屋根塗装を外部の業者に依頼するうえで気になるのは、施工にかかる費用です。施工費用をもとに業者を決める際は、事前にしっかり見積もりを取っておく必要があります。
しかし、業者に見積もりを取るうえで何をすべきか、どこをチェックすべきかわからないと感じている方も多いでしょう。今回は、屋根塗装における見積もりの重要性やチェックポイント、相見積もりに関する内容を解説しています。
屋根リフォームを業者に依頼したい方や、塗装工事にかかる費用を少しでも抑えたい方はぜひチェックしてください。
屋根塗装における見積もりの重要性
屋根塗装を依頼する際は事前にしっかりと見積もりしておくことが重要です。納得できる金額で依頼できたり、信頼できる業者を選べたりするからです。
業者によって、使用する塗料や施工方法、人件費などが異なるため、複数の業者から見積もりを取得できれば、それぞれの業者の価格を比較した上で依頼できます。
また、後から追加料金が発生したり、工事内容に不備があったりするなどのトラブルの防止に繋がります。見積書を確認する段階で、適切な金額で工事をしてもらえる内容なのかを見極めることがポイントです。
見積書をみた時に工事内容の詳細や、工事費用の内訳が理解できない場合は、見積もりに対する項目の理由を納得するまで担当者に聞いておくことをオススメします。
屋根塗装に必要な費用内訳と相場
屋根塗装に必要な費用は主に、塗装料や工事に必要な人件費、足場設置の費用がかかります。どのくらいの費用なのか、内訳と相場を見ていきましょう。
塗装料
屋根塗装工事には、リフォームや定期的なメンテナンスで叶えたい理想の屋根や予算に合わせて、塗装料がかかります。屋根用塗料には主に下記の種類があり、項目ごとに耐久性の品質や相場価格をまとめています。
グレード | 耐用年数 | 相場価格/坪数 | 優れている機能 |
アクリル塗料 | 7~10年 | 5000円〜10000円程度 | 耐水性 耐汚性 |
ウレタン塗料 | 10~15年 | 8000円〜15000円程度 | 耐水性 耐汚性 耐候性 |
シリコン塗料 | 15~20年 | 12000円〜20000円程度 | 耐水性 耐汚性 耐候性 遮熱性 |
フッ素塗料 | 20年以上 | 18000円〜30000円程度 | 耐水性 耐汚性 耐候性 遮熱性 |
それぞれ機能性や耐久性が異なります。屋根塗料の相場価格は、劣化状況や屋根の勾配形状、屋根材、塗料メーカーなどによって変動するため、あくまでも参考にご覧ください。
人件費用
屋根塗装には、塗装業者の所在地から現場まで移動したり、施工工事をしたりする人件費がかかります。人件費は、業者によって異なりますが、1人当たり2〜3万円が目安の相場です。屋根の広さや屋根の形状、施工業者の所在地によって異なります。そのため、見積書の中で正確な金額を確認しておきましょう。
足場費用
屋根塗装には、足場の設置が必要なため、足場代がかかります。足場費用は足場の種類によって組み立て方法や、屋根面積に対して必要な塗装量によってかかる費用が異なります。
屋根工事に必要な足場工事の費用相場に関して、場合別に解説しています。実際にいくらの金額がかかったのかを掲載していますので、屋根塗装工事全体の金額や算出方法が気になる方はぜひご確認ください。
https://protimes.jp/journal/yanetosou/roofpaint-scaffold-31092
屋根塗装の見積書でチェックするべき項目7選
屋根塗装の見積書を業者から提出された際、チェックしておくべき箇所は以下のとおりです。
- 見積もり金額・総額
- 作業内容
- 施工面積
- 記載内容の漏れ・不自然な空欄
- 塗料についての項目
- 屋根塗装の工程
- 保証書の有無
1つずつみていきましょう。
見積もり金額・総額
掲示された見積りの金額や総額が、予算内もしくは希望金額に収まっているか確認しましょう。屋根塗装の費用相場は、30坪の場合の相場はおおよそ300,000円から1,500,000円です。
見積書の総額部分に記載されている金額が相場の範囲内に収まっているのか、加えて各施工項目の費用も相場内に収まっているのかしっかり考慮した上で見極めましょう。
作業内容
見積書にどのような作業内容があるのかを確認しましょう。屋根塗装の施工時、業者がどういった作業を行うのか細かく記載されていれば、実際に依頼する際のイメージも湧きやすくなります。
見積書に記載されておくべき項目は、以下を参考にしてください。
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 塗装(下塗り・中塗り・上塗り)
- 縁切り
- 諸経費
具体性がない大まかな項目の見積書を提出してくる業者は、ほとんどの場合が適切な依頼を受けられません。
施工面積
見積書をチェックする際は、記載されている施工面積が適切な平米数で書かれているかを確認しましょう。たとえ料金が安くても、施工面積が極端に狭い場合は手抜き工事といえます。
細かい作業内容や正確な施工面積が記載されているかを確認しておくことが大切です。
記載内容の漏れ・不自然な空欄
見積書に記載漏れや不自然な空欄があれば、すぐに担当者に指摘しましょう。意図的な空欄は、本来必要な見積書の費用以外に追加費用を依頼される可能性が高く、悪徳業者に非常に多い手口だからです。
施工内容ごとに補足説明の記載があるかどうか、事前に確認しておきましょう。
塗料についての項目
屋根塗装で使用する塗料の種類と塗装に必要な使用量の項目が記載されているかを確認しましょう。塗料の種類に関する情報が記載されていない場合は、必要以上のグレードの塗料で見積もりが取られている可能性があります。
また、塗装したい屋根の平米数よりも足りない量で記載されている場合は、追加で費用がかかります。
屋根塗装の目的や予算に応じて塗料の種類を選びましょう。
屋根塗装の工程
見積書に基本的な屋根塗装の工程ごとに記載されているのかを確認しましょう。屋根塗装の基本的な流れは以下のとおりです。見積書の内容と照らし合わせるうえで参考にしてください。
- 近隣への挨拶
- 現場のチェック
- 足場の設置
- 高圧洗浄
- 下地の処理
- 養生
- 下塗り
- 中塗り・上塗り
- 完了検査
また、事前にスケジュールを管理したり、近隣に適切な対応ができたりするので、工事に関する工程は見積書を見て照らし合わせることがポイントです。
保証書の有無
見積書の項目に保証書に関する記載があるのかを確認しておきましょう。保証書に関する情報の記載がない場合は、工事後に問い合わせや電話で相談ができない可能性があります。
また、保証書で対応してもらえるアフターサービスの詳細も業者によって違います。
- 工事中の事故や不備に関する対応
- 保証してもらえる期間
- 塗装後に発生したトラブルや不具合に関する対応
保証書の有無を確認するだけでなく、保証内容もチェックしておきましょう。
屋根塗装の工事費用を抑えるコツ
屋根塗装の費用を良心的な金額に抑えるには、工事内容を削るのではなく、工事費用の内訳を計算して適切に見極めたり、補助金制度を利用したりすることがポイントです。主に下記の方法で屋根塗装の工事費用を抑えられます。
- 複数社で相見積もりをとる
- 補助金や市区町村の助成金を活用する
- 火災保険が適応するケースがある
- 自社で施工対応している業者に依頼する
- 塗装料の費用を業者に相談する
- 屋根塗装と外壁塗装を同時に依頼する
上記の方法以外で屋根塗装の費用を下げようとしてしまうと、トラブルが生じる恐れがあります。どのような方法でコストを抑えるのか確認しておきましょう。
複数社で相見積もりをとる
複数社に見積もりを依頼し、必要な費用やサービスの内容の比較が重要です。かかる費用に体制て適切な工事内容かを見極めることがポイントです。
単価が安くても、明確化された情報の記載の提示がない場合は、適切な工事をしてもらえなかったり、追加で費用が発生してしまったりするリスクがあります。適正価格で依頼するためにも見積書に施工内容を細かく表記している業者を慎重に選びましょう。
補助金や市区町村の助成金を活用する
各市区町村で独自に設けられている補助金や助成金を活用しましょう。具体的な内容はそれぞれ異なり、一般的には以下の種類があります。
- 省エネ塗装助成金: 遮熱塗料や断熱塗料を使った塗装工事に対する助成金
- 耐震改修助成金: 地震に強い外壁や屋根にするための改修工事に対する助成金
上記以外にも、特定の条件を満たす場合に助成金が支給してもらえる制度を利用できる場合があります。補助金や助成金を利用したい場合は、申請前に工事を実施してしまったり、書類を提出したりするなどの条件を満たすことが必要です。
詳しく知りたい方は、在住している市区町村のホームページなどで確認してみましょう。
火災保険を活用できるケースもある
自然災害によって屋根が破損した場合、加入している火災保険で修理費用を補修できる可能性があります。火災保険は、火災だけでなく、風災、雪災、雹(ひょう)などの自然災害による建物の損害を保証する制度です。塗装費用全額が補償されるわけではなく、修理費用のみ保証してもらえます。
例えば、下記の事例の場合に適用されます。
- 台風などの強風によって屋根瓦が飛んだ
- 積雪によって屋根が破損した
- 雹によって屋根に穴が開いた
経年劣化による破損や、鳥や動物による被害の場合は、火災保険が適用されません。また、火災保険で屋根塗装費用を補償可能かは、加入している保険によって異なります。
自社で施工対応している業者に依頼する
自社で施工対応している業者に依頼できると屋根塗装に関する工事費用が安くなる可能性があります。下請け業者に工事を依頼する場合、工事費用以外に手数料が必要です。
また、職人の質が高いため、仕上がりが良くなったり、短い工期で施工を終えられたりするためコストを抑えることに繋がります。
塗料の費用を業者に相談する
塗料はさまざまな種類があるため、予算に合わせて必要最低限のグレードにしてもらうことがポイントです。塗装料の中でも一番低いグレードの安価で塗装できるアクリル塗料を選択すれば、工事費用を抑えられますが、長期的なコストパフォーマンスを考えると高額な塗料を選ぶ方が良い場合があります。
耐用年数が長い場合は、汚れがついたり色褪せを防いだりする効果があるため、塗り替えの頻度を減らすことが可能です。
とはいえ、必ずしも高価な塗料が最適とは限らないため、予算や建物の状態などを相談し、自分に合った塗料を選択しましょう。
屋根塗装と外壁塗装を同時に行う
屋根塗装工事と外壁塗装工事を同時に依頼できると、工事費用を抑えられます。塗装工事費用の中でも大半を締めている足場を組む工事が1回で済ませられるため、費用を大幅に削減できます。
また、依頼する業者の移動時間や施工時間をまとめて確保できるため、人件費を抑えることが可能です。さらに、メンテナンスをしてもらう時期も揃えられるため、メンテナンスにかかる費用の節約ができるでしょう。
屋根塗装の見積もりで失敗を防ぐポイント
屋根塗装の見積もりを取る際は、施工してもらった後の公開を防ぐために以下のポイントをチェックしておきましょう。
- 点検スタッフの対応に注目する
- 不自然な値引きには飛びつかない
- 施工実績やサービスの充実度を確認する
1つずつみていきましょう。
点検スタッフの対応に注目する
現地調査スタッフや監修者の対応が丁寧であるかをしっかりと確認しておきましょう。屋根の状態をほとんど見ないまま見積もりを出してくる業者は、適切に工事をしてもらえない可能性があります。
一方で経験豊富なスタッフの場合は、屋根の状態を隅々まで確認したり、細かい劣化を把握したりするスキルを持っています。理想の塗装リフォームを叶えてもらえるだけでなく、より綺麗に仕上げるための提案をしてもらえるでしょう。
また、屋根塗装の工事に関する基礎知識だけでなく専門知識を持っていれば、見積書の項目ごとに気になることや依頼に関する相談に対して的確に答えてもらうことが可能です。屋根塗装に関する不安を解消し、安心して契約できる業者を選択しましょう。
不自然な値引きには飛びつかない
見積もり時に大幅な値引きや不自然なサービスには飛びつかないことに注意しましょう。不自然な値引きを持ちかけてくる業者は、手抜き工事を行うといった悪徳業者の可能性があります。
屋根塗装の工事費用は、施工中だけでなく施工後における安心安全を確保するうえでの「必須経費」です。見積もりを取る際は、屋根塗装に必要最低限の費用を算出してもらえているかを基準に優良業者であるかを見極めましょう。
施工実績やサービスの充実度を確認する
見積もりをしてもらう業者の、施工実績が豊富であるかといった確認が必要です。施工実績の乏しい業者だと、施行中や施工後にトラブルが発生するかもしれません。
しかし、仮に施工実績が少ない場合でも、施工に関するトラブルに対応したサービスが充実していれば、安心して依頼できます。納得できる見積もり金額だけで判断するのではなく、施工実績やサービスの充実度をチェックしておきましょう。
ゼヒトモで屋根塗装のプロを探す
今回は、屋根塗装における見積もりの重要性について解説しました。屋根塗装で見積もりを取る際は、予算や希望金額をしっかり伝えたり、複数の業者を比較したうえで依頼先を決めたりする事がポイントです。
- 屋根塗装の見積もり内容をしっかり作成してくれる業者に依頼したい
- 施工実績の豊富な業者に屋根塗装をしてもらいたい
上記のお悩みが少しでもある方は、ゼヒトモで屋根塗装のプロを探してみませんか?いくつかの質問に答えるだけで、あなたにピッタリのリフォーム工事のプロが見つかります。屋根塗装工事を検討している方は、ゼヒトモをお気軽にご利用ください。
屋根塗装関連の最新記事
屋根塗装をする際に「足場」の費用が気になる方も多いのではないでしょうか。屋根や外壁の塗装では、足場の設置は必要不可欠です。足場の役割は、職人の安全確保や、施工不良を防ぐためなど、さまざまです。 この記事では足場が必要な理 […]
はじめに 屋根塗装を業者に依頼するうえで、事前に塗料ごとの耐用年数を把握しておきたいと考える方も多いでしょう。できるだけ耐用年数の長い塗料で屋根を塗装できれば、何度も塗り替える必要がなくなります。 今回は、屋根塗装の基本 […]