お風呂(浴室)の蛇口からの水漏れは修理が必要です。特に水回りは経年劣化が進みやすいので、ある程度の期間で修理や交換をしなくてはなりません。この記事では、お風呂の蛇口を交換するタイミングや蛇口の種類と費用相場、交換に必要な道具・手順について解説します。
お風呂の蛇口を交換するタイミング
主にお風呂の蛇口の交換対応が必要になるタイミングは、以下のようなトラブル発生時や水栓の長期間使用時などが考えられます。
- 蛇口を閉めてもシャワーヘッドや吐水口から水が出るとき
- カランとシャワーの切り替えができないとき
- サーモスタット混合水栓を長期間使用しているとき
1つめが、蛇口を閉めても水が出るときです。ハンドルを回して水を吐水するツーバルブタイプの水栓では、ケレップと呼ばれる部品が内蔵されています。ケレップの先端のゴムがすり減ると、水漏れの原因となるため蛇口の交換が必要です。
2つめが、カランとシャワーの切り替えができないときです。お風呂に付いている蛇口では、切り替えハンドル/バルブでカランとシャワーを切り替えられます。この切り替えバルブが劣化してしまうと、カラン・シャワーそれぞれから水漏れする可能性があります。
3つめが、サーモスタット混合水栓を長期間使用しているときです。サーモスタット混合水栓とは、水圧や給湯温度に変化があった場合でも吐水温度を一定に保てる、自動温度調節機能が付いた水栓のことを指します。
サーモスタット混合水栓は10~20年程が寿命とされており、10年以上使用している場合や水栓を閉めても水が止まらない場合、温度の調節が安定しない場合などは交換が必要です。
お風呂の蛇口(水栓)の種類と費用相場
ここでは、お風呂の蛇口(水栓)の種類と商品を購入する際の費用相場について解説します。主な蛇口(水栓)の種類は以下の3つです。
- ツーハンドル混合水栓
- コンビネーション水栓
- サーモスタット付き混合水栓
ツーハンドル混合水栓
ツーハンドル混合水栓とは、吐水口が1つ、ハンドルが2つ付いているタイプの蛇口のことです。ハンドルがそれぞれ独立しており、ハンドルをひねると水とお湯がそれぞれ出ます。
2つのハンドルを調節することで、温度と湯量の調整が可能です。蛇口自体は長持ちするタイプですが、ハンドル下などからの水漏れが起こりやすいほか、ハンドルによる温度調節が面倒といったデメリットがあります。
ツーハンドル混合水栓には、壁付きと台付きと2種類の取り付けタイプがあり、それぞれの費用相場は以下のとおりです。
- 壁付きタイプ:4,000~20,000円
- 台付きタイプ:10,000~66,000円
コンビネーション水栓
コンビネーション水栓とは、ハンドルと蛇口が離れて設置されており、水栓本体が浴槽の中に埋め込まれたタイプの蛇口のことです。コンビネーション水栓の購入費用相場は、壁付き/台付きともに30,000〜50,000円とされます。
ただし、コンビネーション水栓は浴槽に取り付けられているため、蛇口を交換するためには浴槽や壁に穴を開ける作業が必要です。自分で修理することが難しい蛇口といえるため、交換する場合は業者に相談することをおすすめします。
サーモスタット付き混合水栓
サーモスタット付き混合水栓とは、温度調節機能が付いたタイプです。レバーを上げ下げすることで、お湯が出るシャワーと蛇口を切り替えられるのが特徴といえます。
サーモスタット付き混合水栓にも、壁付けと台付けの2タイプがあります。費用相場は、ともに10,000~50,000円です。
お風呂の蛇口交換をDIYする
お風呂の蛇口交換は、DIY初心者でも可能ではありますが、専用の工具や道具が必要になるため、必要に応じてホームセンターなどで購入しましょう。
蛇口交換に必要な工具
工具 | 使い方 |
---|---|
モンキーレンチ | 給水管を取り付けたり、ナットを回したりする際に使用 |
プラスドライバー | 台付きタイプを設置する際に使用する |
マイナスドライバー | 止水栓の開閉にマイナスドライバーが必要な場合に使用 |
インパクトドライバー | 壁の穴開けの際に使用 |
シールテープ | 水漏れ防止のために使用 |
歯ブラシ | 接続部分を清掃する際に使用 |
懐中電灯 | 台付き水栓の点検口内部が暗いため、あると便利 |
バケツ、雑巾、タオル | 作業時に周囲が水浸しにならないように使用 |
お風呂の蛇口交換の手順
ここでは、実際にお風呂の蛇口交換をする手順について解説します。解説する蛇口の種類は、以下の2つです。
- 壁付き水栓の場合
- 台付き水栓の場合
壁付き水栓の場合
壁付き水栓の場合の交換手順は、以下のとおりです。
- 水道の元栓を閉める
- 古い蛇口を取り外す
- 古い取り付け脚を取り外す
- 新しい取り付け脚を取り付ける
- 新しい蛇口を固定する
- シャワーホース、スパウトを取り付ける
- 水道の元栓を開ける
まずは、家の水道の元栓を閉めましょう。水道の元栓は、時計回りに回すと元栓を締められます。家の水道の元栓とは別に、個別で浴室や蛇口などに止水栓が付いていることもあるため、その場合は浴室や蛇口の止水栓を閉めても問題ありません。
元栓を閉めたあとは、古い蛇口の本体を取り外し、続いて古い取り付け脚も取り外します。古い取り付け脚は、反時計回りに回せば取り外し可能です。
取り付け脚が外れたら、用意した歯ブラシや布で給水管に残っているシールテープ、汚れを掃除しましょう。シールテープが残っていると水漏れの原因になるため、きれいに取り外してください。
シールテープを外したら、新しい取り付け脚を取り付けます。古い取り付け脚同様、新しい取り付け脚にシールテープを時計回りに7〜10回程度巻きつけてください。巻きつけたあとは、取り付け脚を差し込んで時計回りに手で回しましょう。
このとき、時計回りではなく反時計回りに回してしまうと、水漏れの原因になるため注意が必要です。
続いて、取り付けた脚に、新しい蛇口本体を取り付けて固定します。左、右の順番に取り付け、蛇口本体が水平になるよう調整してください。
新しい蛇口に付属しているスパウトやシャワーホース、シャワーヘッドを取り付け、水道の元栓を開けたら、交換作業は完了です。
台付き水栓の場合
台付き水栓の場合の交換手順は、以下のとおりです。
- 水道の元栓を閉める
- 点検口を開ける
- 古い蛇口を取り外す
- 新しい蛇口の台を設置する
- 新しい蛇口を取り付ける
- シャワーホースやスパウトを取り付ける
- 点検口を閉める
- 水道の元栓を開ける
壁付きタイプと同様に、家の水道の元栓を閉めましょう。元栓の位置や外し方は、壁付き水栓の場合と同じです。
続いて、点検口を開けます。台付き水栓が設置されている浴室には点検口が配置されていることが一般的です。固定具をドライバーで外すだけで、簡単に開けられます。
次は、古い蛇口を取り外しましょう。点検口内部では、台付き水栓から伸びるホースや給水管がつながっているため、ホースと給水管を取り外してください。それらを外したら、台付き水栓本体を取り外せます。
古い蛇口を取り外したあとは、古い水栓が付いていた場所に新しい蛇口の台部分を置きます。裏側から、ナットを締めて固定しましょう。台部分が固定できたら、蛇口を載せてナットを締めます。
蛇口を取り付け後、スパウトやシャワーホース、シャワーヘッドなどの付属品を取り付け、ドライバーを使って点検口を閉めてください。各パーツが取り付け終わったら、元栓や止水栓を開けて水を出しましょう。接合部分から水漏れがなければ、完了です。
お風呂の蛇口交換をDIYするメリット
蛇口交換は、DIYに自信がある人であれば対応可能です。必要な工具を用意して、交換手順どおりに作業を行えば問題なく交換できます。
DIYのメリットは、費用を低く抑えられる点です。水道業者へ依頼すると、工賃や諸費用などさまざまな料金が発生しますが、DIYであれば部品代だけで済む可能性もあります。
一方、デメリットとしては、以下の3点が挙げられるでしょう。
- 知識が必要
- 失敗する恐れがある
- 部品の取り寄せに時間がかかる可能性がある
DIYで交換する場合は、最低限の知識が必要です。時間をかけて交換したものの、万が一失敗した場合、結局業者へ依頼することも考えられます。
また、DIYで行う蛇口交換には失敗のリスクがあることを覚えておきましょう。
難易度は、蛇口の種類や設置場所、劣化具合によって変わります。
たとえば、DIYで蛇口交換を行っている際に、誤って配水管を破損させてしまった場合は業者を呼ぶことになり、節約のためにDIYをした意味がなくなってしまいます。
また、珍しい種類やメーカーの蛇口に交換する際も、部品の取り寄せに時間がかかる可能性も考えられるでしょう。
DIYで対応する場合は、メリットだけでなく、どのようなデメリットがあるのかという注意点を確認しておくことが重要です。
自分で蛇口交換ができるかわからない場合は、事前に業者に相談することをおすすめします。費用はかかるものの、プロの業者であれば失敗する恐れもないため、安心して任せられるでしょう。
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