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  6. トタン屋根とは?特徴やメンテナンス方法、修理の費用相場をチェック
2022/12/09 2024/04/05

軽量かつ耐震性に優れたトタン屋根ですが、錆びやすい素材であるため定期的なメンテナンスが欠かせません。そこで今回は、トタン屋根の特徴や種類、メンテナンス方法を紹介します。

トタン屋根の修理方法や修理費用も紹介するため、リフォームを検討する方は参考にしてください。

そもそもトタン屋根とは

トタンは、薄い鉄板に亜鉛メッキを施した建築材のことです。金属屋根の一種で、住宅だけでなく倉庫や工場の屋根材としても使用されています。

トタン屋根が普及したのは大正時代で、高度経済成長期になると全国の屋根で使われるようになりました。しかし、近年はスレート屋根が主流で、トタン屋根の住宅は減少しています。

ただトタン屋根は、亜鉛にアルミニウムを加えて耐久性を伸ばしたガルバリウム鋼板に進化しており、多くの住宅で採用されています。

トタン屋根のメリットは、屋根材が軽量であることです。屋根全体が軽くなるため耐震性が向上します。また、ほかの屋根材に比べると安く手に入れられるのも特徴です。

トタン屋根の屋根材の種類

トタン屋根と聞くと、波打つ青い鉄板の屋根を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、トタン屋根にはいくつか種類があります。

それぞれ特徴が異なるので、違いを理解して適切な方法でメンテナンスをおこなうことが大切です。ここでは、トタン屋根の種類を確認していきましょう。

一般的に主流の「波板トタン屋根」

トタン材を波状に加工した屋根材を使用したものが、波板トタン屋根です。鉄板に塗装を施し、表面を波型に加工することで、平らな屋根材よりも強度が増すといったメリットがあります。

波の間隔は2種類あり、また波板トタン屋根は波型に加工したあとに塗装するのが困難であるため、初めから塗装された屋根材が販売されています。一般的なトタン屋根は、波板トタン屋根であることが多いです。

雨漏りにとても強い「瓦棒葺きトタン屋根」

屋根が下がる向きに応じて等間隔で線が並ぶ屋根材が、瓦棒葺きトタン屋根です。心木と呼ばれる木材を垂木に打ち付けてから、その芯木に金属板を巻き付けて釘で固定していきます。

瓦棒葺きトタン屋根のメリットは、雨漏りに強い屋根材であることです。瓦棒葺きトタン屋根の特性から、雨が多く降る地域に適しています。また日本瓦やスレート屋根に比べて、ゆるやかな勾配の屋根が作れます。

工場や倉庫によく使われている「折板トタン屋根」

波板トタン屋根より鉄板を大きく折り曲げた屋根材で、凹凸が規則正しく連なるのが特徴です。長尺で継ぎ目が少ないので、雨漏りが起こりにくいといったメリットがあります。

従来は鋼板に亜鉛メッキ鋼板が使用されていましたが、近年はガルバリウム鋼板が主流です。瓦棒葺きトタン屋根よりも勾配のない屋根に適しており、工場や倉庫、体育館、自転車置き場などに採用されています。

トタン屋根と間違えやすい屋根が「立平葺き屋根」

瓦棒葺き屋根とよく似た屋根材に、立平葺き屋根があります。立平葺き屋根は、1枚の板を縦に葺いて作られた屋根のことです。屋根材の表面に施された線は細く、逆V字型である特徴があります。

内部は金属板が折り曲げられており、この部分を重ね合わせて屋根が組まれているのが特徴です。ほかの種類に比べると新しい工法であるため、トタン板が使用されることはありません。 立平葺き屋根には、ガルバリウム鋼板が使われています。

トタン屋根の特徴

日本の住宅だけでなく工場や倉庫、体育館でも使用されてきたトタン屋根には、さまざまな特徴があります。ここでは、トタン屋根を使用するメリットとデメリットを確認していきましょう。

材料費や施工費が安い

トタン屋根を使用するメリットは、材料費や施工費が安いことが挙げられます。トタン屋根は施工自体も簡単であることから人件費もかからず、全体的にコストを安く抑えられるのです。

また金属製の屋根以外に、ほかの屋根材に比べても素材自体も安いので、修理や張り直しも比較的安価になります。施工費用や材料費を抑えたり工期を短くしたりしたい場合は、トタン屋根が最適です。

ただ、業者によって金額設定は異なるので、具体的な費用を知りたい場合は見積もりを依頼しましょう。

軽量で耐震性に優れている

トタン屋根は軽量な屋根材であるため、住宅の構造を選ばず取り付けられます。日本瓦と比べると屋根材の重量は10分の1以下といわれており、ほかの外壁材に比べても住宅にかかる負担を軽減できるメリットがあります。

屋根の重量が軽くなると重心が下がるので、地震が起きても大きく揺れることはありません。耐震性に優れた屋根材を選びたいなら、軽量なトタン屋根が最適です。またトタン屋根は軽量であることから積雪に強く、雪が多く降る地域にも適しています。

ゆるい勾配でも使用できる

日本瓦やスレート屋根は、取り付ける際にある程度の勾配が必要になります。しかし、トタン屋根は勾配のない屋根にも使えるので、柔軟性が高いです。傾きのない屋根にも設置できるのは、屋根材の継ぎ目が少ないため傾斜がゆるくても雨漏りしにくいからです。

なお、日本瓦やスレート屋根の場合は、4寸以上の勾配が必要になります。勾配のない屋根であれば、トタン屋根の使用を検討しましょう。

雨漏りしにくい

基本的に、勾配がゆるい屋根ほど雨水が滞留しやすくなります。雨水が滞留した部分は劣化が進むため、雨漏りが発生しやすくなるのです。そのため、日本瓦やスレート屋根は一定以上の勾配がないと、屋根に取り付けることはできません。

ただし、トタン屋根は継ぎ目が少ない構造なので、雨水が浸入して雨漏りするリスクを軽減できます。勾配のない屋根や雨漏りしにくい屋根材を選びたいなら、トタン屋根を選ぶのがおすすめです。

サビやすいので定期的なメンテナンスを

トタン材は原材料が鉄であるため、表面の塗膜やメッキなどのコーティングが傷ついたり経年劣化で塗料が剥がれたりするとサビが発生します。

サビた状態を放置すると、屋根全体にサビが広がるでしょう。場合によっては、サビた部分から穴が開き雨漏りを起こす原因になることがあるのです。

屋根材のサビを避けるために、トタン屋根よりサビにくい加工をしたガルバリウム鋼板を採用する住宅も増えています。トタン屋根のサビの発生を防ぎたいなら、定期的にメンテナンスをおこなうことが大切です。

防音性生・断熱性が低い

トタン屋根は音を通しやすい素材で、防音性が低いといったデメリットがあります。激しい雨が降ったときは、屋根に当たる雨音がうるさく感じることがあるのです。ただし、トタン屋根に遮音性のある塗料を塗布すれば、雨音を軽減できます。

またトタン屋根は断熱性が低い素材なので、夏は室内の温度が上がりやすいです。室内の冷房が効きにくく、電気代が高くなることもあるでしょう。冬は暖房で室内を暖めても空気が屋根から抜けるため、空調の効果が落ちることがあります。

強風・台風に注意を

トタン屋根は薄くて軽量であるため、強風や台風が起こるとつなぎ目から剥がれることがあります。特に設置してから時間が経過しているトタン屋根の場合は、吹き飛んでしまう可能性もあるでしょう。

場合によっては、吹っ飛んだ屋根が原因で大きな事故に繋がることもあるかもしれません。日本は台風が多い国なので、屋根材の種類には十分に注意したいところです。

また、トタン屋根はほかの屋根材に比べて外見から劣化がわかりにくいため、定期的にメンテナンスをして強風や台風が来ても屋根が剥がれないようにすることが大切です。

豪雪エリアで広く使われている

豪雪地帯では、雪が積もったら屋根の雪下ろしをおこなう必要があります。雪を放置すると屋根から落ちた雪の下敷きになる事故が起こる可能性があるので、定期的な雪下ろしが必要なのです。

トタン屋根は雪下ろしのわずらわしさが省けるため、北海道や東北などの豪雪エリアで広く使われています。

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トタン屋根のメンテナンス方法

ほかの屋根材と比べると、トタン屋根は劣化の進み具合がわかりにくいので定期的なメンテナンスが欠かせません。塗装の剥がれやサビの発生が見られる場合は、修理をおこなう必要があります。ここでは、メンテナンス方法を確認していきましょう。

ケレン

ワイヤーブラシやサンドペーパーを使用して、サビや古い塗膜を除去するメンテナンス方法です。ケレンをおこなうことにより塗膜の目が荒くなり、塗布する塗料の密着力を高められます。

塗装が剥がれたりサビが発生したりした状態を放置すると、劣化が進んで雨漏りの原因になることも多いです。また、その状態で塗料を塗布しても表面に定着しづらくなるので、すぐに剥がれることもあります。

ケレンは仕上がりはもちろん塗料の寿命にも大きく影響するので、トタン屋根のメンテナンスで重要な工程になります。

高圧洗浄機で洗う

トタン屋根は常に外気にさらされており、汚れがつきやすいです。ホコリやカビなど汚れが付いたまま、その上から塗料を塗ると密着してくれません。

下塗り材や塗料の密着力を高めるために、高圧洗浄機でホコリやカビなどの汚れを洗い流します。トタン屋根は汚れが目立ちにくいので、意外に表面にホコリやカビが付着していることも多いです。

下地処理

トタン屋根は、釘打ちで固定されていることがほとんどです。屋根材を取り付けてから時間が経つと、釘が浮いている部分やひび割れが起きていることがあります。このまま塗装メンテナンスすると、隙間から雨水が浸透して雨漏りするかもしれません。

塗装する前に、釘を打ち直したりコーキングで穴埋めしたりする補修作業が必要になります。

下塗り

トタン屋根の表面がきれいになったら、次は下処理です。基本的にはサビの発生を防ぐために、サビ止め効果のある下塗り材を塗ります。下塗り材には、上塗りする塗料の密着力を高められる効果があるので塗布後に長持ちしてくれます。

ほかにも、防水性や防藻性、透湿性に優れた下塗り材も販売されているため、得たい効果に応じて選びましょう。

中塗り・上塗り

下塗り材を塗り終えたら、中塗りと上塗りの2回に分けて塗料を塗り重ねます。一般的にはハケとローラーで塗料を塗りますが、細かい部分はハケを使用するのがおすすめです。

屋根に塗布する塗料は種類によって耐久性が変わるので、どのような効果を得られるのか事前に確認しておきましょう。中塗りと上塗りしたら、しっかり乾燥させて完了です。

ただし、トタン屋根の表面に劣化で穴が開いている部分があるときは、部分的な屋根材の交換が必要になる場合があります。

トタン屋根の修理方法と費用相場

トタン屋根に劣化が見られる場合、すぐにメンテナンスをおこなう必要があります。ただ劣化状態や作業内容によって適切な修理方法が変わるので、それぞれの特徴をしっかり確認することが大切です。

内容費用相場
塗装約4,000円~4,800円(1㎡あたり)
葺き替え約11,000円〜14,000円(1㎡あたり)
カバー工法約9,400円〜12,000円(1㎡あたり)
部分修理約3万円(1箇所)

ここでは、トタン屋根の修理方法と費用相場を詳しく確認しましょう。

塗装

塗膜の剥がれや色褪せが目立つときは、塗料を新しく塗り替えて美観を回復させます。塗膜が剥がれると金属部分が外に出てサビやすくなるため、雨漏りの原因になるためです。目立つ塗膜の剥がれや色褪せが見られなくても、全体的にツヤがない場合は再塗装を検討するのがいいかもしれません。

塗装にかかる費用は、1㎡あたり約4,000円~4,800円が相場です。一般的な30坪の住宅は、総額で40万〜48万円程度になります。塗料にはウレタン系やシリコン系、フッ素系などさまざまな種類があり、本体価格もそれぞれ異なります。

葺き替え

既存屋根材と下地を剥がして新しいトタン屋根を取り付ける作業が、葺き替え工事です。葺き替え工事により屋根の外観を新しくできるだけでなく、耐震性を高めたり寿命を伸ばせたりするメリットがあります。

屋根材と下地の劣化が進んでいる場合は、葺き替え工事でリフォームがおすすめです。

ただし、葺き替え工事は既存屋根材の撤去や廃棄が必要になるので、ほかの工法と比べると費用が高くなることが多いです。また足場も設置しなければいけないので、足場代もかかります。

トタン屋根の葺き替え工事にかかる費用は、1㎡あたり11,000円〜14,000円程度です。一般的な30坪の住宅は、総額で110万〜140万円程度になります。

カバー工法

既存屋根材の上から新しい屋根材を重ねる工法が、カバー工法です。カバー工法を選ぶメリットは、既存屋根材を撤去する必要がないので施工費用を安く抑えられることが挙げられます。足場を設置する費用はかかりますが、費用を抑えて修理可能です。

また、葺き替えに比べると工期も短いので、近隣に迷惑をかける心配もありません。しかし、トタン屋根でカバー工法するときはいくつか注意が必要です。

たとえば、カバー工法は屋根が2重構造になるのでトタン屋根の耐久性能は大きく損なわれます。既存屋根の状態によってはカバー工法できないこともあるので、施工前の調査をおこなうことが必要です。

トタン屋根の葺き替え工事にかかる費用は、1㎡あたり9,400円〜12,000円程度です。一般的な30坪の住宅は、総額で94万〜120万円程度になります。

部分修理

破損や剥がれの劣化状態がひどくない場合は、部分的に補修する部分修理がおこなわれます。全面的な補修が必要ないため、比較的リフォーム費用を抑えられるのがメリットです。ただし、修理箇所が2階以上である場合は足場の設置が必要になります。

リフォーム費用を抑えるために足場を設置したくないと考える人もいますが、高所作業は落下するなどの危険が伴うので補修作業でも設置が必要です。トタン屋根の部分修理にかかる費用は、1箇所あたり3万円程度になります。足場代は、別途15万円程度かかるので注意してください。

屋根の修理・工事業者のプロを探す

トタン屋根は、材料費や施工費が安かったり軽量で耐震性に優れていたりなど多くのメリットがあります。

しかし、サビやすいといった特性があるので小まめにメンテナンスが必要です。また、屋根材にサビが見られる場合は劣化状態に応じて適切に修理しなければいけません。そのまま放置すると、雨漏りの原因にもなるので早めに対処しましょう。

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