在宅勤務やテレワークが普及したことにより、自宅に書斎を設置する家庭が増えています。しかし、どのように書斎のレイアウトを考えればいいのかわからない人も多いはず。
そこで今回は、書斎を作る際に押さえるべきレイアウトのコツ、デスクや本棚など空間づくりの参考になる事例を紹介します。おしゃれな書斎を作りたい方は、参考にしてください。
書斎のある暮らしとは
従来は、趣味や勉強の部屋として書斎を設ける家庭が多くありました。ただ近年は、在宅勤務やテレワークの普及が進んだことで、仕事部屋として書斎の需要が増加しているのが現状です。
自宅の簡易的なスペースで業務がおこなえますが、より仕事に集中して取り組むために書斎を作る人が増えています。
また、仕事とは別に自宅に書斎を取り入れる暮らしが増えている人も多くいるようです。自宅に書斎があれば家族で共有して使える空間が生まれるので、暮らしにバリエーションができます。
書斎として使えるスペースに合わせて家族をレイアウトすれば、家族が使いやすい空間に仕上がります。
「書斎」とは
読書や書き物をするための書室が書斎です。近年は使い方の幅が増えており、趣味に打ち込んだりワークスペースとして活用したりする空間を書斎と呼ぶことがあります。今は使用していない部屋を、書斎として活用する事例も少なくありません。
また書斎を設置する場所は部屋だけでなく、ダイニングや寝室、廊下、階段下に設ける事例も増えています。たとえ自宅に使用していない部屋がなくても、工夫次第で自分に適した書斎を作れるのです。
書斎のメリットは仕事や趣味などの作業することに打ち込めるだけでなく、気分転換したいときにも有効活用できます。
たとえば、夫婦喧嘩で一緒の部屋にいるのが気まずいときや気分をリフレッシュしたい場合にも書斎は最適です。家具のレイアウトや設置場所次第で、自分好みのこだわりの空間を演出できます。
空間が狭くてもOK?書斎レイアウトタイプの特徴とは
自宅に使用していない部屋がない場合、書斎を作れないと考える人もいるかもしれません。ただ、空間が狭くても、工夫次第で書斎は設置可能です。書斎のレイアウトタイプは、大まかに3種類あります。それぞれのタイプと特徴を確認していきましょう。
個室
スタンダードな書斎スタイルが、個室タイプです。使わないクローゼットや部屋を活かして、書斎にリフォームする事例が増えています。
個室タイプを選ぶメリットは、完全なプライベート空間を作れるので、書斎で誰にも監視されずリラックスした時間を過ごせることです。またある程度生活音も遮断できるため、仕事や趣味に集中できます。
仕事で必要な書類や趣味の道具は、書斎で保管できるので使用したいときに使えるでしょう。ただし、書斎でひとりの時間を楽しみすぎると家族で過ごす時間が自然に減るといったデメリットがあります。
また、書斎に照明や空調を増設する場合は快適に過ごせる反面、光熱費が上がることも多いです。書斎の使い方には、十分に注意する必要があるでしょう。
半個室(本棚やパーテーションなどが壁代わりに)
自宅の間取り次第では、完全に個室にするのが難しいケースもあるかもしれません。このような場合は、本棚やパーテーションを壁代わりにして書斎を作る半個室タイプがおすすめです。
半個室タイプは完全なプライベートな空間ではありませんが、たとえばリビングなどを本棚やパーテーションで仕切りすれば生活空間を分断できるので、作業しやすいメリットがあります。
本棚を壁代わりにして空間を区切る場合は、保有したい書物が多いときに最適です。ただ部屋の真ん中に本棚を置いて空間を仕切る場合、しっかり固定しないと地震が起きたときに倒れる心配があります。
狭い空間に本棚を置くと圧迫感が出て、過ごしにくいと感じるので設置場所に注意しましょう。
シンプルに空間を区切りたいなら、パーテーションを壁代わりにするのがおすすめです。本棚と異なり厚みがないため、狭い部屋でも置き場所に困りません。手軽に購入できるパーテーションもあるので、費用を抑えて書斎を作りたい人にも適しています。
ただ個室タイプに比べると半個室は生活音を遮断できないので、その点は考慮する必要があるでしょう。
オープンスペース
リビングやダイニングの一角を利用して書斎を作るのが、オープンスペースタイプです。使用していない部屋がなかったり、本棚やパーテーンションを置きたくなかったりする場合に適しています。
リビングやダイニングの一角にカウンターを設置すれば、仕事や勉強だけでなく子どもが勉強する場所として使えるワークスペースを作ることも可能です。
また書斎のために照明や空調を増設する必要がないので、光熱費を抑えられるメリットもあります。
ただし生活音や家族の話し声が気になり、仕事や勉強、趣味に集中できないことも多いでしょう。オープンスペースの場所によっては、仕事の資料や趣味の道具は毎回片付けなければいけません。
おしゃれな書斎をレイアウトするためのポイントとは
個室タイプであれば完全プライベート空間を作れるので、自分の好みにレイアウトできます。ただ、半個室タイプやオープンスペースは生活する中で目に触れる機会が多いので、書斎をおしゃれにレイアウトしたい人もいるはずです。
ここでは、書斎をおしゃれにレイアウトするポイントをまとめました。それぞれのポイントを確認していきましょう。
フォーカルポイント(目を引く点)を作る
おしゃれな書斎にレイアウトしたいなら、フォーカルポイントを作りましょう。フォーカルポイントとは自然に視線の集まる場所のことで、インテリアや園芸、写真などでよく使用される言葉です。
書斎にフォーカルポイントを設けることにより、見せ場を作れるうえに部屋全体にメリハリをつけられます。
またフォーカルポイントで奥行きが生まれるので、部屋全体が広く見えるといった効果も得られるでしょう。
たとえば、パソコンより高い位置に写真を飾ったり、グリーンを置いたりするのがおすすめです。立ったときの目線ぐらいの高さにフォーカルポイントを作ることで、全体的にバランスが取れます。インテリアのテーマに応じてオブジェを選びましょう。
色調などに統一感を(カラーコーディネート)
おしゃれな書斎にしたいなら、部屋全体の色調に統一感を持たせることを意識しましょう。
たとえば、デスクと椅子の色がまったく異なる色だったり複数のカラーを使用したりすると、室内に統一感が生まれません。場合によっては、仕事や作業に集中できなくなるので書斎を作る意味がなくなります。
また、半個室やオープンスペースの書斎にする場合は、周囲のインテリアと馴染ませることが大切です。室内のインテリアと大きくかけ離れてしまうと、書斎だけが悪目立ちしておしゃれな空間になりません。
完全に同じ色を使用する必要はありませんが、なるべく同系色でまとめて統一感を持たせましょう。
遊び心をプラスする
書斎のレイアウトは、少しの遊び心を加えることでおしゃれな空間に仕上がります。遊び心をプラスするなら、アクセントクロスを使いましょう。アクセントクロスはアクセントとして壁に貼る壁紙で、部屋の雰囲気を変えたいときに最適です。
たとえば、1面の壁だけアクセントクロスを貼れば、空間にメリハリが出ておしゃれな雰囲気になります。
アクセントクロスのカラー展開は豊富で、室内レイアウトに合わせて好きなものを選べます。濃い色のアクセントクロスを選べば、視覚効果により奥行きが生まれるため室内が広く見えるでしょう。
壁紙にアクセントを添えたいなら、室内とマッチする柄のアクセントクロスを選ぶのもおすすめです。
物を美しく整理整頓する(収納)
仕事や趣味で書斎を利用する場合、資料や道具が散乱することもあります。資料や道具がきちんと整理整頓されていないと、書斎はおしゃれな印象に仕上げられません。
また、資料や道具が整理されていない空間では仕事や趣味の作業をするとき、探すのに時間がかかるので集中しにくいでしょう。
場合によっては紛失リスクもあるので、きちんと整理整頓することが大切です。資料や道具が多い場合は、収納家具を設置して整理整頓しましょう。室内の雰囲気を壊さないように、インテリアに馴染む収納家具を選ぶことが大切です。
また、今後も資料や道具が増える予定がある場合は、大きめの収納道具を設置することをおすすめします。
デスクなどの家具にこだわる
おしゃれな書斎にしたいなら、デスクや椅子、収納家具にこだわりましょう。デザイン性と機能性をあわせ持つデスクや椅子、収納家具を選べば、モチベーションや集中力が上がるだけでなく作業効率も上がります。
狭い空間でもスペースをうまく有効活用できれば、室内を広く使用することもできるでしょう。
たとえば、仕事や趣味をするデスクは既製品でも問題ありませんが、個性を追求するならオーダーメイドで作る方法もあります。費用はかかりますが、世界にひとつだけのお気に入りのデスクを作れるのです。
資料や趣味の道具を収納する家具は、色や大きさで室内の雰囲気は大きく変わります。壁紙や床、家具の色に合わせて室内にマッチするものを選びましょう。
本棚や飾り棚などインテリアを活用する
住宅によっては、本棚や飾り棚が設置されている場合があります。飾り棚は収集品などを飾る棚で、収集品を展示して鑑賞するために使われます。
通常の収納棚に比べて装飾性に優れているため、インテリア家具として設置されることが多いです。飾り棚をうまく活用できれば、おしゃれに仕上げられるでしょう。
また近年は、デザイン性に優れたおしゃれな本棚が多く販売されています。本棚の種類も豊富で、オープンラックやディスプレイラック、スライド式本棚などさまざまです。
読まなくなった本を収納したい場合は、押し入れに収納できる本棚が適しています。室内インテリアや部屋の広さなどを考慮して、お気に入りの本棚を選びましょう。
【あわせて読みたい!】
書斎作りのポイントなど、まずは基本を知りたい方はこちらも>>>
部屋の広さ別・おしゃれで快適なレイアウトの仕方をチェック>>>
【広さ・パターン別】おしゃれな書斎のレイアウト事例
おしゃれな書斎を作るポイントは理解していても、実際にどのように空間をレイアウトすればいいか迷う人も多いでしょう。
ここでは、おしゃれな書斎のレイアウト事例をまとめました。部屋の広さやパターン別に紹介するので、活用してください。
[1・2畳]省スペースやデッドスペースを上手に活用
狭い空きスペースを利用して書斎を作りたいなら、家族が集まるダイニングやリビングに書斎を設けるのがおすすめです。
ダイニングやリビングに書斎があれば、家族みんなで使えます。デスクと椅子を設置すれば軽作業もおこなえるため、ダイニングやリビングにあると非常に便利です。
狭い空きスペースに書斎を設置する場合、柱と壁の間にできた空間を有効活用しましょう。ただし生活空間に書斎を設置することになるので、ダイニングやリビングのレイアウトに合わせてデスクや椅子を揃えると統一感が生まれます。また、階段下のデットスペースを利用するのもおすすめです。
[3畳]多目的にも使える書斎レイアウト
ゆったり使えるリビングやダイニングの場合は、多目的にも使えるオープンスペースの書斎を作りましょう。
たとえば、普段は仕事や子どもが勉強する場所として使用し、休日は趣味をする場所として使うのもおすすめです。伸長式テーブルを選べば、家族みんなで書斎を使えるのもうれしいポイントです。
また、単にデスクや椅子を設置するのではなく、室内インテリアとして統一感を演出すれば違和感なく馴染みます。3畳程度のスペースがあれば、本や趣味の道具を収納できる家具も設置可能です。
収納家具をリビングやダイニングに置きたくない場合は、デスクの下に収納場所を確保しましょう。
[4.5畳~]一部屋を憧れの書斎にしたレイアウト
自宅に使用していない部屋があるなら、個室タイプの書斎を作るのがおすすめです。完璧にプライベート空間を作れるので、自分の好きな雰囲気に室内をレイアウトできます。
たとえば、室内を集中できる空間に仕上げたいなら、気持ちを落ち着かせるネイビーやパープルカラーに統一させましょう。
リラックス感のあるスペースにしたい場合は、木材のデスクや椅子を選ぶのがおすすめです。ヒヤシンスや無垢材の家具を選べば、南国リゾートのぬくもりを感じられる書斎に演出できます。
個室タイプの書斎はその部屋だけ異なる雰囲気にまとめても問題ありませんが、別の部屋との繋がりを感じられるインテリアでまとめると統一感が生まれます。
書斎リフォームの費用相場
リビングやダイニングなどの一角にカウンターを設置して書斎を作る場合、リフォーム費用は8〜13万円程度です。間仕切り壁を設置して半個室タイプの書籍にするなら、15〜20万円程度で室内をリフォームできます。
階段下のデッドスペースを活用する場合、パソコンの電源工事や照明の設置作業が必要です。工事内容にもよりますが、リフォーム費用は総額で15〜30万円程度かかります。
独立した部屋を書斎にする場合は、100万円以上の予算が必要です。ほかにも、収納家具を設置したり壁紙を張り替えたりする場合は、別途費用がかかります。
内装工事業者のプロを探す
近年は在宅勤務やリモートワークが普及したことにより、自宅に書斎を作る家庭が増えています。
書斎といってもさまざまな種類があり、個室にする以外にも半個室やオープンスペースにする方法もあるのです。どのような書斎にするかによって、リフォーム費用や工期も大きく変わります。
- おしゃれな書斎について相談したい
- まとめて内装工事業者の見積もりをとりたい
そんな方は、ゼヒトモから内装工事業者のプロを探してみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、簡単にあなたにピッタリなプロが見つかります。
内装工事でお困りの方は、ゼヒトモお気軽にご利用ください!
内装工事関連の最新記事
近年の住宅は洋室が一般的となり、仏間をリフォームでなくしたいと考える方も多いのではないでしょうか。仏間を洋室や収納スペースにリフォームすれば、空間を有効活用できます。 反対に年齢を重ねてライフスタイルが変化すると、仏間を […]
フロアコーティングを行うと、床材(フローリング)の耐久性が上がり傷がつきにくくなります。光沢が出るので、部屋の印象が明るくなる効果も期待できるでしょう。しかし、「フロアコーティングは不要」という意見も少なくありません。 […]