この記事では、ピアノを始めたばかりの人に向けて、上達するためのポイントをまとめています。
6つのステップで理解する楽譜の読み方
ピアノを始めて最初にぶつかる壁は、楽譜の読み方ではないでしょうか。今まで楽譜なんて触ったこともないという人にとって、楽譜は難しい暗号のように見えてしまうかもしれません。
しかし、暗号には必ず解読方法があるように、ピアノの楽譜にはルールがあります。そのルールを知っていれば、誰でも楽譜を読むことができるようになります。
1. “ド” を理解する
下の音符は何の音でしょうか。
これは”ド”です。ドイツ名ではツェーですね。”土星”みたいな形をしています。おそらくほとんどの方が知っていると思います。
よく見かける”ド”の位置をもう一度おさらいしましょう。
上の音符は、ト音記号の”ド”です。右にいくにつれて、音程は高くなります。
上の音符は、ヘ音記号の”ド”です。右に行くにつれて、音程は高くなります。
2. “ド” 以外の音を理解する
上の表を見て下さい。左から順番に、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ドと並んでいます。ファの音は、一番下の線の上にある隙間。ソの音は、そのファの上にある二本目の線。このように、線とその隙間に、音符が並べられます。
上の表では、音符が順番通りに並んでいますが、実際の楽譜は様々ですよね。”ド”の音から数えて何番目にあるからあの音だ、と毎回確認していては楽譜を読むだけで疲れてしまいます。そうならないために、音ごとに音符の位置を覚えましょう。覚えるときは、線と隙間ごとに分けると楽です。
例えば、ト音記号の場合、5本の線は下から”ミ、ソ、シ、レ、ファ”。4つの隙間は下から”ファ、ラ、ド、ミ”。少しずつ数を増やしていって、音符を覚えましょう。音符カードと呼ばれる暗記道具を使うのもおすすめです。
3. ト音記号とヘ音記号を理解する
この中で、同じ音程の”ド”はどれでしょうか?正解は、上の表で一番左にある音符と下の表で一番右にある音符です。これらの音符が、同じ音程の”ド”になります。
五線上にある位置が異なるのに、なぜ同じ音なのか。それは、五線の一番左側にある”カーテンの模様”みたいな形の記号の効果によるものです。この”カーテンの模様”をした記号を、音部記号と呼びます。音部記号の中には、ト音記号、ヘ音記号と呼ばれるものがあります。
ト音記号で書かれた曲をヘ音記号であらわすと、五線の上にさらに線を追加して、上へ上へと音符を書かなければならなくなります。逆に、ヘ音記号で書かれた曲をト音記号であらわすと、五線の下にさらに線を追加して、下へ下へと音符を書かなければならなくなります。
これでは、書くのも大変だし、読むのも一苦労です。そのため、高音部の曲はト音記号を使い、低音部の曲はヘ音記号を使います。つまり、音部記号とは曲の音域によって異なり、楽譜を見やすくするものです。ト音記号やヘ音記号以外でも、ハ音記号という音部記号もあります。
4. リズムを理解する
拍子には、強点が存在します。基本的に、強点では強く鍵盤を押さなければなりません。強弱が付くことによって、曲にリズムが生まれます。
4拍子
タン、タン、タン、タンと4つの拍子ごとに周期があります。2拍子を二つ重ねたもので、強、弱、弱、弱や強、弱、中強、弱というリズムになります。
3拍子
タン、タン、タンと3つの拍子ごとに周期があります。第1拍目が強くなり、強、弱、弱というリズムになります。ワルツでは、この3拍子が多くなります。
2拍子
タン、タンと2つの拍子ごとに周期があります。第一拍目が強くなり、強、弱のリズムになります。小学校の運動会を思い出してください。「イッチ・二、イッチ・二」と掛け声に合わせて行進しませんでしたか。その「イッチ・二、イッチ・二」が2拍子のリズムになります。
5. 小節を理解する
小節は、一つの区分で、おおまかな最小単位です。この小節が集まって、一つの曲が成立します。60兆個の細胞が集まって人間が作られますが、この細胞が曲でいうと小節になります。小節は、拍子によって決められた長さをもち、その中に音符や休符が収まります。
練習するときは苦手な小節にマークして、自分の弱点を把握しましょう。
6. その他の記号を理解する
単純音符
付点の付かない音符を単純音符と言います。
付点音符
付点が付いた音符を付点音符と言います。付点がつくと、その音符の長さは×1.5となります。
休符
休符には音がありません。そのため、楽譜に休符が現れたら、その休符が持つ長さの分だけ休みます。音符と休符は対応しているので、一緒に覚えると楽でしょう。
初心者がピアノを弾くための4つのポイント
曲を弾く前に大事なことは、音部記号(ト音記号など)、拍子、♯や♭の数を確認することです。それから、楽譜を全体的にみてください。
1. メトロノームを使ってリズムを把握
旧式のものだと、ねじを巻いて針が動かすタイプのメトロノームもありますが、最近は電子メトロノームが楽器屋に行けば数千円ほどで簡単に手に入ります。
最近の電子ピアノには、メトロノーム機能がついているものもあります。リズムがうまく取れない人は、メトロノームに合わせてピアノを練習してみてください。
2. 左手から練習する
多くの曲は、メロディーは右手、伴奏は左手と決まっています。そのため、メロディーを練習するほうが楽しいから、右手ばかりうまくなって、左手の動きが悪いなんてことも。難しい曲になれば、両方の手をよく動かさなければなりません。ですので、右手同様、左手も十分に練習しましょう。
練習のために、右手と左手を逆転するのもいいかもしれません。最初の曲であれば、左手は単調になりがちなので、左手でメロディーを弾くといい練習になります。
3. 知っていて簡単な曲で練習する
楽譜の読み方を習得したら、いろいろな曲に挑戦したくなってしまいますよね。でも、まずはト音記号の楽譜で、♯や♭が少ないものから始めてみてください。
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4. 動画やDVDを使う
最近は、プロの演奏もYouTubeにアップロードされています。プロはもちろん指の動きが速いです。それでも、「手首が上下してないな」、「指が高い位置まであがるな」、「姿勢がよくて、無駄な力が入っていないな」など、自分なりに分析してみてください。
終わりに
ピアノは普段使わない手の動きを要求します。リズムが取れなくて両手が合わない、指ががちがちで動かない、小指が無意識に立つ…始めたばかりでは、うまく手を動かせず、練習を苦痛に感じることもあると思います。
しかし、根気よく練習を続ければどんな曲でも弾けるようになるので、「難しいから、私には向いていないかも」と落ち込まずにぜひ弾きたい曲を目指して、頑張ってください。
自分専用のピアノレッスンを始める
1.近所のピアノ教室を探す
自宅やオフィスなど、自分の普段の行動範囲内にピアノ教室やピアノレッスンができる場所があるかもしれません!初心者でも大丈夫か、体験レッスンはあるか、曲や年齢・レッスン時間の制限があるか問い合わせてみましょう。
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