今回は、ユニットバスの塗装を検討中の方向けに塗装できるユニットバスの素材や塗装に適した塗料、塗装が必要なユニットバスの状態について解説します。
ユニットバスの塗装にかかる費用相場や塗装のメリット・デメリット、塗装に関する注意点なども解説しているので、ユニットバスを清潔感のある見た目にしたい、水まわりのリフォームを通じて住まいのレベルを上げたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
ユニットバスと在来浴室の見分け方
ユニットバスは浴槽や床、壁、天井が一体化されたバスルームのことです。工場で生産され、現地で簡単に組み立てることができます。
これに対し、在来浴室は空間に合わせ、一つ一つ材料を組み合わせて作られる建築方法(在来工法)を実施しており、古くから使われてきました。
ユニットバスは以下の3種類があります。
1点ユニットバス
浴槽、洗い場で構成されているユニットバスです。家庭用で一般的に普及しているタイプで、トイレや洗面台がついていない分、広く使用することができます。
2点ユニットバス
浴槽、洗い場、洗面台がついているユニットバスです。賃貸物件で多くみられます。浴槽と洗い場、洗面台が一緒なので、洗い流して掃除できるのが嬉しいポイントですね。
3点ユニットバス
浴槽、洗い場、洗面台、トイレがついているユニットバスです。コンパクトに収まるため賃貸物件やホテルで多く使用されています。
ユニットバスは塗装できるのか
そもそもユニットバスに塗装工事ができるのか、疑問に感じている方も多いでしょう。結論、スプレー散布や直接塗りつけることでユニットバスに塗装を施すことは可能です。
ただし、素材によっては塗装できないため、塗料の選び方には十分注意してください。新築の場合はきれいな浴槽ではあるものの、築年数の長い物件は塗装の劣化が目立つことも。
塗装の劣化が目立つ場合は、ここで紹介する塗装可能な素材かどうかをチェックしたうえで、リフォーム会社に塗装の相談をしましょう。
塗装できるユニットバスの素材
塗装を施せるユニットバスの素材の種類には、以下が挙げられます。
- アクリルウレタン
- FRP
- 大理石
上記の素材は塗装がしやすいだけでなく、塗装面の耐久年数が長いのも特徴です。自宅のユニットバスがアクリルウレタン・FRP・大理石のいずれかだった場合は、塗装を施せるので劣化してもすぐ元に戻せるでしょう。
反対にこれらの素材でなかった場合、塗装やコーキングできない可能性があるので素材自体を入れ替える必要があります。
塗装できないユニットバスの素材
塗装を施せないユニットバスの素材には、以下が挙げられます。
- ポリ
- 木材
ポリや木材は表面に塗料を塗りにくい素材であるため、塗装によるリフォームは適していません。
また、塗装自体はできるものの、塗料が表面に塗りつけにくい素材にホーローやステンレス、タイルや陶器が挙げられます。特にステンレスは、塗装により表面のコーティングが剥がれてしまいやすいため、おすすめできません。
適切なユニットバスの塗料とは
ユニットバスにはアクリルウレタンが多く使用されているため、アクリルウレタン樹脂塗料が最適です。ただし、個人用としてアクリルウレタン樹脂塗料を販売していることは非常に少ないことを念頭に置いておきましょう。
とはいえ、ホームセンターなどで購入できる「浴室用塗料」は、あくまでコンクリートやモルタルの壁を想定しており、ユニットバスの塗装には適していません。
また耐熱性のなさが理由で、ホームセンターにはヨット・車用の塗料も販売されていますが、これらは耐熱性がないため、やはりユニットバスの塗装には適していません。
ユニットバスの塗装をどうしてもDIYで行いたい場合は、オンラインで購入できるユニットバス専用の塗料を選びましょう。
ユニットバスの耐用年数は約15年
ユニットバスは、建物に区分されることから、減価償却で利用されるユニットバスの法定耐用年数は建物と同じになります。(木造住宅の場合は22年、鉄骨・鉄筋コンクリ―トの住宅の場合は47年)
ただし、一般的なユニットバスの寿命は15年前後とされていますので、法定耐用年数は目安として押さえ、ユニットバスの状態に応じてメンテナンス、交換を検討しましょう。
塗装が必要なユニットバスの状態とは
ユニットバスの塗装が浮いていたり、剥がれていたりする状態であれば、塗装すべき状態といえます。また、浴槽のひび割れや隙間、変色やサビ、浴槽の表面のざらつきなども、塗装が必要なサインといえるでしょう。
明らかにユニットバス本体が劣化している、付着した汚れが落ちない場合も、塗装も含めたリフォームが必要な状態と判断できます。
ユニットバス内は、湿度が高く湿気が溜まりやすいため、カビも発生しやすくなります。カビを放置することで劣化が進み、汚れが落ちない状態になるでしょう。
経年劣化が進み、かつ汚れが落ちない状態になったら、ユニットバスの塗装が必要な状態と判断してください。劣化していると判断した場合は、早めに業者に問い合わせをしましょう。
ユニットバスの塗装にかかる費用相場
自宅のユニットバスを塗装する際は、業者に依頼するのが一般的です。ユニットバスのリフォーム費用相場は、壁・床・天井・バスタブなど、部位によって変動します。
部位 | 費用相場 |
壁 | 90,000〜130,000円 |
床 | 50,000〜90,000円 |
天井 | 40,000〜60,000円 |
バスタブ | 80,000〜150,000円 |
上で挙げた費用相場を参考に、業者ごとの費用相場を比較したうえで依頼しましょう。費用が高いからと言って自分で塗装するのではなく、プロに依頼することをおすすめします。
なお、施工にかかる費用は浴槽のサイズや水漏れの箇所の破損の具合、塗装方法や工事内容、補修・修理のレベルによって異なるため、無料で出せる見積り内容などを参考に自身に適した業者を選択しましょう。
また、以下の関連記事では、お風呂・浴室リフォームの工事内訳や施工事例を紹介しています。実際にかかった金額や施工日数も掲載していますので、値段や工事にかかった日数が気になる方はぜひ参考にしてください。
関連記事:お風呂・浴室リフォームの費用相場
ユニットバスを塗装するメリット・デメリット
ユニットバスの塗装にはメリットもあれば、デメリットもいくつか存在します。
ここで挙げるユニットバスを塗装するメリット・デメリットの内容を把握し、自宅のユニットバスを塗装すべきか判断してください。
メリット | デメリット |
・浴槽を交換するよりも安価施工期間が短くなる ・浴槽の耐久性が向上する ・浴槽の劣化をスムーズにカバーできる ・防カビ効果が高くなる ・廃棄物が出ないので環境に配慮できる ・ユニットバスを好みの色に変更できる | ・素材によっては塗装自体ができない ・塗料を市販で購入することが難しい ・ユニットバスの塗装に対応している業者が少ない ・浴室や浴槽の機能が変わるわけではない ・浴槽の状態によっては塗装をしても劣化が直らない |
ユニットバスをDIYしたい!必要な道具と塗装手順を紹介
今回はどうしても塗装をしたい方に向けて、浴室の壁をDIYで塗装する際に必要な道具と手順を解説します。
浴室の塗装をDIYでおこなう際に用意する道具
浴室の壁をDIYでおこなう際に用意する道具は以下になります。
道具一覧 | 詳細 |
かび取り剤 | 壁面のカビを取る際に使用 |
中性洗剤 | 壁面の汚れを取る際に使用 |
塗装用パテ | 壁のひび割れや穴を補修する際に使用 |
サンドペーパー | 塗料を落とす際に使用 |
下塗り剤(プライマー) | 上塗り剤の密着性を高める際に使用 |
塗料 | 汚れの改善の際に使用。アクリルウレタン樹脂が望ましいが、相性の良くない材質の場合、塗装ができない可能性がある。 |
ローラー | 広範囲を塗る際に使用 |
ハケ | 細部を塗る際に使用 |
伸縮式の継ぎ柄 | 高い場所を塗装する際に使用 |
養生テープ | 塗らない箇所の保護する際に使用 |
マスキングテープ | 塗らない箇所の保護する際に使用 |
塗装工程
①下地の汚れやカビを除去する
最初に、カビ取り剤でこびりついたカビを除去します。(換気をしながら作業を行いましょう)
カビを落とししっかり乾燥させた後は、中性洗剤で水洗いをし、全体の汚れを取っていきましょう。
②壁のひび割れや穴を補修し、古い塗料を落とす
ひび割れや穴に塗装パテを埋めていきます。この際、ヘラを使用すると便利です。
塗装パテを使用した部分を乾燥させた後は、サンドペーパーで平らにします。古い塗膜や下地が既に傷んでいる場合は、全体をサンドペーパーで研磨しましょう。
③塗らない部分に養生テープやマスキングテープを貼る
塗装しない範囲に塗料がつかないよう、塗らない部分の境目に養生テープやマスキングテープを貼っていきます。この際、照明器具も忘れずに養生してください。
④ハケやローラーを毛払いし、塗料を混ぜる
塗料は、均一になるよう事前に混ぜておきましょう。また、ハケやローラーは浴室内に余分な毛が落ちないよう、出来るだけ取り除いておくのがおすすめです。
⑤下塗り剤を塗る
未塗装の部分に、下塗り剤を塗っていきます。既に塗装してある面の場合、下塗り剤の塗布は必要ありません。
⑥先塗りをする
全体を塗る前に角や細かい部分をハケで塗っていきます。
⑦全体を塗る
先塗りが終わった後は、全体をローラーで塗っていきましょう。高さが届かない場所は、伸縮式の継ぎ柄を使うことで、簡単に塗ることができます。
⑧乾燥、2度塗りを行う
塗った箇所を乾燥させた後は、2度塗りを行います。
一度目で塗り切れなかった部分も2度塗りの際にしっかり塗っていきましょう。2度塗り後、乾燥させたら塗装は完了です。
塗装が終わった後は、水性塗料の場合は水、油性塗料の場合はペイントうすめ液で洗いましょう。その後、洗剤を使って洗うことでより綺麗に落とすことが可能です。
塗装・下地処理の技術の差から、素人が行うと早期に剥がれる原因に繋がるため、もちがよく、綺麗な仕上がりにしたい場合は業者に頼むことをおすすめします。また、下手にDIYを行い失敗した後に、業者に頼むとなると、塗料をはがすだけで余分な費用が発生するため、DIYを行うかどうかは慎重に検討をしましょう。
ユニットバスの工事を検討する際の確認事項
ここではユニットバス工事を検討する前に確認すべき点を解説します。
現在、ユニットバスのリフォームを検討されている方はぜひご覧ください。
ユニットバスが3点式の場合は、便器と洗面台はクリーニングか入れ替えを推奨
3点式のユニットバスの場合、便器と洗面台は陶器製のため、塗装しにくいです。そのため、便器と洗面台はクリーニングか入れ替え、ユニットバスの部分は塗装を検討することをおすすめします。
クリーニングをしても、物質的な劣化は避けられない
ユニットバスのクリーニングは新品同様に仕上がるものの、既存のユニットバスの劣化は避けられません。設備や機能の改善をしたい場合は、ユニットバスの入替を検討しましょう。
お風呂のメーカーによっては、壊れた部品を取り寄せることが可能な場合がある
商品の生産終了後であっても、メーカーによっては、壊れた部品を取り寄せることが可能な場合があります。ただし、交換する場合は業者にお願いをすることを推奨します。
賃貸のユニットバスは塗装可能か確認する
賃貸のマンション・アパートでも、ユニットバスの塗装は可能です。浴槽の交換といった大規模な工事が不要であるため、むしろ塗装の方が適している場合も多いでしょう。
ただし、ユニットバスを塗装したい場合は、大家さんや管理会社に確認を取ることを忘れないようにすることが重要です。
また、マンションや集合住宅に特化したリノベーションの実績がある業者を選んだり、マンションのあるエリアに特化した事例の豊富な業者を選ぶことも大切です。
借家法においても、賃貸物件に大幅な修繕を加える場合は地主の許可を得る必要があるとの記載があるため、塗装を検討する際は事前に相談するようにしましょう。
損傷や劣化の激しいユニットバスは塗装ができない
劣化の程度が激しいユニットバスの塗装はできません。塗装や修理が難しい場合は、入れ替え工事を検討しましょう。
ユニットバスを塗装する際の注意点
ユニットバスの塗装を行う際は、以下の2点を必ず確認しておきましょう。
浴室・浴槽の機能が向上するわけではない
塗装は、既存のユニットバスの上から行うため、浴室・浴槽の機能が向上するわけではないことを覚えておきましょう。
素材によっては塗装自体ができない
ポリや木材など、ユニットバスの素材によっては、塗装ができない場合があります。
浴室塗装をお願いする際は、事前に対応可能かどうか業者に確認をとるとよいでしょう。
ここで紹介した注意点は、本記事で紹介した内容を振り返る意味でも活用できるので、ユニットバスを塗装するうえで再確認してください。
ユニットバスの塗装業者を選ぶポイント3選
ここでは、ユニットバスの塗装業者を選ぶポイントを解説します。現在業者選びでお困りの方はぜひ参考にしてください。
相見積もりを取る
複数業者から見積もりをとることで、リフォームの相場を知ることができます。また、自分の予算やイメージに合った業者を選ぶことができるのも相見積もりのメリットです。
浴室や浴槽の塗装及び修理を専門とする業者を選ぶ
ユニットバスの塗装は大変難しく、一般の塗装業者でも失敗する可能性があります。業者を選ぶ際は、浴室や浴槽の塗装及び修理をメインに行っている専門業者から選ぶと安心ですね。
口コミや施工実績を確認する
経験のある業者を選ぶにあたって、口コミや施工実績を確認することが非常に重要です。業者によっては、HP上に施工事例が掲載されている場合もあるため、業者選びに不安な方はぜひチェックするのをおすすめします。
ゼヒトモでお風呂・浴室リフォームのプロを探す
今回は、ユニットバスの塗装について解説しました。劣化具合によっては、塗装を施すことでユニットバスをきれいな状態に戻すことが可能です。
ただし、塗装を施せる素材かどうかや、専用の塗料であるか確認することを忘れないようにしましょう。またユニットバスの塗装は、DIYよりも業者へ依頼するのがおすすめです。
今回は業者に依頼する場合の費用相場もまとめているので、参考のうえユニットバスの塗装を依頼しましょう。
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