しやすくなります。カビが繁殖すると、ぜんそくやアトピー、シックハウス症候群など、さまざまな健康被害が発生するため、早急な対応が必要です。
土壁補修の方法
土壁補修の方法には以下5つの選択肢があげられます。
- 同じ素材の補修&塗り直し
- 漆喰の重ね塗り
- 珪藻土(けいそうど)の重ね塗り
- クロスへの張り替え
- 板張りへ張り替え
個々の特徴を詳しくみていきましょう。
同じ素材の補修&塗り直し
土壁の持つ機能性や風合いに魅力を感じている方向けの選択肢です。既存の土壁と同じ素材を選ぶと、部屋の雰囲気を変えずに塗り壁の美しさと機能性を高められます。雰囲気を変えたい場合は、同じ素材で色だけ変えてみましょう。
一方、土壁の塗り直しには、豊富な専門知識と高い施工技術が必要です。土壁の状態を見極めた上で、補修箇所の範囲や補修方法を決めなければなりません。素人にはできないため、必ずプロに依頼しましょう。
漆喰の重ね塗り
漆喰とは、消石灰に砂やノリなどを混ぜた塗り壁材です。土壁に重ね塗りすると、表面が白くツルツルとした質感に仕上がります。土壁と異なり、経年劣化によってボロボロと壁が崩れる心配はいりません。
また、漆喰は数多くの優れた機能を持っている点が魅力です。優れた調湿性によって、梅雨や夏でも快適な室内空間を形成できます。防火性にも優れており、火事の心配をせず安心して過ごせるでしょう。
加えて、漆喰は二酸化炭素を吸収して耐久性を高める機能も搭載しており、定期的にメンテナンスすれば100年近く持ちます。デザインバリエーションも豊富で、ご自身のイメージに合った雰囲気に仕上げられるでしょう。
反面、衝撃には弱くひび割れが起きやすいです。高い施工技術を持つ左官職人が減っており、漆喰塗装に対応可能な業者を見つけるまでに時間がかかります。土壁の塗り直しと比べて、工事費の高騰や工期が長引きやすい点も認識が必要です。
珪藻土(けいそうど)の重ね塗り
珪藻土とは、植物プランクトンの一種を原料とした粘土上の土です。塗り壁に使用する際は、泥や化学繊維、漆喰などと混ぜます。珪藻土は調湿性に優れており、人間が心地良さを覚える40〜60%の湿度を半永久的に維持できます。
一定の湿度を保つことで、結露やダニ、カビが発生しにくくなる点が魅力です。断熱性にも優れており、季節を問わず快適な空間で過ごせます。また、自然素材で有害物質は発生せず、シックハウス症候群を発症する心配もありません。ただし、接着剤が入った珪藻土もあるので、使用する商品についてはよく確認しましょう。
また、施工に手間がかかるため、土壁の塗り直しよりも工事費用は高くなります。土壁と同じでボロボロと崩れやすいため、強くこすらないようにしましょう。施工の難易度も高く、優れた技術を持つ左官職人がいる工事業者しか対応できません。
クロスへの張り替え
工期を短縮したい方、部屋の雰囲気を変えたい方向けの選択肢です。クロスの種類によっては、土壁の上塗りよりも工事費用を抑えられます。住宅の内装工事で使用される主なクロスを以下にまとめました。
- ビニールクロス
- 紙クロス
- 布クロス
- 木質系クロス
- オレフィンクロス
- 珪藻土クロス
6つのなかで、ビニールクロスを選ぶのがおすすめです。他の素材よりもコストパフォーマンスに優れています。耐水性や防汚性、吸湿性に優れており、水や油汚れに強いです。消臭や抗菌、防カビ性能を搭載した製品も増えており、快適な室内環境を整えられます。
ただし、ホルムアルデヒドが含まれているため、アレルギーが不安な方は使用を避けましょう。また、クロスの張り替え方法は土壁への直貼りと石膏ボードの使用、2種類に分けられます。
又クロス張りにより壁が調湿できなくなってしまった場合は表面上は綺麗でも土壁の中の竹や木材を腐らせてしまい、構造体がダメになり倒壊の危険も出てきます。建物解体しているときによく見る光景です。よって調湿しないものは施工お勧めできません。
ビニールクロス
ビニールクロスとは塩化ビニールを主原料に、施工用シートを裏に貼り付けたクロスです。デザイン性や機能性に優れた商品が多く、日本の住宅でもっとも多く施工に使用されています。ビニールクロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・安い・防汚性や耐水性に優れる ・デザインの選択肢が多い | ・健康被害のリスクがある ・アレルギーの心配も発生する |
消臭や抗菌、防カビなど、優れた機能を多数搭載した商品も増えてきています。施工費用を抑えたい方、健康面への心配が少ない方におすすめです。
紙クロス
紙クロスとはパルプやミツマタ、ケナフなどを主原料としたクロスです。上品で落ち着いた雰囲気を演出できます。紙クロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・上品な雰囲気を演出できる ・通気性や吸音性に優れる・健康被害の心配が少ない | ・施工に手間がかかる ・経年劣化の症状が出やすい ・費用が高騰しやすい |
下地や目地に経年劣化の症状が出やすいため、丁寧な下地処理が求められます。きれいな状態を長く保つには、優れた施工技術を持つ工事業者の選定が必要です。紙クロスを選ぶ場合、工事の依頼先が限定される可能性が高い点を頭に入れておきましょう。
布クロス
布クロスとは木綿やポリエステル、シルクなどを主原料としたクロスです。ご自宅の塗り壁に使用すると、高級感やエレガントな雰囲気を演出できます。布クロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・高級感を演出できる・耐久性に優れる ・健康被害が少ない | ・ほこりや汚れが付きやすい ・依頼先が限定される |
布クロスは汚れが落ちにくく、定期的に掃除が必要です。ほこりが吸着しやすいため、掃除の際は乾拭きを選択しましょう。また、商品の流通率が低いため、施工業者が限定される可能性も高いです。
木質系クロス
木質系クロスとは薄くスライスした天然木やコルクなどに、紙を貼って使用するタイプのクロスです。自然素材ならではの温かみのある雰囲気を演出できます。木質系クロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・調湿性や吸音性に優れる ・温かく落ち着いた雰囲気を演出できる ・リラックスできる | ・単価が高い ・耐水性が低い |
天然の木材を使用しているため、他のクロスと比べて単価が非常に高いです。耐水性も低く、雨を含むとシミやムラが発生しやすくなります。
オレフィンクロス
オレフィンクロスとはポリエチレンをはじめ、合成樹脂を主原料に使っているクロスです。ビニールクロスと性質が似ていますが、有害物質は発生しません。オレフィンクロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・防汚性や耐水性に優れる ・傷がつきにくい ・健康被害が少ない | ・ビニールクロスより高い ・依頼先が限定される |
デメリットとしては、オレフィンクロスを扱う工事業者が少ない点があげられます。クロスが薄く高い施工技術も求められるため、依頼先が限定される点を認識しましょう。
珪藻土クロス
珪藻土クロスとは重ね塗りの際と同様、植物プランクトンの一種を主原料とするクロスです。塗り壁に貼ると、ザラザラとした独特の質感に仕上がります。珪藻土クロスのメリット・デメリットを以下の表にまとめました。
メリット | デメリット |
・調湿性と防汚性に優れる ・防カビや消臭効果も望める ・ナチュラルな雰囲気を演出できる | ・依頼先が限定される ・汚れやシミが目立ちやすい |
他のクロスと比べて薄く、きれいな状態に仕上げるには高い施工技術が必要です。また、汚れやシミが目立ちやすく、定期的に乾拭きする必要があります。
土壁への直貼りと石膏ボードの使用
土壁への直貼りは、工事費用を抑えられる方法です。施工用の接着剤を使ってクロスを貼り付けるため、余計な出費を抑えられます。施工が比較的簡単なため、発注先が限定される心配もいらないでしょう。
反面、土壁へクロスを直貼りするには、下地を滑らかな状態に整えておかなければなりません。下地処理で凹凸をきれいに整えられなかった場合、仕上がりの品質に影響が及びます。また、損傷が激しい場合は下地処理の前に、補修作業が必要です。
一方の方法は薄く塗ったパテを乾かし、土壁の上に石膏ボードや合板を張っていきます。クロスを張る素地が滑らかになるため、土壁の損傷が激しい場合も対応できる点が特徴です。直貼りと比べて費用と工期がかさみますが、美しい仕上がりが望めるでしょう。
板張りへ張り替え
板張りとは天然の木材を加工して仕上げた外壁です。自然素材ならではの風合いや温かみを感じられます。年月が経つと木の表情も変わっていくため、経年劣化も楽しめるでしょう。また、木材の乾燥状態を保てれば、メンテナンスをしなくても数十年程度使えます。
仮に割れや反りが発生したとしても、補修方法は同じ木材を部分的に張り替えるだけです。他の外壁材と異なり、材料や商品がなくなる心配はいりません。反面、防水性が低く、雨によってカビの発生や木材の腐食を招く可能性が高いです。
長持ちさせるには、雨風や水の跳ね返りが当たりにくい住宅に設計する必要があります。
内部リンク:土壁の特徴やリフォーム方法とは?DIY手順や業者の費用相場も
土壁をDIYで補修するリスク
土壁補修をDIYで対応した場合、以下5つのリスクが生じます。
- 補修前より状況が悪化する
- 素材の扱いが難しい
- 配線工事ができない
- 時間と費用がかかる
- ペンキ塗りは土壁の魅力が半減する
土壁や漆喰の上塗りは高い施工技術が求められるため、素人には対応が難しいです。また、お住まいの壁にコンセントやスイッチを埋め込んでいる場合、配線工事が必要になります。
補修前より状況が悪化する
DIYで補修した場合、作業前より損傷箇所が拡がる可能性があります。土壁は損傷具合や修復範囲の見極めが非常に難しく、正確な判断を下すには専門知識や実務経験が必要です。
また、土壁の状態によって補修方法も異なります。損傷が激しい場合は補修作業が必要になり、凹凸が目立つ場合は下地処理をしなければなりません。補修作業や下地処理には、一定水準以上の施工技術が求められます。
土壁の補修は状況に応じた対応が求められるため、素人には難易度が高い作業です。
素材の扱いが難しい
土壁や漆喰、珪藻土を上塗りする場合、豊富な専門知識と高い施工技術が必要です。劣化状況や季節に応じて、補修の進め方や素材の扱い方を判断しなければなりません。
たとえば、既存の土壁と同じ素材を上塗りする場合でも、季節や温度によって乾燥時間が異なります。ひび割れやムラが発生しないよう、塗装する際の強度を調整しなければなりません。
また、漆喰は乾燥の際にひび割れが発生しやすい素材です。繊細な扱いが求められるため、プロに依頼しましょう。
配線工事ができない
コンセントやスイッチを壁自体に埋め込んでいる場合、電気の配線工事も必要です。第2種電気工事士または第1種電気工事士を取得していない限り、配線工事はおこなえません。いずれも国家資格のため、DIYで対処できる方は限定されます。
時間と費用がかかる
比較的取り組みやすいクロス張りを選んでも、道具を揃える手間と費用がかかります。DIYでクロス張りを進める場合、主に以下の道具が必要です。
- 石膏ボードまたは合板
- クロス
- パテ
- 紙やすり
- ヘラ
クロスをきれいに張るには、土壁の表面をきれいに整えなければなりません。土壁の上に直接クロスを張ると凹凸が目立つため、石膏ボードや合板を挟むのが無難です。事前にパテを塗って下地処理を実施しておくと、クロスを張った際もきれいに仕上がります。
また、下地処理や石膏ボードの張り付けに慣れていない場合、作業を終えるのに多くの時間が必要です。
ペンキ塗りは土壁の魅力が半減する
土壁の上からペンキを塗る方法は、他の方法と比べて工事費用を抑えられます。DIYで補修した場合、塗料と材料費、道具代しか費用はかかりません。反面、土壁が持つ機能性や風合いが失われるため、慎重な見極めが必要です。
また、塗料には有機溶剤が含まれており、塗装直後は室内に独特の臭いが漂います。仮に自身でペンキを塗る際は、窓を開けて換気をしながら作業を続けましょう。
土壁補修の費用
どの補修方法を選択するかによって、工事費用は大きく変動します。以下4つの補修方法に関して工事費用の相場をまとめました。
- 土壁の塗り直し
- 漆喰や珪藻土の重ね塗り
- クロスの張り替え
- 板張り
4つの補修方法で工事費用がもっとも高いのは板張りです。十分に予算を確保できる方、自然の風合いを楽しみたい方向けの選択肢といえます。また、予算に制限がある方は、土壁の塗り直しかクロスの張り替えがおすすめです。
土壁の塗り直し
12畳の土壁を同じ素材または類似素材で塗り直した場合、工事費用は20万円前後となります。土壁は耐久性に優れていますが、ひび割れや変色などが発生していた場合、補修工事や下地処理が必要です。
塗り直す際は損傷箇所を補修してから、新たな土壁を何回かにわけて塗り直します。塗りこんだ土を乾燥させる時間が必要なため、塗装面積によっては5日〜1週間以上の程度の工期が必要です。
漆喰や珪藻土の重ね塗り
漆喰か珪藻土を12畳の土壁に重ね塗りした場合、工事費用は30万〜40万円が相場です。双方とも養生や下地処理、乾燥など、多くの工程を踏むため、他の方法と比べて1㎡あたりの単価が高く設定されています。
漆喰か珪藻土で塗り直した場合の単価を以下の表にまとめました。
漆喰 | 珪藻土 | |
単価(1㎡あたり) | 4,000円〜8,000円 | 6,000円〜11,000円 |
上記の価格には材料費と下地処理、作業費が含まれています。また、双方とも施工の難易度が高く、優れた技術を持つ左官職人が在籍した業者しか工事に対応できません。施工の手間もかかるため、1週間以上工事が続く場合もあります。
クロスの張り替え
12畳の土壁をクロスに張り替えた場合、工事費用の相場は20万〜30万円が相場です。クロスの種類やグレード、土壁の損傷具合に応じて、施工費用は変動します。
クロスの種類 | 単価(1㎡あたり) | 12畳(45㎡)の費用 |
ビニールクロス | 1,200円〜1,500円 | 54,000円~67,000円 |
髪クロス | 1,500円~ | 67,000円~ |
布クロス | 1,500円~ | 67,000円~ |
木質系クロス | 3,000円~ | 13万5,000円~ |
オレフィンクロス | 1,500円~ | 67,000円~ |
珪藻土クロス | 1,500円~ | 67,000円~ |
上記費用に加えて、下地処理の作業費や養生代などが加算されます。部屋の雰囲気を変えたい方、予算をおさえたい方には選択肢の一つとなるでしょう。
しかし、クロスでの補修は、表面上は綺麗でも中の湿気を外に出しにくくなります。土壁の中の竹や木材が湿気で腐食し、シロアリが発生するケースは多く、選ぶ際にはよく検討しましょう。
板張り
板張りの単価は1㎡あたり7,000円〜15,000円が相場です。木材の種類や施工面積、住宅の形状などによって、単価は変動します。仮に12畳の内壁に木材を貼り付けた場合、工事費用は31万5,000円〜67万5,000円です。
天然の木材を使用するため、他の補修方法と比べても、工事費用は高くなります。
土壁補修の工事業者を選ぶポイント
内装工事業者を選ぶ際は以下3点を意識してください。
- 施工実績が豊富な業者を選ぶ
- 複数の内装工事業者から見積を取得する
- 担当者との相性を見極める
ポイントの内容を一つひとつみていきましょう。
施工実績が豊富な業者を選ぶ
自身が検討している補修方法の施工実績が、豊富な内装工事業者を選びましょう。特に土壁の塗り直しや漆喰・珪藻土の重ね塗りは、高い施工技術が求められます。豊富な知識や実務経験を持つ職人が在籍していない限り、工事の依頼に対応できません。
できればせっかくの土壁なので調湿している壁なので土壁で補修をお勧めします。
サイト上で施工事例や実績を確認しながら、外注先を選定することが重要です。
複数の内装工事業者から見積を取得する
工事の依頼先を選定する際は、複数の業者から絞り込んでください。1社からしか見積を取得しなかった場合、見積金額の相場や提案レベルを正確に掴めません。必要以上の工事費用を支払う可能性も十分考えられます。
ミスマッチを避けるため、外注先の候補を5社前後あげてから絞り込みましょう。
担当者との相性を見極める
担当者とスムーズにコミュニケーションが取れるかも重要なポイントの1つです。内壁リフォームは下塗りや上塗りなど、専門用語が多数登場します。わかりやすい言葉で解説してくれる担当者だと、安心して工事を任せられます。
打ち合わせの際、担当者との相性が自身と合っているか、確認してください。また、専門用語を多用する方、施工費用の説明が曖昧な方への依頼は避けましょう。工事を依頼したあと、トラブルに発展する可能性が高まります。
土壁補修の工事業者はゼヒトモで探すのがおすすめ!
自身の条件に見合った工事業者を探すには、複数のリフォーム会社から絞り込んでいく必要があります。ただし、1件ずつリフォーム会社の施工事例や実績数を確認するのは大変です。効率的に工事業者を探すためにも、ゼヒトモの利用を検討してみましょう。
いくつかの質問に答えるだけで、条件にあった企業を見つけられます。見積依頼や打ち合わせに費用はかかりません。
プロからのコメント
土壁は日本の気候風土にあった素材です。現代建築では、工期や予算の都合により、簡素化された建物が主流であるため、土壁が採用されることは珍しくなっています。しかし、一昔前、50年程前までは土壁しかありませんでした。
そのころはシックハウスなどという病気もなく安全に家の中で生活できていました。現在土壁の家に住んでいらっしゃる方はすごく貴重なので土壁をメンテナンスしながら、末長く住んでいただけることを願います。
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