外構・エクステリア工事
2023/02/09 2024/10/17

ブロック塀とは、住宅や敷地の境界を確保するために、直方体のブロックを積み上げて造られた塀のことです。コンクリートブロックを使った塀を指すことがありますが、実際には様々な素材が用いられます。この記事では、コンクリートブロックや化粧ブロック、レンガやタイルなど、さまざまなタイプのブロック塀について詳しく解説します。それぞれのメリット・デメリットや費用相場、選び方のポイントまでカバーしているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事を監修したプロ
三浦 恵美 さん

株式会社がってん

株式会社がってんの代表を務めており、代表自ら現場の施工まで携わる。大工・設備・電気・内装・外構・足場・解体・塗装・屋根工事など一貫して工事が可能。自社の職人施工のため、工事代も安く、お客様に寄り添ったを提案できるのも強み。各種保険加入やこどもみらい住宅支援事業への登録など、行政の仕組みも積極的に取り入れ、信頼のおけるサービス提供を心がけている。

ブロック塀とは?

ブロック塀

ブロック塀とは、住宅や敷地の境界を明確にし、外部からの視線を遮ることでプライバシーを守る塀のことです。

また、防犯や防火といった重要な役割も果たしています。

メリットの多いブロック塀ですが、ブロック塀を設置することによるデメリットもあります。それぞれ詳しくみていきましょう。

ブロック塀のメリット・デメリット

メリット

  • プライバシー保護:外からの視線を遮ることで、家の外が気にならずに安心できる。
  • 車の衝突を防ぐ:車の誤突入による被害をブロック塀が最小限に抑える。
  • デザイン性の向上:おしゃれなブロック塀が外構の景観を高めることができる。
  • 境界線の明確化:隣家との敷地境界をはっきりさせることで、トラブルを避ける。

デメリット

  • 侵入時のリスク:侵入されると外から異常に気づきにくく、空き巣被害に遭う可能性が高まる。
  • 落書きのリスク:場所によっては落書き被害に遭いやすい。
  • 風通し・日当たりの悪化:ブロック塀が風通しや日当たりを悪くし、カビを発生させる可能性がある。
  • 老朽化による危険性:時間が経つとひび割れや地震で倒壊するリスクが高まる。定期的な点検と管理が必要になる。

ブロック塀の種類

ブロック塀の種類特徴
コンクリートブロック・標準的なコンクリート製の塀。
・施工が簡単でコストも低い。
化粧ブロック・表面に装飾が施されたブロック。
・デザイン性が高い。
現場打ちコンクリート・現場でコンクリートを打設して形成する塀。
・滑らかでシンプルな外観。
吹付・塗り壁・吹付けやモルタルで表面を仕上げた塀。
天然石積み・自然石を使った高級感のある塀。
レンガ・レンガを積み上げて作る塀。
・古風で暖かみのあるデザイン。
タイル・ブロックの表面にタイルを貼り付けた塀。

外構工事でブロック塀を設置する際、選べる種類は多岐にわたります。それぞれの種類には特徴があり、設置する目的やデザイン性、予算に応じて最適なものを選ぶことが重要です。

ここでは、ブロック塀の種類ごとにメリット・デメリットについて詳しく解説します。

コンクリートブロック

コンクリブロック

メリット

コンクリートブロックは、耐用年数が30年以上と長く安定した構造です。施工が比較的簡単で、手軽に設置できることから、広く普及しています。安価で耐久性も高いため、初期費用を抑えたい場合に適しています。

デメリット

コンクリートブロックの高さには、地震などの際に倒壊のリスクを軽減するための制限があり、高さ2.2m以内にする必要があります。また、1.2m以上の高さの塀には、倒壊防止のために控え壁の設置が必要で、内側のスペースを圧迫する可能性があります。さらに、デザイン性が低く、無機質な印象を与えるため、景観にこだわりたい場合には不向きです。

化粧ブロック

化粧ブロック

メリット

化粧ブロックは、コンクリートに顔料(※着色に用いる粉末)や骨材(※コンクリートに混ぜる砂利や砂のこと)を混ぜ込んで作られ、表面に装飾を施すことでデザイン性を高めたブロックです。カラーや模様のバリエーションが豊富で、和風や洋風の建築様式にもマッチしやすく、個性的な外観を実現できます。見た目の美しさを重視する方にとって、機能性とデザイン性を兼ね備えた理想的な選択肢です。

デメリット

装飾性が高いため、通常のコンクリートブロックよりもコストがかかり、価格が高額になることが一般的です。また、建築基準法の規制を守る必要があり、高さや控え壁の設置などで追加のスペースが必要になる場合があります。

化粧ブロックについて詳しくはこちら

現場打ちコンクリート

コンクリート

メリット

現場打ちコンクリートは、現場で型枠を設置し、その中にコンクリートを流し込んで塀を作る方法です。この方法では、ブロックを積み上げるのではなく、一体化した塀を作るため、デザインの自由度が高いのが特徴です。また、コンクリートが基礎と一体化することで、特に軟弱な地盤でも安定した構造を保つことができます。

デメリット

現場打ちコンクリートの施工には高度な技術が必要で、専門職人による作業が不可欠です。そのため、施工コストが高く、材料費だけでなく、技術的な労務費もかさむため、予算に余裕がない場合には選びにくい選択肢です。また、現場打ちコンクリートは、一体化した構造のため、経年劣化によりひび割れや表面の劣化が発生しやすく、これにより定期的な補修やメンテナンスが必要になる点もデメリットです。

吹付・塗り壁・モルタル壁

モルタル

メリット

吹付や塗り壁は、塀の表面を保護するだけでなく、通気性を保ちながら雨や汚れに強い仕上がりを実現します。さらに、仕上がりが美しく、カスタマイズの幅も広いため、建物のデザインや周囲の景観に合わせてさまざまなスタイルを選ぶことができ、耐久性にも優れています。

デメリット

吹付や塗り壁は、職人による手作業が必要なため、工期が長くなり、コストが高くなる場合があります。また、塗装時には塗料の匂いや作業音が発生するため、近隣への配慮が必要です。さらに、塗装は時間の経過とともに劣化しやすいため、定期的なメンテナンスや補修が必要になる点もデメリットです。

天然石積み

石積み

メリット

天然石は自然素材ならではの美しさと高級感があり、耐火性や耐久性にも優れています。時間が経つにつれて風合いが増すため、経年変化を楽しむことができます。また、石の重厚感が景観にインパクトを与えるほかに、素材としての強度が高いため丈夫で長持ちする塀を作ることが可能です。

デメリット

天然石積みは職人の技術が必要で石の運搬や設置には手間がかかるため、工期が長引いたり、施工費用が高くなります。特に高級な石材(例:御影石や大理石など)を使用する場合、材料費が大きくなり、全体のコストがさらに上昇する可能性があります。

レンガ

レンガ

メリット

レンガは温かみのある外観が特徴で、洋風建築との相性が良いです。耐久性が高く長期間にわたって美しさを保つことができ、劣化しにくい素材です。門柱や塀などに使用されることが多く、建物全体のデザインにアクセントを加えることができます。また、耐熱性に優れており火災時の安全性も高いです。

デメリット

レンガは自然素材のため、寒冷地では内部に含まれる水分が凍って膨張し、レンガが割れるリスクがあります。また、破損した際に同じ種類のレンガを入手するのが難しい場合があり、そのためリフォームや修理に高コストがかかることがあります。

タイル

タイル

メリット

タイルは色や柄、大きさのバリエーションが豊富で、エレガントからモダンまで幅広いデザインに対応可能です。耐久性が高く汚れや傷に強いため、メンテナンスが容易で長期間使用できる点が魅力です。また、経年劣化が少ないため、見た目を長く維持できます。

デメリット

タイルの素材やデザインによっては、材料費が高くなることがあります。しっかりとした施工がされていない場合、タイルが浮いたり剥がれたりすることがあり、追加でメンテナンス費用が発生するリスクがあります。

ブロック塀に関するよくある質問

質問

ここでは、ブロック塀についてよくある質問を解説していきます。

ブロック塀の施工費用の相場は?安く抑えるには?

一般的なコンクリートブロックを使用する場合、費用は以下のような内訳になります。

  • 基礎工事費用: 約4,000~12,000円/m
  • ブロック積み工事費用: 約8,000~15,000円/㎡

例えば、20メートルの境界線に5段のブロックを積む場合、基礎工事費用は約12万円、ブロック積み工事費用は約18万円、合計で30万円ほどになります。

これは、一般的な灰色のコンクリートブロックを使用した場合の価格ですが、装飾が施された化粧ブロックを使用する場合、1ブロックあたり400円~800円程度の追加費用が発生します。

費用を安く抑えるコツ

  • 複数の業者から見積もりを取る:価格やサービス内容を比較することで、最適な業者を選ぶことができます。
  • 自社施工の業者に依頼する:外注ではなく自社の職人が施工をおこなう業者は、費用を抑えられる傾向があります。

ただし、価格だけに注目せず、業者の信頼性や施工実績も確認することが重要です。

ブロック塀とフェンスはどちらが安い?

一般的には、単純なブロック塀よりもフェンスの方がコストを抑えることができる場合が多いです。ただし、条件によってはブロック塀の方が安くなるケースもあります。

例えば、ブロック塀は基本的なコンクリートブロックを使用すれば、相対的に低コストで設置できます。一方、フェンスは選ぶタイプやデザインによって価格が大きく変わります。以下は見積もり例です。

  • 目隠しフェンス(横幅10m×高さ約1.6m): 約308,700円(税込)
  • ブロック塀(横幅10m×高さ1.6m/8段): 約264,000円(税込)

このように、目隠しフェンスはデザインや素材によってはブロック塀より高くなることがありますが、メッシュフェンスなどの簡素なデザインであれば、ブロック塀よりも安価に済む場合があります。

ブロック塀が安くなるケース

  • 塀の高さが1m未満の場合:控え壁(※コンクリートブロックを積み上げた際に、強度を増すために設置する壁)が不要となり、基礎工事も簡略化できるため、ブロック塀の方がコストを抑えられます。
  • フェンスに高級な素材を選んだ場合:木目調やアルミ製のフェンスなど、デザイン性の高いものを選ぶと、フェンスの費用がブロック塀より高くなる可能性があります。

見積もりを比較しながら、コストとデザインのバランスを考慮することが大切です。

ブロック塀のDIYはやめた方が良い?

ブロック塀をDIYで作ることは、コスト削減の魅力から考える方もいるかもしれません。しかし、ブロック塀のDIYは専門的な知識や技術が必要で、非常にリスクが高いため避けた方が良いでしょう。

まず、ブロック塀の施工には建築基準法で定められた厳しい規制があります。基礎の強度やブロックの積み方、鉄筋の使用など、細かい基準を守らなければなりません。これを守らないと地震などの自然災害時にブロック塀が倒れ、人命にかかわる事故につながる可能性があります。

また、施工手順は複雑で、基礎の掘削やコンクリートの打設、ブロックの積み上げ作業などが含まれます。特に、ブロックの水平や垂直の確認、鉄筋の適切な配置が重要であり、これらを確実におこなうには専門的な技術が必要です。

もしDIYでブロック塀を作り、それが倒壊してしまった場合、責任はDIYを行った本人にあります。損害賠償や法律上の責任を負う可能性もありますので、安全面を考慮し、ブロック塀の施工は経験豊富な専門業者に依頼することを強くおすすめします。

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ブロック塀は住宅の見た目を大きく左右するため、こだわりをもってリフォームしたいと思うもの。今は安価なコンクリートブロックにデザインを施すことも可能になっております。耐久性や見た目を考慮してリフォームするのであれば、プロにお任せした方が安心です。

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監修プロのコメント

最近は、フェンスを使った外構が主流になり、ブロックを好まれるお客様が少なくなくなってきていると感じます。

しかし、ブロック塀のメリット(安全性の向上、プライバシーの保護、防犯効果など)はたくさんあります。安価なコンクリートブロックの施工であっても、デザインブロックを積みあげて、センスの良い外観に仕上げることもできます。弊社でもお客様からとても人気の施工なので、ぜひ検討してみてください。

年月が経つと、コケやカビなどにより、黒く変色してしまうこともありますが、専用洗剤などで手軽にメンテナンスが可能です。

すでにあるコンクリートブロックをリフォームする場合は、地方自治体によって助成金等が出る可能性もあります。事業者や自治体の窓口に相談するのがおすすめです。

この記事を監修したプロ
三浦 恵美 さん

株式会社がってん

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この記事を書いた人

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