壁紙を張り替える時期によっては、継ぎ目に隙間ができたり、剥がれやすくなったりすることがあります。年中いつでも業者に張り替えを依頼できますが、時期に注目してベストなタイミングを選ぶことが必要です。
この記事では、壁紙を張り替えるのにベストな時期や、壁紙の耐用年数についてまとめました。また、張替え費用の相場についても、持ち家・賃貸別に紹介するので、ぜひ参考にしてください。
壁紙・クロスの耐用年数
壁紙・クロスの耐用年数は5〜10年と言われています。ただし、紫外線による日焼けや喫煙状況、張り方、メンテナンスによっても壁紙の傷み具合は変わります。そのため、一概に耐用年数や張り替え時が決まっているわけではありません。
なお、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」では、賃貸物件の壁紙は6年で残存価値が1円となるように貸借人との負担割合を算定すると規定されています。そのため、賃貸物件では壁紙の耐用年数は6年と考えられるでしょう。しかし、6年に1回は張り替える必要があるという意味ではなく、耐用年数を過ぎてもまだ使えそうであれば使用しても問題ありません。
参考:国土交通省住宅局|原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)
壁紙の張り替えにかかる費用の相場
壁紙はいつまでも使えるものではありません。環境や張り方、メンテナンスによっても変わりますが、掃除をしても汚れや臭いが落ちにくくなったり、浮き・剥がれなどが生じたりするときには張り替えが必要です。
壁紙張り替えの費用相場を、持ち家・賃貸物件に分けて紹介します。また、業者に頼む場合とDIYで対応する場合にも分けて解説するので、ぜひ参考にしてください。
持ち家での張り替え
持ち家の場合、クロス張り替え費用はすべて自己負担となります。DIYと業者に依頼した場合の費用相場は以下をご覧ください。
広さ | DIY | 業者 |
4.5畳(約8平米) | 12,000~18,000円 | 30,000~56,000円 |
6畳(約10平米) | 15,000~22,000円 | 40,000~65,000円 |
8畳(約13平米) | 20,000~29,000円 | 45,000~75,000円 |
12畳(約20平米) | 30,000~44,000円 | 57,000~90,000円 |
20畳(約27平米) | 41,000~59,000円 | 75,000~120,000円 |
DIYで行う場合
DIYで壁紙を張り替える場合、クロス代と道具代しかかかりません。ローラーやカッターなどの道具は何度も使用できるため、2回目以降はクロス代だけで張り替えられ、さらに金額を抑えられます。
裏に接着剤がついたシールタイプなら、壁紙の張り替えが初めての方でも挑戦しやすいでしょう。ただし、張るときにシワになったり歪んだりすることもあるため、まずは部屋全体ではなく、トイレや洗面所などの水回りの面積の狭い部分のみ挑戦してみてはいかがでしょうか。既存の壁紙剥がしやパテ塗り、下地処理も含めて凹凸なくキレイにできるか不安なときは、クローゼットの内側や納戸などの人目につきにくい場所で試してみてください。
また、初心者には無地のクロスがおすすめです。柄のあるクロスは、まっすぐに張るだけでなく柄を合わせる必要があるため難易度が高くなります。
業者に頼む場合
業者に頼む場合は施工費はかかりますが、その分、失敗がなく、理想に近い美しい仕上がりを期待できます。ただし、業者によってクオリティに差があるため、ホームページや写真などで過去の実績を確認しておくほうが良いでしょう。
また、同じクロスを使う場合でも、業者によって施工費や出張費などが変わるため、費用も大きく変わります。安ければ良いというわけではありませんが、クオリティや品揃え(織物などのおしゃれなもの、珪藻土壁紙、防火性能・防水性能などの機能性壁紙)も考慮し、妥当な料金の業者を選ぶようにしてください。
また、以下の関連記事では壁紙・クロスの素材別費用や施工事例について解説しています。実際にかかった費用についても紹介していますので、気になる方は是非ご覧ください。
関連記事:壁紙・クロス張り替えリフォームの費用相場
賃貸での張り替え
賃貸物件では、原則として借主が壁紙の張り替えを実施する必要はありません。退去時には「元の状態に戻して返す義務(原状回復義務)」がありますが、基本的には貸主が張り替えの手配をするため、借主側には費用負担以外の負担はかからないことが一般的です。
退去時以外に壁紙を張り替える場合は、必ず貸主に相談しましょう。借りたときから汚れている場合などは、貸主の負担で壁紙の張り替えができるかもしれません。また、退去時であっても、勝手に壁紙を張り替えることは避けてください。少し手を加える場合であっても、持ち主である貸主に相談することが大切です。
借主が負担しなければならないケース
以下のケースでは、退去時の壁紙張り替え費用を借主が負担することになります。
- 室内でタバコを吸い、壁紙にヤニの色味や臭いがついた
- 落書きをした
- 調理により油汚れが付着した
- 結露を放置したことにより、壁紙にカビやシミがついた
- ペットや入居者がキズや汚れをつけた
日常生活によりついた汚れについてはある程度は仕方がないと考えられますが、掃除を怠ったことで落ちなくなった汚れや、タバコや故意につけた傷・汚れについては借主負担となることが一般的です。また、傷や汚れがクロス表面だけでなく石膏ボードまでおよんでいるときは、石膏ボードの張り替え費用も請求されることがあります。
貸主が負担してくれるケース
以下のケースでは、壁紙の張り替え費用を貸主が負担することが一般的です。
- 経年劣化や自然現象による汚れや損傷
- 通常の使い方で発生した汚れや損傷
- 画鋲の跡
- エアコン設置による穴
6年で壁紙の残存価値はなくなるため、6年以上居住していた場合は借主側に汚れや傷の責任があっても、壁紙の張り替え費用は請求されないと考えられます。しかし、賃貸契約書に壁紙の張り替え費用についての規定がある場合は、契約書に基づいて請求されるため注意しましょう。
壁紙を張り替えるのにベストな季節
壁紙を張り替える時期によっては、クロスとクロスの継ぎ目に隙間が生じたり、クロスの接着が悪くなってしまったりすることがあります。また、糊の水分が乾かず、カビが発生する原因になることもあるかもしれません。
すぐに張り替える必要がない場合は、ベストな時期を選んでみてはいかがでしょうか。業者に頼む場合とDIYに分けて、最適な時期を紹介します。
業者に頼む場合は年中いつでも可能
業者に壁紙の張り替えを依頼する場合は、時期を問わずいつでも問題ありません。熟練した業者なら季節ごとのリスクを十分に理解しているため、どのタイミングで頼んでも美しい仕上がりを期待できます。
ただし、引っ越しが多くなる時期は、壁紙の張り替えを業者に依頼する人も増えると考えられます。すぐに施工してもらえない可能性もあるため、時間に余裕を持って依頼するようにしてください。
DIYの場合は季節を選ぼう
DIYで壁紙を張り替える場合は、梅雨の時期を避けることをおすすめします。湿気が多いため、糊や下地が乾きにくく、完成するまでに時間がかかってしまいます。また、糊に含まれた水分がいつまでも壁紙に留まり、カビの原因になってしまうかもしれません。
梅雨以外の夏も、壁紙の張り替えには向かない時期とされています。高温で糊が瞬間的に乾くため、クロスとクロスの継ぎ目に隙間が生じたり、クロスを張り付ける前に糊が乾いて接着しにくくなったりすることもあるからです。エアコンがあるなら、ドライや冷房を使い、湿度・温度共に部屋を快適な状態にして作業をしてください。
冬場もあまりおすすめできません。糊が早く乾燥して接着しにくくなったり、乾燥で壁紙がごわついて歪んでしまったりすることもあります。また、あまりにも部屋が寒いと、作業効率が低下してしまうのも問題です。快適に作業をするためにも、ヒーターやエアコンで適度に温度を上げておきましょう。
今すぐ壁紙を張り替える必要がないのであれば、春か秋をおすすめします。美しく仕上げるためにも、湿度・温度も考慮して張り替え時期を選びましょう。
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