風呂釜交換は頻繁に行うリフォームではありません。しかし、壊れてしまうと生活に大きな支障をきたしてしまうもの。完全に故障して使えなくなってしまう前に、きちんと交換しておきましょう。
風呂釜の種類によって、交換にかかる費用相場は異なります。また、交換するタイミングやリフォーム業者の選び方も重要なポイントとなるため、ぜひこの記事を参考にしてください。
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風呂釜を交換・リフォームする時の費用相場
風呂釜を交換・リフォームするためには、主に風呂釜そのものを新品に交換する方法や、給湯器への交換、ユニットバスへの交換などの3種類の方法が挙げられます。
風呂釜そのものを新しく交換する場合は、本体費用と工事費用を併せて約15万円が費用相場です。ただし、風呂釜は浴室内に設置するものと浴室外に設置するものがあり、性能にも大きな差があります。用途や予算にあったものを選びましょう。
風呂釜を給湯器に交換する場合の費用相場は、約15万円~30万円です。広く普及しているガス給湯器は、初期費用を安価に抑えられますが、ランニングコストがかかるというデメリットがあります。また、近年注目を集めている電気式の「エコキュート」はヒートポンプ式で、光熱費を減らせるタイプの給湯器です。
風呂釜をユニットバスへ交換する事もできます。この場合の費用相場は、約50万円~200万円です。在来工法のお風呂場からユニットバスに交換する事で、断熱性の向上や雰囲気の一新、清掃がしやすくなるなどのメリットがあります。
どのリフォーム方法が最適か判断するのは素人判断では難しいため、リフォーム会社に相談するのがおすすめです。
【種類別】風呂釜リフォームの費用と工期
ユニットバス交換 | シャワー水栓交換 | 浴槽交換 | |
ガス風呂釜 | 37万円~ | 3万円~ | 98,000円~ |
屋外設置型風呂釜 | 13万円~37万円 | 15,000円~7万円 | 10万円~37万円 |
電気風呂釜 | 13万円~37万円 | 15,000円~7万円 | 10万円~37万円 |
バランス型風呂釜 | 13万円~37万円 | 15,000円~ | 10万円~37万円 |
ガス風呂釜の費用相場
ユニットバスの交換は370,000円〜で、工期は約3〜4日程度です。
また、在来工法からユニットバスへの転換費用相場は680,000円〜で、約3〜8日の工期が必要となります。シャワー水栓の交換は30,000円〜で、約2時間の作業が必要です。
一方、浴槽交換は98,000円〜で、おおよそ1日かかると見ておきましょう。
屋外設置型風呂釜の費用相場
ユニットバスの交換にかかる費用は130,000円〜370,000円で、工期は約1〜3週間です。
シャワー水栓の交換は15,000円〜70,000円で、作業には約1~1時間半かかります。
一方、浴槽交換には100,000円〜370,000円が必要で、工期は3~7日程度です。
電気風呂釜の費用相場
ユニットバスの交換は130,000円〜370,000円で、工期は約1~3週間を要します。
シャワー水栓の交換費用は15,000円〜70,000円で、作業時間は約1時間~1時間半です。
一方、浴槽交換は100,000円~370,000円で、工期は約3~7日が見込まれます。
バランス型風呂釜の費用相場
ユニットバスの交換の場合、費用は130,000円〜370,000円で、工期は約1〜3週間です。
シャワー水栓の交換は15,000円〜で、工期は約1時間~1時間半です。
浴槽交換には、100,000円〜370,000円がかかり、工期は約3~7日が見込まれます。
エコキュートの費用相場
エコキュートは特にオール電化の家庭で使われている給湯器です。光熱費が安くなる深夜帯に電気を利用してお湯を作ります。
タンク内でお湯切れが起きたら自動的に追い焚きが行われますが、日中だと電気代が高くなってしまうのがデメリットです。
エコキュートはランニングコストが低くなる一方、購入時と設置時のイニシャルコストが比較的高額となる傾向にあります。
エコキュートはメーカーとグレードによって費用相場が変わるため、設置する際には用途に合っているかを確認しておきましょう。
標準グレードの場合、本体代+設置工事費用=合計は約40万円~80万円です。
中級グレードの場合は、本体代+設置工事費用=合計は約75万円~115万円になります。
高級グレードの場合、本体代+設置工事費用=合計は約110万円~180円です。
また、容量によっても価格は異なります。容量が大きいものは大家族に向いており、その分本体価格も高額になるのが特徴です。
風呂釜の5つの種類
風呂釜には、以下の5つの種類があります。
- BF式(密閉式)
- RF式(屋外式)
- FF式
- FE式
- CF式
ここではそれぞれの特徴を解説します。
BF式(密閉式)
BF式(密閉式)は屋外の空気を使ってガスを燃焼させるタイプです。本体価格は約6万円~10万円、工事費用は約4万円。本体価格と工事費用をあわせて約10万円~14万円が費用相場です。
完全密閉構造で安全性が高く、設置場所を選ばないため、マンションでも利用できます。また、稼働には乾電池を使い、電力が必要ないため停電時にもお風呂に入れます。
加えて、空気を屋外に排気するため、空気汚染や一酸化炭素中毒などのリスクが低いのがメリットです。燃焼させた際の給気と排気がほぼ釣り合う事から、「バランス式風呂釡」「バランス釡」と呼ばれています。また、商品のバリエーションが豊富なのも風呂釡選びの際に嬉しいポイントでしょう。
ただし、BF式は浴槽の横に設置するため、浴室が狭くなるのがデメリットです。
RF式(屋外式)
RF式(屋外式)は給気と排気を屋外で行うタイプです。本体価格は約5万円6万円、工事費用は約3万円。本体価格と工事費用をあわせて約8万円~9万円が費用相場です。
「屋外設置型風呂釡」とも呼ばれており、浴室内のスペースを確保できるのがメリットです。また、追い焚き付き給湯器を追加する事もできます。
給気と排気を本体で行うため、排気筒がいりません。機器によっては、風呂場から離れた場所にも設置できますが、設置場所には一定の制限があります。
FF式(強制給排気)
FF式はファンで室外の空気を取り入れて燃焼し、室外に排気するタイプです。「強制給排気」と呼ばれており、給湯器の上部に給気と排気の配管が2本ついています。
送風機を利用して排気し、給気と排気を屋外で行うため安全性が高いのが特徴です。空気を多く使うため、シャワーの湯量を十分に確保したい人に向いています。
FF式は強制排気のため、風向きに左右されません。また、燃焼時に室内時の空気を使わず、換気の必要がないという特徴があります。ただし、電源が必要なので停電時には使用できないのがデメリットです。
FE式(強制排気タイプ)
FE式は室内の空気で年商を行い、排気ガスだけをファンで外へ吐き出すタイプです。「強制排気タイプ」と呼ばれており、屋内に設置します。
簡単な設備で運用でき、初期費用が抑えられるのがメリットの一つです。リモコンによる温度設定や不完全燃焼の防止などの機能を持つ機種もありますが、浴室内に設置できないため隣接した場所に取り付けなければならないというデメリットがあります。
CF式
CF式は独自の給排気方式で、高い熱効率と安全性を兼ね備えています。FE式と仕組みが似ていますが、FE式が送風機による動力で排気を行うのに対し、CF式は自然の空気の流れで排気をする仕組みです。
送風機を使用しないため強風によって排気が室内に逆流するリスクがあり、一酸化炭素中毒を招くかもしれません。この事から、CF式の新規設置は禁止されています。
風呂釜の交換目安は?
ここでは、風呂釜を交換する目安となるサインなどについて解説します。
風呂釜のリフォームは10年くらいが目安
風呂釜の寿命は20年が目安です。しかし、一般的には、浴槽のコーティングが割れたり剥がれたりする約10年でリフォームするのがよいでしょう。この時点で放置すると水漏れや床下浸水などに繋がります。
風呂釡に有償で保証をつけても、10年までしか延長ができません。それ以上使用し続けても、メーカーによる修理はできないため、保証期間内で修理を依頼するのがよいでしょう。
とはいえ、使い続けるにあたって安全性の面で不安が残るのは確かです。修理よりも交換の方が長く安全に使い続けられるのは間違いありません。
交換を検討すべきタイミング
風呂釜の交換を検討すべきタイミングは以下の4つのサインが現れた時です。
- 種火がつかない
- 着火した時に異音がする
- 異臭がする
- 沸かしたお湯の温度が安定しない
これらのサインが現れた場合、風呂釜の寿命が近づいているか、故障が発生している可能性があります。一刻も早く専門業者に相談し、点検や交換を行いましょう。
種火がつかない
風呂釜の着火装置や温度センサーに問題が生じると、種火がつかなくなる事があります。この場合、無理に種火をつけようとすると、内部にガスが充満して破裂や変形などのリスクがあるため、自分で解決しようとせず業者に相談しましょう。
また、操作つまみが固くなる事も着火不良の原因です。つまみが固く動かしにくい場合は、早めに点検や交換を依頼しましょう。
着火したときに異音がする
風呂釜の熱交換器にトラブルがある場合、着火時に爆発したような音がします。この音の原因のひとつは、風呂釜の内部に溜まったガスの引火です。
爆発音を放置すると、ガスのトラブルで風呂釜が破裂するリスクもあります。お湯を沸かす機能に問題がなくても、着火時に大きな音がする場合は早めに業者に相談しましょう。
異臭がする
風呂釜から焦げた臭いやガスの臭いがする場合、部品の劣化や故障などが考えられます。ガス漏れ・不完全燃焼といった不具合が生じると、一酸化炭素中毒を引き起こしかねません。
使用中に問題がないように見えても、内部でどのような症状が発生しているかはわかりません。
異臭がした際はすぐに使用を中止し、点検や交換を依頼することが重要です。
沸かしたお湯の温度が安定しない
沸かしたお湯の温度が低い、お湯が沸かせないなどの症状は、電気に関する部品の劣化や故障が考えられます。シャワーが使えるタイプの機器を使用している場合は、突然お湯の温度が切り替わる症状もあるでしょう。
放置する事でお湯が沸かなくなると入浴自体ができなくなります。このような場合、早急に工事を依頼することが重要です。
風呂釜の交換はDIYできない
風呂釜の交換はDIYで行う事は困難なため、おすすめしません。
古い配管や配線の撤去から新しい部品の取り付けまでには、専門的な知識が必要です。また、ガスや電気を使うタイプの場合は「ガス消費機器設置工事監督者」や「液化石油ガス整備士」などの資格保有者しか作業ができません。誤った方法で風呂釜を交換しようとすると、重大な事故に繋がる可能性があります。知識や経験が豊富な業者に依頼するべきです。
マンション・団地での風呂釜交換は許可が必要
マンションや団地でも浴室リフォームは可能ですが、自治体が管理している集合住宅の場合、浴槽や風呂釜の交換はできてもユニットバスへのリフォームができないこともあります。
隣室への影響を考慮して、配管の関係で浴室そのものに手を入れられない場合も少なくありません。リフォーム前に必ず管理規約を確認するようにしましょう。
リフォーム専門業者選びのポイント
よりよい業者に風呂釜交換を依頼するためには、知っておくべき注意点がいくつかあります。選び方のポイントを押リフォーム専門業者を選ぶ際には、選び方のポイントを押さえ、複数社を比較して自分に合う業者に依頼しましょう。
プロに任せるメリット
プロにリフォームを任せるメリットは、技術面と安全面での安心感が得られる事です。DIYでは確実なクオリティーの担保はできません。施工後に不具合が見つかったり、使い続けているうちに違う箇所が壊れてしまったりする事も考えられます。
しかし、プロは専門的な知識と豊富な経験を持っているため、依頼すれば細やかな点まで気を配った施工を行ってくれるのがメリットです。依頼したい点だけでなく、他にも気になっているところを相談すればアドバイスをくれる業者も少なくありません。
確実な施工と頼りがいのある助言を得られるのがプロに任せるメリットです。
見積を比較する
見積もりを比較する際に重要なのは、工事内容や料金が具体的に記載されているかどうかです。あいまいな内容の見積もりでは、後々トラブルに発展する可能性があります。
また、期限を過ぎた見積もりを出すような信頼性に欠ける業者への依頼は避けましょう。見積もりが手元に届いたら細かくチェックし、疑問点があれば業者に説明を求める事が大切です。
もし複数社の見積もりを取り寄せるのが大変だという場合は、ゼヒトモのような一括で複数のプロから見積もりをもらえるインターネットサービスを検討してください。わかりやすく比較検討しやすくなり、すっきりと見積もりを見比べられますよ。
信頼できる業者に依頼する
信頼できる業者を選ぶコツは、自社施工を行っている業者を選ぶ事です。資格を保有している業者に依頼し、施工実績も確認するのも忘れないようにしましょう。
また、インターネットで評判や口コミをチェックすることも有益です。過去の施工例について良い評判や口コミが多い業者は信頼できます。
とはいえ自分で1から業者の情報を探す方法がわからないという場合は、ゼヒトモのように詳しい過去の施工例と口コミが数多く掲載されている見積もりサービスを活用するのがおすすめです。一目で業者の業績がわかりやすいというメリットがありますよ。
アフターフォローが豊富なところを選ぶ
優良業者選びでは、アフターフォローが充実している業者を選びましょう。施工後のトラブルを避けるためにも、施工後の保証は業者を決める上で非常に重要なポイントです。
不具合が生じた際に無料で対応して貰える範囲や、保証を受けられる年数などを確認してください。
また、メンテナンスに対しての有益なアドバイスを提示してくれる業者かどうかも見極めましょう。施工した後にどのような使い方をすればより長持ちさせられるかどうか、正しい使い方はどういったものかといった事について詳しく教えてくれる業者も、アフターフォローが充実していると言えます。
アフターフォローを充実させている業者は数多くあるため、1社ずつ比較するのは非常に大変です。比べている打ちにどの点において優れているかわからなくなってしまう事もあるでしょう。
そこで役立つのが、ゼヒトモのように登録しているプロのサービスを一括で比較できるサービスです。費用面だけでなく、アフターフォローのように欠かせないサービスについても複数の業者を簡単に比較検討できますよ。
「風呂釜交換」に関するよくある質問
Q.業者選びのコツは?
大手リフォーム会社は知名度があり、安心が持てるかもしれません。ですが、下請け会社に施工を任せるため中間マージンが発生し、費用が高くなるというデメリットがあります。
また、下請け業者の施工だと教育の目が行き届いていない事もあるため、質の高い施工が期待できない可能性も考えておかなければならないでしょう。このような理由から、下請けに施工を任せるのではなく、自社で施工を行っている業者に依頼するのがおすすめです。
Q.どのような業者に施工を依頼できるか?
風呂釡の交換は、主にガス会社や風呂釡の販売業者、風呂釡販売メーカーやリフォーム会社などに依頼できます。
ガス会社への依頼は、都市ガスやプロパンガスなど、自宅に供給されているガスの種類に合わせた機器選びを行ってくれるため、事故のリスクを減らせるのがメリットです。
風呂釜の販売業者は地域密着型の販売店や工事店で、取り扱いメーカーが多く、幅広く販売や交換を行ってくれます。事前にきちんと確認すれば、アフターフォローが充実している業者が多いのも信頼できるところです。
風呂釡販売メーカーは常に最新のガス機器を取り扱っており、交換の相談にも乗っています。ショールームで風呂釡を見られるため、実物を見て機能性を確かめられるのはメーカーならではの利点です。
リフォーム会社は風呂釡をユニットバスに交換するような大掛かりな工事を行う場合や、屋外設置釡を取り付ける場合などに役立ちます。浴室全体のリフォームを行いたい時におすすめの業者です。風呂釡の交換だけでなく、他の水回りと併せてリフォームを依頼すると割安になります。
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監修者のコメント
水回りリフォームの重要ポイントとして、適切な交換タイミングと信頼できる業者選びが挙げられます。多くの方は設備が壊れてからリフォームを考えますが、メーカーの「設計上の標準使用期間」(一般的に10年)を目安に検討するのが望ましいです。 業者選びでは、「国土交通大臣」または「都道府県知事」の「建築業の許可」取得を確認することが重要です。また、経験と実績も考慮すると良いでしょう。 費用面では、ユニットバスルームの更新工事で70万円程度からが目安ですが、各業者によって値引き率や工事費が異なるため、実際の費用は変動する可能性があります。また、近年のメーカーによる頻繁な価格改定にも注意が必要です。 適切なタイミングで信頼できる業者を選ぶことで、快適な生活環境を長く維持できるでしょう。
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