ヨガやピラティスのクラスに月に1回以上通っている方は約590万人、年に1回以上利用している方は約770万人と言われています(2017年ヨガジャーナル日本版調べ)。
割合としては女性が約7割を占めており、ヨガやピラティスに熱心な方の中には女性がやはり多いようです。今回ご紹介するピラティスインストラクターの高倉さんも、フィットネスの指導も合わせると18年以上経験をお持ちの女性のピラティスインストラクターです。
高倉さんは1999年より日本でフィットネスの指導を開始しました。2006年にオーストラリアに移住した後、ニューサウスウェールズ州のバーマギュイという街で2009年よりフィットネス指導を開始。その後、2014年よりピラティスの指導を開始し、現在に至ります。
ここでは、Zehitomoに2017年6月よりピラティスインストラクターとしてご登録頂いている高倉 久美子さんについてご紹介していきます。
Q.ピラティスインストラクターになったきっかけ
エアロビクスにて30分でバテた経験から夢中に
フィットネス業界でのキャリアとして、はじめはエアロビクスを指導していました。短大に入学してすぐにダイエット目的でジムに入会、そこでエアロビクスを初めて体験しました。60分のレッスンだったのですが30分でバテてしまい、すごい衝撃を受けたのと同時に一気に虜になり、数年後にはなんとなく「インストラクターになりたいな」と考えるようになりました。
フィットネス系の雑誌で、ちょうどいい時間帯のエアロビクスインストラクター養成コースがあったので「今すぐインストラクターとして仕事をしなくても資格だけは取ってみたい」との気持ちから、その養成コースに入学しました。
今考えるとすごいタイミングなのですが、ちょうど認定試験に合格した直後に、私が受講していたクラスのインストラクターさんがレッスン中に肉離れを起こしてしまいました。彼女はクラスを受け持っていたのですが、もちろんその状態での指導は無理でした。
そこで、私がインストラクターの養成コースを卒業したことを知っていた彼女と、ジムスタッフの方に「次のクラスを代行でやってもらえないか」と尋ねられ、その時からそのクラスを長くに渡り受け持つこととなりました。
オーストラリアに移住し、ズンバ指導者へ
2006年にオーストラリアに移住するまでエアロビクス等の指導を続けていました。移住して3年ほどはフィットネスの仕事をしていなかったのですが、住んでいたところが田舎で、特にエンターテイメントもなく、またホームシックもあって「このままだと落ち込んでばかりになる!」と考えていました。
そんな時に、日本でも人気のズンバがオーストラリアに上陸するとのニュースが入ってきました。これだ!と思い即行動開始、ズンバインストラクター認定コースを受講し自分の住んでいるエリアでクラスを開始しました。多い時で週に15本くらい指導していました。
年齢による疲労や痛みからピラティスに出会う
ただ、当時30代半ばに差し掛かっている年齢でした。ちょうど体にいろいろな変化が起こり始める年齢なのでしょうが、日本で指導していた時にはないくらい疲労が残るようになり、このまま強度の強いエクササイズのみを指導していくことに漠然とした不安を覚えるようになりました。
また以前からあった腰の痛みなども再発してしまいました。そんなときに「そうだピラティスをはじめてみよう!」と思い立ち、近くでスタジオを経営・指導しているアメリカ人のインストラクターに連絡を取りました。
そこでレッスンを受け、また彼女と色々な話をしていく中で「ピラティスのインストラクター」という新たな目標を設定し、シドニーの“Pilates International Training Centre”にて、ピラティスインストラクターとしての資格を取得しました。
Q.提供しているピラティス教室のサービス内容について
プライベートクラスでは1人1人に合わせたクラス
グループクラスとプライベートクラスの2種類の指導を提供しています。グループクラスではマットの上で自体重を使って行うピラティスで、プライベートクラスではリフォーマーなどの器具を使ったピラティス指導をしています。
プライベートクラスでは、インストラクターは1人1人に集中できるため、プログラムを作成する時点でその方のニーズ、どのようなエクササイズがその方の問題改善のためにベストなのかを考えた上で組み立てます。実際のレッスンではただ動くのではなく、そのエクササイズがなぜ良いのか、またどのようにして筋肉や骨を意識していくのかを説明しながら行います。
グループクラスでは達成感を重視
グループクラスで大切にしているのは、受けている方全員が一つ一つの動きに対して無理なく、それでいて達成感を感じてもらえるようにクラスを進めていくことです。その動きに対して「これは私にはできないわ」というサインを出している方がいたら、その方には他のオプションを即座に提供し「できた!」という気持ちを持ってもらうように心がけています。
レッスンに来てくれる方は大抵、ここを改善したいという体の不調や悩みを持っています。短期間で結果が出る方もいらっしゃいますが、ある程度の結果を求めるのであれば「続けること」が何よりも大切になってきます。一つのことを続けることは簡単なことではありませんが、レッスンの中での一つ一つの小さな達成感が次へのモチベーションになると信じて指導を行っています。
相手の人生を少しでも良い方向に変えていく
「長年痛みで悩んでいたのが、ピラティスを始めるようになって改善された」という声をいただくのが何よりも嬉しいです。また私が指導しているのが主にオーストラリアの田舎町ということもあるのでしょうが、長年レッスンに来てくれている方とは皆友達のような関係で、私生活で何かがあった時にはまるで家族のようにサポートをしてくれます。
このようにインストラクターとお客様、という関係を飛び越えた深い繋がりを築くことのできる自分の仕事に誇りを持っていますし、私のレッスンを受けたことがきっかけでその方の人生を少しでも良い方向に変えていただきたい、そのような気持ちで日々のレッスンを行っています。
Q.オーストラリアでのズンバやエアロビクス指導について教えてください
夫との出会いがきっかけでオーストラリアへ
オーストラリアに行くきっかけとなったのは、元の旦那さんとの出会いです。日本で知り合い、その当時はまだワーキングホリデービザが使える年齢だったので「行ってみよう!」と思い、移住を決意しました。それまでオーストラリアには行ったことがなかったのですが、思いついてからほぼ即決で決めました。
指導を始めてから現在も同じ場所に住んでいます。海沿いの人口2000人ほどの小さな街なのでいわゆる「スポーツクラブ」のようなものはもちろんありません。レッスンは日本でいう”サークル”のような形式で始めました。公共のホールを借りて、自分で宣伝をし、そこから口コミなどで徐々に人が集まるようになりました。
ズンバ指導からエアロビクス指導に
始めた当初はズンバのみを指導していましたが、やはりエアロビクスが大好きなので、エアロビクス指導もしたいなと考えるようになりました。そこで生徒さんに聞いてみたところ、興味があるということで「じゃあやってみよう!」となりました。
オーストラリアではズンバやボディパンプ等のプレコリオプログラム(あらかじめ動きが決まっている、または大まかな動きが決まっている)が主流で、私はいわゆる昔ながらのエアロビクスや少々凝った振り付けのエアロビクスが好きなのですが、そのようなレッスンはシドニーなどの都会のジムでも一度も見たことがありませんでした。
そのような背景もあって、私が教えたいものがオーストラリアの人に受け入れられるのかな?という不安はありましたが、結果としてかなり手ごたえのあるものになりました。もちろん好き嫌いは分かれますが、自分ができることはとりあえず全てチャレンジしてみて良かったと思います。
Q. あなたにとって、Zehitomoはどのように役立っていますか?
日本に帰国した時のために
現在もオーストラリアに住んでいるので、日本に帰国した時にZehitomoを通してお仕事ができたらいいなと思っています。10年以上日本を離れているので、自分で自分を売り出す(宣伝をする)ためにはインターネットが不可欠だと実感しています。
プロは、仕事の幅を広げることができる
仕事を依頼したい人とプロを探す、ということをインターネットベースで行うことにより依頼する側はより多くの選択肢を持てますし、プロの側も仕事の幅をかなり広げることができるのではないでしょうか。
Zehitomoはそういった点をすでに構築され、稼働しているサイトですので、自分でビジネスのセットアップをする必要がありません。プロ側としてはかなりの時間と手間の短縮になりますので、そこが最大の利点だと思います。
Zehitomoに今後期待する点としては海外進出でしょうか。是非ともオーストラリアに進出を!お待ちしています。
Q.今後、ビジネスをどのようにしていきたいと思いますか?
世界のどこでも指導ができるようにしたい
今後はピラティス・フィットネス指導という仕事を世界のどこにいてもできるような環境を作っていきたいと思っています。自分の住んでいる地域や国に限らず様々な国籍の方とピラティス・フィットネスを通じて知り合い、世界を広げていくことが私の目標です。
最後に
思い立ったらすぐに決めて、すぐに行動に移る高倉さん。実際には、なかなか最後の一歩で踏みとどまってしまう方が多いと思います。即決してすぐに行動できる、その行動力こそが高倉さんの持つ最大の魅力の1つなのではないでしょうか。日本帰国時に、Zehitomoを通じてピラティスインストラクターとして活躍する日が来ることをお祈りしています。
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