生活様式や家族の多様化からお仏壇を手放すとき、どのように処分を進めたらいいのでしょうか。
日本国憲法第20条に信教の自由が示され、家族や親族が仏教を信仰していても、お仏壇を所有していても、自分がどの宗教を選んで、お仏壇を所有し続けるかどうかは選択できます。お仏壇を家に置かない、これもひとつの信教の自由です。
宗教用具である仏壇には適した処分方法があります。Zehitomoのプロフェッショナルからアドバイスもいただいています、ぜひ参考にしてください。
髙橋 洋介さま
株式会社alife 代表取締役、総合便利サービスにじいろ代表。「どこよりも誠実に」を心がけて不用品回収サービスを提供している。2017年の年間作業実績600件以上。
不用品回収は、サービス内容などが見えづらい、わかりづらいことから「頼みづらい」とお考えのお客様が多い現状に対して、「頼んで良かった」と思ってもらえる、期待値を超えるサービスを心がけている。
仏壇の処分方法5つ
1.お寺に相談、引き取りを依頼する
仏壇を処分するには、お寺に依頼すると安心で確実です。まずは故人の位牌が納められているお寺に相談することが望ましいでしょう。
仏壇を処分する際には、閉眼供養または魂抜きと呼ばれる供養を行ってから廃棄するのが一般的です。閉眼供養はほとんどのお寺で対応できますが、そのまま引き取ってはくれないお寺もあります。
仏壇を焼却して処分することをお焚き上げ(おたきあげ)と言いますが、供養だけでなくお焚き上げも行なっているかどうか、事前に確認をしましょう。
ただ、仮に引き取りを行なっていても、受付けている時期が限られていたり、ものによって引き取りできないこともあります。
相談したお寺に引き取ってもらえない場合は、供養をしてもらった後に自分で処分します。処分の仕方に迷う時は、お寺に処分方法を確認してもよいでしょう。
お寺が遠方であったりお付き合いしているお寺がないなら、自分で見つけたお寺に相談します。故人の位牌を納めているお寺を菩提寺(ぼだいじ)と言いますが、菩提寺以外でも仏壇の供養と引き取りを依頼できます。依頼方法は、電話をするか直接訪問して確認します。
依頼できる場合は、仏壇をお寺に持ち込み対応してもらう方法、位牌や遺品だけを持ち込みお寺で供養後に、仏壇はそのまま自宅で処分する方法があります。
供養の仕方は各宗派によって異なるため、お寺の作法に合わせて依頼側が対応します。
2.仏壇仏具店に相談、引き取りを依頼する
仏壇仏具の販売店で処分をお願いする方法です。まずは、仏壇の引き取りを行っている仏壇仏具店を探し、電話にて相談します。電話をする時は、仏壇の大きさと配送元の住所を用意しておくとスムーズです。処分したい仏壇は直接店舗に持ち込むか、運送会社を手配し店舗へ配送します。また、自宅まで引き取りに来てくれる販売店もあります。
希望があれば仏壇仏具店が提携しているお寺にて、供養やお焚き上げ(焼却)を行ってくれます。お寺での供養やお焚き上げは、別途費用がかかります。一般的に仏壇仏具店で引き取った仏壇は供養後に解体され処分されます。
新たに仏壇を購入する予定であれば、利用する仏壇仏具店で古い仏壇を引き取りを依頼すると格安で対応してくれます。店舗に直接持ち込むこともできますが、ほとんどは郵送にて引き取り可能です。仏壇仏具店では、仏壇と一緒に仏具や位牌、掛け軸、遺影、お札等も処分できます。仏壇関係の品物をまとめて処分したい時は仏壇仏具店が便利です。
3.供養のみを専門に扱う供養仲介業者に依頼する
供養のみを専門に扱う供養仲介業者もあります。お寺で供養を行う手配を代理で行い、手続きや支払いを仲介してくれる業者です。葬儀会社でも供養仲介事業を行っている例があります。
供養専門業者では、依頼側から供養を実施する時期やお寺を指定することができず、一定間隔で他の仏壇とまとめて供養・処分を行っています。そのため、店舗に郵送または持ち込んだ後、いつ処分するかはお任せになります。また宗派は関係なく対応してくれますが、供養時の宗派指定は別途料金がかかります。
専門業者であれば、仏壇の梱包から郵送・供養の手続きなどすべてまとめて手配してくれることが多いため、お寺探しや煩わしい手続きを避けたい方におすすめです。供養を行う品は仏壇だけでなく遺品、遺影、ぬいぐるみや神棚も取り扱っています。
4.ゴミとして処分する
仏壇は、自治体で決められた方法で粗大ゴミとして処分できます。自治体によっては仏壇を粗大ごみとして引き取っていないこともあるので注意します。詳しくは各自治体のホームページから確認しましょう。
粗大ゴミの回収方法は自治体ごとに異なり、自宅前で回収、ゴミ置き場で回収、または焼却場へ持ち込む方法があります。
自宅前で回収もしくはゴミ置き場で回収には予約が必要で、ネットか電話で日時を事前に決めます。その日のうちに回収することは難しいため、時間に余裕がある人が適しています。
小さな仏壇なら自分で解体し、燃えるゴミとして出すことも可能です。た自治体によってはもともと粗大ゴミであったものを分解して処分すること自体を受け付けていない自治体もあります。
分解して処分する際は、木材の部分と金属の部分は分別して処分します。ま仏壇の木枠や仏壇周りで使用していた掛け軸や台帳は燃えるゴミ、金属でできた仏具や茶碗は資源ゴミまたは燃えないゴミに分別します。
ただ、仏壇を粗大ゴミとして廃棄する時には、心情的に好まくないと感じる人がいることを忘れてはいけません。仏壇をゴミとして扱う風習が全くない地域もあります。またゴミ置き場に置いてある仏壇を見て不快に思う人もいます。ゴミとして処分する際は、ご近所や周囲の人たちへの配慮を心掛けましょう。
5.不用品回収業者に依頼する
不用品回収業者で仏壇を処分できます。引き取り後は業者が解体してそのまま廃棄するか、合同供養を行ってから処分します。
まずは不用品回収業者に電話をして仏壇を取り扱っているかを確認します。引き取り可能であれば仏壇の大きさと仏壇の所在地を伝えて見積もりを取ります。
回収後はどのように扱われるのか気になる人は事前に確認しましょう。慎重に扱ってもらいたい、仏壇に込められた故人の想いなどを気にするご家庭は、不要品回収業者の利用はおすすめしません。正しい供養と処分が希望なら、専門業者かお寺への依頼が好ましいでしょう。
不用品回収業者は、価格が安くスピーディな対応がメリットです。その日のうちに引き取ってくれるような業者も多く、早めに処分したいと考えている人は、不用品回収業者への依頼がおすすめです。
Zehitomoで不用品回収の依頼を出すと、地域の業者から複数の見積もりを受け取り比較することができます。
月に1回〜程度は処分の依頼をいただきます。
ご依頼くださる方の背景には「疎遠になっている両親が亡くなって、お仏壇も処分したい」「関係が希薄な親戚が亡くなって、お仏壇や遺品などを処分しないといけない、不要なので処分をしてほしい」という方など、理由はさまざまです。
依頼をくださる方は、「宗教的な側面は気にしないので処分をしたい」という方が多いです。
仏壇の処分方法別に、かかる費用
お寺に相談、引き取りを依頼する
一般的な大きさの仏壇であれば3万円前後が目安です。価格帯は1万~5万円程度が相場ですが、お寺に払う料金は正確に決まっているものではありません。
お寺に支払うお金は、お布施(おふせ)と言います。従来、お布施の金額は正確に決まっておらず、お寺に払う御礼金という位置づけで依頼側が金額を選べます。
ただ、その地域で大体の相場が決まっていたり、お寺とのお付き合いを続けていく中で金額が決まってくるものです。金額の目安が分からなければ、お寺に直接相談しても失礼にあたりません。
仏壇の供養のために家まで来てもらった時は、お車料として5,000円程度追加します。遠方から訪問であれば1万円ほど包むこともあります。
仏壇仏具店に相談、引き取りを依頼する
古い仏壇の処分は、供養を行う料金としておよそ15,000円前後、小さい仏壇で5,000円~大きいものは2万円ほどかかります。さらに配送費や引き取り手続き料がかかり、2万円~6万円前後追加になります。また、供養証明書の発行や供養するお寺の宗派指定には別途料金がかかり、5,000~1万円ほど追加されます。すべて合計すると、平均5万円程度になります。
業者によっては、新しい仏壇を購入すれば配送費のみで済むこともあります。配送費は8,000円~2万円が相場です。配送費を節約したいなら、店舗に直接持ち込めば配送費はかかりません。
ゴミとして処分する
格安で処分できるのは、ゴミとして廃棄する方法です。仏壇を粗大ゴミとして処分する際の費用は、平均して1,000円程度です。価格帯は500~2,000円ほどです。
自分で解体して燃えるゴミと燃えないゴミに分別して処分する場合は無料ですが、粗大ゴミを分解、解体して一般ゴミにしても、回収しない自治体もあるため確認します。
不用品回収業者に依頼する
回収する時にかかる運搬費及び処分費用でおよそ5,000円~1万円程度です。業者によっては2万円程度の料金に供養代金も含めたセット料金になっていることがあります。
金額は大きさや処分する品物によって変動します。
お仏壇の中のお線香やお数珠、位牌などは片付いていただき、お仏壇の枠のみにしておいていただけると当日の作業自体は早く終わります。
位牌などお仏壇の中のものも、もちろん依頼をいただきましたら、処分もお引き受けしています。のちほど合同供養をしています。
仏壇を処分する際の注意3つ
1.開眼供養、閉眼供養を行なっているか確認する
開眼供養(かいがんくよう)とは、新しい仏壇を使い始める時に行うものです。魂入れとも呼ばれ、仏壇に故人を宿らせ供養する儀式のひとつです。一方で閉眼供養とは魂抜きと呼ばれ、仏壇から故人の魂を抜き取る供養方法です。
一般的に仏壇を購入した際に開眼供養を行っていれば、処分時に閉眼供養も行います。仏壇処分時に閉眼供養が必要かどうかは、お世話になっているお寺(故人の位牌を納めている菩提寺)に相談しましょう。
お寺によっては、開眼供養・閉眼供養を行っていないこともあります。主に浄土真宗では開眼供養・閉眼供養は存在せず、入仏法要(にゅうぶつほうよう)・遷座法要(せんざほうよう)を行います。他の宗派とは考え方が大きく異なりますが、仏壇を処分する際に行う儀式という点では違いはありません。
お寺と疎遠になっていたり位牌を納めているお寺がわからないときは、自分で見つけたお寺に相談してみましょう。宗派は違っても供養の儀式を行う慣習は変わりないため、自分自身が納得すれば問題ありません。仮に処分する際に供養しなくても法律上は問題ありません。
2.仏壇の中に必要なものや重要なものが残されていないか確認する
仏壇の中に処分したくない位牌や写真が残っていないか確認します。供養業者に一度預けた仏壇の品は返送してもらえません。
仏壇周辺の仏具の中には先祖代々伝わる品や、故人の持ち物ではなくその家族や親戚の所有物である可能性もあります。自分だけで判断せず、家族と一緒に確認すると安心です。
3.宗教用具への配慮
また仏壇や故人の品を処分する際は、家族や親戚等を含む関係者に処分方法について相談し、了解を取ることをおすすめします。
お寺に持ち込む前または業者に発送する前は、仏壇を掃除をしておきます。仏壇や仏具はホコリが付いていることが多いためです。香炉の灰やマッチ・ろうそくの燃えカスは自宅で処分できるため、一般ごみとして廃棄します。故人の愛用品やお供えものは、業者によっては引き取りをしていないため各自で処分します。
宗派や地域性によっては仏壇の扱いにこだわる人も多いため、処分方法を誤るとトラブルになる可能性もあります。自分だけで手続きを済ませず、周囲の人への確認も忘れないようにしましょう。
最後に
自分一人で決断できない、ごきょうだいやご親戚に確認した方がいい場合もあると思うので、相談をした方がいいときは相談してから処分に踏みきってください。
しかし自分の時間や労力もお金だと思います。悩んでいたり、相談する親族も特にいなかったり、悩んだり比較したりと自分の時間を使ってしまうのであれば、「不用品回収として回収してもらおう」とすぐに決断した方がスッキリできると思います。
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