屋根塗装をする際に「足場」の費用が気になる方も多いのではないでしょうか。屋根や外壁の塗装では、足場の設置は必要不可欠です。足場の役割は、職人の安全確保や、施工不良を防ぐためなど、さまざまです。
この記事では足場が必要な理由や、費用相場などをご紹介します。費用を抑えるポイントも解説するので、リフォームを検討している方は参考にしてください。
屋根塗装で「足場なし」は可能?
基本的に、足場なしでの屋根塗装はできません。イレギュラーな例として足場が不要なケースもありますが、足場は屋根塗装には欠かせないものと考えると良いでしょう。
法律で設置を義務付けられている
屋根塗装の足場設置は法律で義務付けられています。 厚生労働省の法令「労働安全衛生規則」によると、2m以上の高所で作業する際は、落下防止のために足場の設置が必須と定められています。
とくに高い場所で作業する場合は、作業員の転落の恐れがあるため、必要な高さに応じた設置が重要です。労働災害や墜落事故を防ぐために、2024年の4月から足場設置に関する安全衛生法の規定基準が厳格化されています。詳しくは下記のデータを参考にしてください。
【参考資料】https://jsite.mhlw.go.jp/akita-roudoukyoku/content/contents/001611331.pdf
例外で足場なしでも可能な場合がある
屋上・緩い傾斜の屋根勾配・陸屋根など、低い建物で作業員が転落する恐れがない場所は、「無足場工法」で施工できるので足場は不要です。
足場なしで屋根塗装する場合は、下記のような方法があります。
- 高所作業用ブランコ: 建物の外壁に金具を取り付け、ブランコのような作業台を吊るす
- ロープアクセス: ロープを使って屋根に登り降りする
- 高所作業車(ゴンドラ): 車体の伸縮アームを使って屋根に近づく
費用を押さえられるメリットがありますが、屋根足場が不安定な分施工に時間がかかるデメリットがあります。また、足場なしで屋根を塗装する場合は、施工業者の高い技術や経験が必要です。
屋根塗装で足場が必要な理由
法律の面以外でも、足場が必要な理由はさまざまです。主なものを3つご紹介します。
- 職人の安全を確保するため
- 近隣住民とのトラブルを防ぐため
- 施工不良を防ぐため
職人の安全を確保するため
屋根塗装を依頼した職人の安全を確保するために大切です。屋根の塗装は高所での作業になるため、足場なしの状態で着工してしまうと落下事故の危険性が非常に高まります。
また、足場があることで作業員が使用する仕事道具や工具の落下も防ぐことが可能です。さらに工事中の動きをチェックする際の事故を防止し、安全かつ綺麗に屋根を塗装してもらうことができます。
近隣住民とのトラブルを防ぐため
近所トラブルの問題発生を事前に防ぐために足場が必要です。足場なしの状態で屋根塗装を開始してしまうと、塗料が周囲に飛散する被害が及びます。また、高圧洗浄による水分や汚れが、周りのお家に飛散する影響もあるでしょう。
近隣への配慮を怠ると、屋根塗装を行うことに対するクレームが入ったり、施工後に近隣住民との関係性が悪くなったりする迷惑をかけてしまうリスクが伴います。
また、足場を設置したあとは撤去するまで、近隣住宅の日当たりや風通しが悪くなってしまう恐れがあります。
そのため、足場工事の配慮だけでなく、事前に挨拶をしておくことをおすすめします。近隣へ挨拶する際は下記の内容を伝えましょう。
- 足場を運ぶための大型車両の駐車
- 足場組み立ての場所
- 足場の組み立てから解体を含めた塗装工事期間
また、足場組み立て箇所で近隣のスペースを借りたい場合は、同時にお願いしてみることがポイントです。
施工不良を防ぐため
不十分な下地処理や塗装方法の誤り、ムラなどの施工不良を防ぐために足場の設置が必要です。足場がないと、足元が安定せず塗装作業における安全性が確保できないため、本来の高品質での施工ができないリスクがあります。
しっかりと乾燥時間を確保できなかったり、塗装前の汚れや塗膜を完全除去しきれていなかったりする不具合が生じるため、仕上がりのクオリティ面で不安が残ります。
作業員の安全面の確保は正確性の向上につながるため、足場は必ず設置した上で施工してもらいましょう。
屋根塗装の足場設置にかかる費用相場
足場を設置する際にかかる工事費用には、足場代そのものの料金と飛散防止シートの設置費用が挙げられます。屋根塗装における足場の設置費用は、1㎡あたり600〜1,000円ほどが相場です。
【足場費用】=( 家の外周+8 m ) × 高さ
これに、足場設置と一緒に利用する飛散防止シートの費用相場を足します。飛散防止シートの費用相場は、1㎡あたり100〜200円程度です。見積書をチェックする際には、費用が適正か確認しましょう。
足場設置と屋根塗装の費用を抑える方法
外壁塗装も並行して依頼する
塗装の専門業者に屋根塗装と外壁塗装を同じタイミングで依頼できると足場設置にかかる費用を節約できます。屋根塗装と同じく、外壁塗装も足場の設置が必要です。それぞれの工事を別で依頼すると、その都度足場の設置費用がかかってしまいます。
とはいえ足場設置の範囲が広いため、一回に支払う金額は高額です。しかし、2回足場を設置する場合よりも最終的な金額の節約に繋がります。さらに足場の設置や解体にかかる時間を含めた施工期間を大幅に短くできるため、人件費を抑えられます。
外壁や部分補修などの修理や塗装を別々の業者に依頼するのではなく、セットで塗装を対応してもらえるのか相談してみると良いでしょう。
さらに以下の関連記事では、屋根塗装全体の費用相場や、屋根塗装工事を安く抑える5つのコツを紹介しています。屋根塗装にかかる費用が気になる方はぜひ参考にしてください。
関連記事:屋根塗装の費用相場
耐用年数に優れた塗料を使用する
屋根工事は、耐用年数に優れた塗料の活用がポイントです。さまざまな塗料の中からできるだけ安い塗料を利用した方が、依頼した際の費用は抑えられます。しかし、安さが特徴の塗料は、単価を抑えられますが、汚れたり、剥がれたりするなどの劣化の原因に繋がります。
耐用年数と費用相場
費用相場(㎡) | 耐用年数(年) | |
シリコン | 2,300円〜 | 約10〜13 |
アクリル | 1,200円〜 | 約5〜7 |
フッ素 | 4,200円〜 | 約15〜20 |
無機 | 5,500円〜 | 約20 |
長期的にみると耐用年数が長い塗料の方が定期的なメンテナンス費用や補修工事の費用を抑えられるため、コストパフォーマンスに優れています。費用対効果を考えている方は、自分自身の想定予算と瓦屋根やストレート屋根などの屋根材の種類にあう最低限の塗料を相談しながら決めることをおすすめします。
くさび足場を利用する
足場設置のコストダウンを叶えるくさび足場を使うことがポイントです。くさび足場は、ハンマーで叩いてはめ込むといった組み立てが簡単にできるため、安く足場を組み立てられます。
しかし、強度が弱いため、屋根塗装する場所の状況や屋根の面積次第では、ビケ足場や単管足場などの他の足場が適している場合があります。くさび足場は、小規模な屋根や単純な屋根の形状の場合に利用できます。
足場の費用を抑える要望を叶えられる可能性があるため、業者さんに直接くさび足場を使っても大丈夫な塗装工事かを相談および提案してみることがポイントです。
屋根塗装・足場設置の期間はどれくらい?
屋根塗装にかかる施工期間はおよそ2〜3週間ほどで、足場も同様に期間の前後で設置されています。足場自体を設置するのにかかる期間は場合によって異なりますが、早ければ1日で完了します。
住宅地などでは隣との距離も近く、足場が家の窓の目の前というケースも珍しくありません。足場を設置している期間は長いため、近隣の配慮が必要です。近隣トラブルを防ぐための工事に関する了承の挨拶をする際は、足場の組み立てと解体する期間を含めた工事期間を伝えておくことをオススメします。
業者選びは慎重に。相見積もりもおすすめ
足場の設置にかかる費用は、複数の業者にまとめて施工費用を出してもらう相見積りで比較しましょう。相見積もり依頼は、足場の設置も含めた屋根塗装の価格を比較できます。
一般的に無料点検で現場見積もりの対応をしてもらえるため、気軽に複数社で相談および問合せしてみることをおすすめします。
業者選びの際は、見積書に材料費や人権費などの項目だけでなく施工内容の作業方法や工程などの細かい詳細が記載されているか、不自然な値引きがされていないかも確かめておきましょう。
万が一足場設置の取り付け費用が無料と記載もしくは足場工事に関する記載がない場合は、悪徳業者の可能性があります。後々の後悔を防ぐために、安心して依頼できる業者の見分け方が鍵となります。見積書で業者の信頼性を適切に見極める方法は、下記の記事を参考に確認してください。
屋根塗装における見積もりの重要性とは?確認するべきポイントや費用を抑えるコツを伝授
ゼヒトモで屋根塗装のプロを探す
今回は、屋根塗装における足場の必要性について解説しました。
屋根塗装の足場は、作業員の安全確保や近隣への配慮、作業効率の向上といった視点から設置は必須とされています。足場の設置も含めた屋根塗装業者を探す際は、足場の種類や施工費用をベースに決めるのがおすすめです。
- 足場の設置費用を事前にしっかり掲示してもらったうえで依頼したい
- 事前にどのような足場をどれくらいの期間で設置するのか知りたい
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