字が見やすく綺麗に書けていると、「マナーがある」「かっこいい」と好印象を与えられるでしょう。反対に、手書きの字が汚いと、読む側に「乱雑でだらしない」という印象を与える可能性が。 最近では パソコンやスマートフォンが主流になったとはいえ、年賀状や暑中見舞いをはじめとする挨拶状、会社での伝言メモなど、手書きで文字を書く機会は度々あります。そこで今回の記事では、文字を綺麗に書くためのコツについて紹介していきます。
目次
- 綺麗で達筆な文字を書くためのコツ
- ひらがなをうまく書くコツ
- 漢字をうまく書くコツ
- 正しい姿勢で文字を書く
- 筆記用具を正しく持つ
- まとめ:文字が綺麗に達筆に書けるコツをおさらい
- ボールペンでの美文字レッスンを受けてみる
綺麗で達筆な文字を書くためのコツ
きれいで達筆な文字を書くためにはコツがあります。
練習すれば、短期間で達筆に見える文字が書けるようになるので、コツを見ていきましょう!
1.達筆に見えるコツは文字の形が整っているコト
一画一画文字を意識して書こう
文字を書くときは、一画一画を丁寧に意識しながら書くようにしましょう。 書きはじめからじっくりと書き、とめ・はね・はらいを意識。書き終わりも弱々しく細らせるのではなく、最後まで力を入れて書くことで、きちっと整った文字になります。 とはいえ、単に遅く書けばいいというわけではありません。適度なスピード感を持たせながらも、一筆を集中して書くことがポイントです。
文字がきれいに見える「打ち込み」を作ろう
打ち込みとは、毛筆で文字を書くときの筆の入れ方をペン字に応用しようという小技。字の書き始めに斜め45°の打ち込みを入れることで、書き始めの部分が強調され、文字に品格が生まれます。 主に「縦線」や「左はらい」の書き始めなどで打ち込みを作ると、文字が美しく見えるでしょう。「下」の2画目のように、線が重なる部分だと打ち込みを作る必要はありません。
文字の横線は右斜め上に向けて書く
文字における横線は、基本的に右斜め上の方向で書くようにしましょう。右肩上がりに線を書くことで、大人っぽい洗練された印象の文字になります。 ただし、あまりに角度をつけすぎると、主張が激しいというイメージに。およそ「3°〜5°」の範囲で角度をつけるようにしましょう。 また、「二」「三」「主」などのように、横線が複数ある場合、一番下の線はややカーブさせることで、整った印象となります。
文字の線と線の隙間は揃える
線と線の隙間が揃っていると、見た目がすっきりとした端正な文字という印象になります。 もし隙間の間隔がまばらになっていると、見た目が不安定で、見ていてあまり良い印象は受けません。 そのため、線や点などの間隔は常に均等になるように意識しましょう。 また、隙間を揃えるために、「たて」「よこ」「はらい」といった角度を揃えることもポイントです。
文章の形を整える
文字の次は、文章の形を整えるコツです。文字の形を意識しながら、美しい文章を書くためのポイントもしっかり押さえていきましょう。
漢字は大きく、ひらがなは小さく
基本的に、画数が多い漢字は大きく、ひらがなは小さく書くようにしましょう。このように大きさを変えることで、漢字で書かれた単語が目立つという効果があります。単語が目に入りやすいため、読み手にとって読みやすい文章が書けるでしょう。なお、漢字の中でも「日」「口」のように、画数が少ないものは少し小さめに書くとバランスがとれます。 特に単語と単語の間にあるひらがなは1/2程度まで小さくすると、それぞれの単語が際立ちバランスの取れた文字になるでしょう。前後の単語がひらがなである場合でも、2/3程度に小さくすると、良いバランスになります。
文字同士の隙間は均等かつ空けすぎない
文字の形を整えるときと同じく、文字同士の隙間(字間)は統一するようにしましょう。また、字間を空けすぎないというのもポイント。 文字のひとつひとつを丁寧に書こうとするあまり、文字が大きくなってしまい、字間が広がってしまうことが起こり得ます。しかし、字間が広いと読み手にとっては読みにくい文章に。 そのため、字間を均等にするだけでなく、文字が当たらない程度に狭めることも重要となります。字間が適度に狭いことで、読み手はスムーズに文章を読むことができるでしょう。
行の中心を揃える
行の中心を揃えることで、文章全体にまとまりが生まれ読みやすくなります。 中心を揃えるためのポイントは、常に全体に目を向けながら文章を書くこと。一番上に書いた文字の幅に残りも合わせることで、バランスを保った文章が書けるでしょう。 なお、横書きも同様です。 横書きの場合、①「罫線の中心に文字を置く」②「下の罫線に合わせる」という2種類の揃え方があります。いずれかの方法で、文章全体を揃えるようにしましょう。
横書きでは、横線の角度を揃える
横書きでは、線の角度に注意が必要。右上がりの横線を書くときは、その角度を揃えるようにしましょう。 罫線がある紙に字を書く場合、罫線に影響されて横線が平らになってしまうことも。右上がりということを意識しつつ、角度を揃えることも忘れてはいけません。
ひらがなをうまく書くコツ
流れを意識する
ひらがなを美しく書くためには、文字の流れを意識するのがポイント。 元々ひらがなは漢字であり、ひらがなの曲線部分や丸みのある部分は由来となった漢字(字母)のはね・はらいが簡略化されたものとなっています。そのため、字母を考えると、ひらがなにおける文字の流れがわかるでしょう。 例として挙げられるのは、「あ」という字。「あ」の字母は「安」です。そのため、「あ」の二画目はまっすぐな線ではなく、「安」にあるようにくの字を意識するのがポイント。程よい曲線を書くことで、整った印象になるでしょう。
下部にポイントがある字はポイントを強調
中心よりも下部分にある「丸める」「はらう」といったポイントは、やや大げさに書くようにすると良いでしょう。 例えば、「ま」「よ」のように丸めるもの、「う」「り」のように最後は長めにはらうもの、「し」のように上へ捻りあげるものなど。これらのポイントを強調することで、動きがある字になります。
「へ」「つ」は横に広く伸ばす
「へ」「つ」の文字は、横にしっかり伸ばすよう心がけましょう。これらのひらがなをこじんまりと書くと、文字が乏しい印象に。 横に広く伸ばすことで、堂々とした文字になります。
漢字をうまく書くコツ
漢字の「口」は逆台形
「品」「高」「国」など、漢字において「口」の要素はたくさん出てくるでしょう。この「口」を逆台形の形で書くことで、バランスがとれた字を書くことができます。完全な正方形や長方形で書いてしまうと、少しアンバランスな印象。具体的に、「口」の下部分の角2つの角度を約70°と意識すると、美しい逆台形で書けるでしょう。
「へん」「つくり」の縦幅を揃える
漢字特有の「へん」と「つくり」。この2つにおけるバランスをとることで、文字が整います。 漢字がうまく書けない原因のひとつは、「へん」「つくり」の縦幅がずれてしまっていることです。どちらか片方のみが広く、片方が狭いという状態だと、美しい字と言えません。 例外の漢字もあるものの、基本的には「へん」「つくり」の縦幅を揃えることで、安定感がある整った字になるでしょう。
つけるべき線はつける
漢字の中で、つけるべき線と線はしっかりつけるようにしましょう。 雑に書かれた漢字の特徴として、つけるべき線がついていないという点が挙げられます。こうした漢字は間抜けでしまりがない印象に。 つけるべき線はしっかりつけて、丁寧な文字を書きましょう。
文字を書くときの姿勢
文字を綺麗に書くには、正しい姿勢をとることで、頭に酸素が巡りやすく、集中力が高まります。 具体的に、以下のポイントを意識すると良いでしょう。
・椅子の2/3に浅く腰掛ける
・あごを引いて背筋を伸ばす
・紙は利き手側の目線から約30cmの場所に置く
・両脇を軽くあける
・非利き手は紙の端を軽く押さえて、両手で三角形を作るように構える
正しい姿勢をとることで、自然と心のこもった文字が書けるものです。読み手のことを考えて、丁寧に字を書くようにしましょう。
筆記用具を正しく持つ
筆記用具を正しく持つことで、文字を綺麗に書けるだけでなく、手が疲れにくくなるというメリットがあります。 誤った持ち方をしていると、余計な力がかかって手や肩の負担が大きくなったり、文字に癖が出やすかったりというデメリットが。特に長文を書く上で、手の疲れはできるだけ減らしたいところです。筆記効率を上げるためにも、正しい持ち方をマスターしましょう。 今回は、日常生活で使うことの多い「ボールペン」「シャープペンシル」「鉛筆」の正しい持ち方について紹介していきます。
ボールペンの持ち方
まずは、重要文書を書くときに必ず使用するボールペンの持ち方から。 親指と人差し指でつまみ、中指は補助的に支える 親指と人差し指、中指でしっかり持つことがポイント。 まず、ペンの先から指2本ほど上の部分を、親指と人差し指でつまみます。その次に、中指の第一関節あたりでボールペンを支えるようにしましょう。 「親指・人差し指→中指」という順番で持つことで、親指と中指で支え、人差し指で線を引くという形ができあがります。 角度は「60°〜90°」 ペンの角度は「60°〜90°」を意識します。あまり寝かせてしまうとインクがかすれてしまうため、注意しましょう。
シャープペンシルの持ち方
続いて、シャープペンシルの正しい持ち方です。 親指と人差し指で持ち、中指で支える シャープペンシルもボールペンと同様、基本的に親指・人差し指・中指で持ちます。 先端から3cmくらいの部分を親指と人差し指でつまみ、中指は添える形で置きましょう。 このとき、3cmよりも高め・低めの位置で持ってしまうとペン先をうまく扱うことができません。そのため、自在に文字が書きやすい3cmの位置で持つことがベストです。 角度は「50°〜60°」 シャープペンシルは、「50°〜60°」の角度で持つようにしましょう。これより立てすぎたり寝かせすぎたりした場合は、字が書きにくくなってしまいます。
鉛筆の持ち方
最後に、鉛筆の正しい持ち方について説明します。 親指、人差し指、中指の3本で軽く持つ ボールペン・シャープペンシルと同じく、鉛筆も親指・人差し指・中指で持ちます。なお、六角鉛筆の場合は、6つある面の1つおきに指を置くようにしましょう。 親指は人差し指よりもやや後方に置き、中指を人差し指よりも前に出すような形で持つようにします。鉛筆を持つ手のひらは、やさしく卵を握っているような空間を作ると良いでしょう。 角度は「50°〜60°」 鉛筆を持つときの角度は、「50°〜60°」を意識しましょう。また、前から見たとき、外側へ20°ほど傾ける形がポイントです。
筆記用具を持つときの力加減
筆記用具を持つときは、ずり落ちない程度に優しく持つことが基本。強い力で持つと文字に力が入りすぎてしまうため、上からペンを抜いたときにすっと抜ける程度で良いでしょう。 力加減を調整するコツは、親指・人差し指・中指で三角形の隙間を作ること。指先側から見たときに、3つの指が三角形になっているような形を意識すると、力加減が調整しやすくなります。筆圧が強いという方は、人差し指の力を少し抜いてみると良いでしょう。 また、筆記用具を直接は支えない薬指・小指もポイント。薬指と小指を軽く曲げることで、全体の安定感が増します。
まとめ:文字が綺麗に達筆に書けるコツをおさらい
綺麗な文字を書くには、
- 正しい姿勢で文字を書く:背筋を伸ばして脳に酸素を行き届かせる
- 筆記用具を正しく持つ:親指・人差し指・中指の3つが基本
- 文字の形を整える:線の角度や隙間は統一する
- 文章の形を整える:漢字は大きく、ひらがなは小さく、字の間隔を狭める
という4つのコツを押さえることが重要です。
また、ひらがなと漢字のそれぞれにおける書き方のコツも知っておくと、より達筆な字に近づけるでしょう。 美しい字は一生の財産となるため、この機会に字が綺麗に書けるよう練習してみてはいかがでしょうか。
ボールペンでの美文字レッスンを受けてみませんか
独学だと、なかなか字が上達しにくいと感じる方がいるかもしれません。また、プロのような美文字を目指したいという方もいるでしょう。 そのような方は、ボールペンでの美文字レッスンを受けてみることがおすすめ。 レッスンであれば、自分の字を見てもらった上で、プロ目線での評価やアドバイスをもらうことができます。わからない部分も講師にすぐ聞けるため、効率良く字を上達させられるでしょう。 誰から見ても褒められるような字を書けるようになりたい方は、一度プロのレッスンを受けてみてはいかがでしょうか。
ゼヒトモでは、あなたの条件にピッタリの美文字のプロとAIでマッチングできます。(下のボタンをタップしたら、あなたにピッタリの美文字のプロを見ることができます。)
筆ペン・ペン習字・ボールペン字レッスン関連の最新記事
習い事といえば小学生〜中学生くらいの子どもが通うイメージがある方が多いと思いますが、実際には習い事は大人の方々にも人気で、大人向けにも様々な習い事があります。 大人になってから習い事をすると、新鮮な驚きがあったり、新しい […]
取材協力・記事監修いただいた専門家 有川翠雲さん 大阪府箕面市・阪急箕面駅前で「翠雲書道教室」を主宰。子どもから大人まで幅広い年齢層の指導にあたっています。書くことを楽しみながら、美しい文字が書ける、アットホームな雰囲気が人気です。 目次 ■ レッスンを受ける前にやること【準備〜予約】 ■ ペ