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  6. 外壁のコーキングとは?耐用年数や補修方法について解説
2022/11/15 2024/04/09

外壁の目地に充填材を入れる「コーキング」は、雨水の侵入や外壁の劣化を防ぐために必要です。コーキングが劣化すると、ひび割れや肉やせなどの異常が発生しますし、放置すると雨漏りの原因になるため注意しましょう。コーキングの補修は難しい作業であるため、業者に依頼する必要があります。

この記事では、コーキングの耐用年数や劣化症状、補修方法やシーリング材の種類について解説しています。コーキング工事の方法や効率的なタイミングも紹介しているため、外壁のコーキング補修を検討している方はぜひ参考にしてください。

コーキングとは?

コーキングとは、外壁材の目地に充填材を入れることです。この充填剤のことをコーキング材と呼びます。

サイディングやALCパネル・タイルといった外壁材を使用すると、外壁材同士に隙間が生まれます。これは、複数のボードやパネルを貼り合わせているからです。隙間を放置すると、そこから雨水が侵入してしまいます。そこで、目地を埋める作業を施すことで、水の侵入を防げるのです。

また、コーキングは外壁の劣化を防ぐうえで重要な役割も果たします。外壁材は、気温の変化や地震などの影響を受け、収縮やズレが発生する可能性があります。柔らかく伸縮性のあるコーキング材を詰めることで、コーキング材が緩衝材の機能を果たし、負担を軽減してくれるのです。さらに、外壁のひび割れを補修する際にも、コーキングが行われます。

コーキングは、外壁以外にも、キッチンや浴槽と壁の隙間を埋める際にも用いられる方法です。

コーキングは、簡単な作業ではありません。少しでも失敗すると、雨水の侵入や外壁、ひいては住宅全体の劣化にもつながる難しい作業です。そのため、施工は業者に依頼する必要があります。

コーキングとシーリングの違いについて

コーキングとシーリングにはほとんど違いがありません。業者やメーカーによって呼び方が異なるのです。

コーキング材とシーリング材は、厳密には定義が異なります。JIS規格では、油性コーキング材を「展色材と鉱物質充填剤を混合して製造したペースト状のシーリング材」と定義しています。また、シーリング材は「構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料」のことです。つまり、ペースト状のシーリング材をコーキング材、それ以外の詰め物をコーキングと呼ぶ、と解釈できます。

また、隙間や劣化によって穴の空いた箇所に詰め物をして補修することをコーキング、防水性や気密性を高めることを目的に詰め物をすることをシーリング、と使い分ける場合もあります。

しかし、コーキングとシーリングは同じ作業のことを指すのが一般的です。外壁のリフォーム工事を行う際は、どちらの呼び方でも伝わるため、使い分けは必要ありません。

外壁のコーキングの耐用年数

外壁のコーキングの耐用年数は、5〜10年です。施工したばかりのコーキングは弾力があります。劣化すると、薄く硬い状態になり、ひび割れや剥離などの異常が発生します。雨漏りや住宅の損傷につながるため、5~10年を目安に、補修作業を行いましょう。

もちろん、寿命は気候や立地などの環境によって異なります。例えば、寒暖差が激しい場所や多くの紫外線が当たる場所では、通常よりも早く劣化することが多いです。一方、コーキングの上に塗装を行っていると、寿命が伸びる場合があります。外壁コーキングの様子を定期的にチェックし、必要であればすぐ業者に補修を依頼してください。

コーキングの補修が必要な劣化症状

コーキングの劣化が進むと、以下のような症状が見られます。

  • ひび割れ・破断
  • 肉やせ・剥がれ

ひび割れ・破断

コーキング材には可塑剤が含まれています。外壁が日光を浴び続けると、紫外線で可塑剤が気化し、表面に浮き出てきます。可塑剤が浮き出ると、コーキング材の弾力が失われ、硬くなってしまうのです。やがて、コーキングにひび割れが発生します。ひび割れは、コーキングが近いうちに寿命を迎える合図です。

さらに硬くなると、コーキングが切れてしまう破断が発生します。破断が起こると早急な補修が必要です。そのため、ひび割れを見つけた時点でリフォームを検討しましょう。

肉やせ・剥がれ

肉やせとは、コーキングが劣化とともに弾力を失うことで、コーキングが細くなってしまうことです。肉やせを放置し、さらにコーキングが細くなると、コーキングが剥がれてしまう剥離状態になります。

劣化以外に、施工不良が原因で肉やせや剥がれが起こることもあります。施工時にコーキングの量が足りなかった場合や、コーキング材を接着するプライマーの塗布が不十分な場合、肉やせや剥がれが発生してしまうのです。施工からあまり年数が経っていないにもかかわらずこれらの異常が見られる場合は、施工不良を疑いましょう。

肉やせ剥離を放置すると、隙間から雨水が侵入します。雨漏りは、屋根や内部の腐食やシロアリの発生などのトラブルを引き起こすため、必ず補修を行いましょう。

主な補修方法

コーキングには、2つの補修方法があります。

  • 打ち替え
  • 増し打ち

コーキングの補修工事を行う際は、それぞれのメリット・デメリットや費用相場を理解しましょう。施工を検討する際は、まずは業者にどちらの方法が良いか相談してください。無料で見積もりも依頼できるため、比較検討して工法を選択しましょう。

また、コーキングと外壁塗装の補修工事は、同時に行うのがおすすめです。コーキングが劣化しているということは、外壁塗装の補修も必要な時期であると言えます。同時に行うことで、足場代が1回分で済み、費用を15万~20万円程度安く抑えられるのです。

打ち替え

打ち替えは、既存のコーキングを完全に撤去して、新たにコーキング材を注入する方法です。

打ち替え工事にかかる費用相場は、1メートルあたり約900~1,200円です。既存コーキングの撤去費として約1万~3万円がかかります。さらに、高所作業の場合は足場代として約15万~20万円が別途必要です。

打ち替えのメリットは、完全にコーキングが新しくなるため、防水機能や負担軽減性能が蘇る点です。耐用年数もリセットされるため、一度打ち替え工事を行えば、長期間補修の必要がありません。

一方、既存のコーキングを撤去するため、別途費用がかかる点がデメリットです。また、増し打ちよりも注入するコーキング材の量が多いため、その分費用が高くなります。

増し打ち

増し打ちは、既存のコーキング材の上から新しいコーキング材を注入する方法です。

増し打ち工事にかかる費用相場は、1メートルあたり約500~1,000円です。打ち替えと同様、高所作業の場合は足場代として約15万~20万円が別途かかります。

増し打ちのメリットは、注入するコーキング材の量が少なく済むため、打ち替えよりも費用が安くなる点です。また、既存のコーキング材を撤去する作業も必要ありません。

一方、既存のコーキング材の劣化は止められないため、耐久性に劣るというデメリットがあります。工事を行っても、耐用年数は2〜5年程度です。また、十分な厚みを確保できない場合もあります。さらに、既存のコーキング材と新たなコーキング材が接着せず、剥がれてしまう場合もあるため注意が必要です。

基本的には、増し打ちではなく打ち替えがおすすめです。短期的には工期や費用を抑えられる簡単な増し打ちの方が良いように見えます。しかし、増し打ちで外壁の耐用性を高められるわけではありません。近いうちにまた補修が必要になるため、最終的には打ち替えのほうが費用を抑えられることも多いです。

また、新たなコーキング材を注入することで、ひび割れや肉やせといった、既存のコーキングの劣化具合が確認できなくなります。もし業者から増し打ちを提案された場合は、増し打ちでいい理由や次の補修タイミングなどを必ず確認してください。

シーリング材の種類

コーキングの耐用年数は、シーリング材の種類によって異なります。コーキングに用いられるシーリング材には、以下の2つのタイプがあります。

  • 1液型
  • 2液型

また、主成分によって以下の3つに分けられます。

  • 水性アクリル
  • ウレタン系
  • 変性シリコン

シーリング材の種類ごとの特徴についても理解しましょう。

1液型・2液型による違い

1液型のシーリング材は、塗料缶の1液のみで使えるタイプです。施工の際は、希釈材と混ぜて使用します。

1液型のメリットは、素人でも扱いやすく、ホームセンターで簡単に入手できる点です。また、価格が安く、余っても次の日に使用できます。

一方、2液型に比べると耐久性が劣る点や、塗料缶自体の使用期限が短い点はデメリットです。また、ALCパネルや金属部分など、材質によっては塗装できない場合もあります。

2液型のシーリング材は、主剤と硬化剤に分かれており、施工の際に希釈材と混ぜて使用するタイプです。硬化剤は、コーキングを固める役割を果たします。

2液型のメリットは、1液型に比べて耐久性が優れている点や、塗る材質を選ばない点です。コンクリートやセメント・サイディング以外に、ALCパネルや金属・スレートなどにも対応できます。また、塗料缶自体の使用期限も長いです。

方、施工や管理に手間がかかり、1液型よりもコストがかかります。経験豊富な業者でないと対応が難しいです。また、一度混ぜた塗料は当日しか使用できないため、使い切る必要があります。

多くの業者が採用しているのは、手軽な1液型です。2液型を使って施工したい場合は、技術のあるシーリング専門業者に依頼する必要があります。

主な成分・素材

水性アクリルは、1液型のシーリング材です。ALCのパネルの目地の充填に多く用いられます。水性なので作業性に優れていますが、十分に乾燥させないと雨水で流れてしまう可能性が高いです。また、耐候性・耐久性が低く、肉やせが起こる場合もあります。そのため、補修に用いられることは少ないです。

ウレタン系は、1液型と2液型どちらのタイプもあり、高い耐久性を誇ります。弾力性があるため、密着性が高いのも特長です。そのため、外壁のコーキング補修によく用いられます。

一方、耐候性が低く、紫外線に弱いのがデメリットです。また、埃が付着しやすいため、塗装で保護する必要があります。

変性シリコンは、ウレタン樹脂を原料としたシーリング材です。1液型と2液型のどちらのタイプもあります。一般的なシリコンと違い、変性シリコンは上から塗装できるのが特長です。そのため、外壁コーキングに多く活用されています。耐候性も高いです。

一方、ウレタン系よりも密着性が低く、通常のシリコンよりも耐久性が低いというデメリットがあります。

コーキング工事の工程

ここでは、外壁コーキングの打ち替え工事の工程をご紹介します。

  1. 既存シーリング材を撤去
  2. 非コーキング部分を養生テープで保護
  3. 専用プライマーを塗布
  4. シーリング材を充填
  5. 養生テープを撤去し、乾燥

コーキング工事は業者が行うのが一般的ですが、どのような方法で作業を進めるか、全体の流れを理解しておきましょう。

専用プライマーは、シーリング材の密着性を高めるために必要です。プライマーの塗布が不十分だと、コーキングの剥がれの原因になります。

シーリング材は、目地の奥までしっかり流し込むことが重要です。シーリング材が不足していると、後々肉やせの発生につながります。

シーリング材を充填したら、コテを使って均等に押し込みます。この工程を怠ると、内部に隙間ができてしまうのです。隙間ができると、劣化が早まり、ひび割れにつながります。

最後に、シーリング材をしっかり乾燥させます。上から塗装を行う場合は、シーリング材が完全に乾いたのを確認してから作業しましょう。

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工事は、足場なしでも出来る?

屋根の補修や外壁塗装と同様、外壁のコーキング補修工事には足場代がかかることがあります。前述のとおり、15万〜20万円ほどの高額な費用が発生するため、足場なしで作業はできるのか、と考える方も多いです。

結論から言うと、外壁のコーキング補修の場合は、基本的には足場が必要です。建物に足場を設置することで、業者が安全に施工できます。また、足元が安定するため、作業もしやすくなります。

どうしても費用面が厳しい場合は、見積もりを依頼する際に業者に相談してみましょう。

コーキング打ち替えと一緒に外壁塗装を行うと効率的

コーキング打ち替えと外壁塗装リフォームは、同時に行うのがおすすめです。コーキングと外壁塗装は、耐用年数が同程度です。工事を2回に分けると、足場代も2回分発生してしまいます。

また、外壁塗装リフォームを行う場合は、たとえ劣化していなかったとしても業者は既存のコーキングを撤去し、コーキングし直す必要があります。そのため、同時に行うのが効率的です。

外壁コーキングの補修はDIYで出来る?

外壁のコーキング補修は、危険を伴う難しい作業です。シーリング材や必要な道具はホームセンターで手に入れられますが、DIYはおすすめできません。高所での作業は、落下の危険性があります。シーリング材が目に入ってしまうリスクもあり、危険です。

また、補修自体が簡単ではありません。コーキングやプライマーの量が足りなかったり、乾燥時間が不十分だったりすると、せっかくの工事も無駄になってしまいます。施工不良は、ひび割れや雨漏りなどのリスクにつながるため、注意が必要です。施工は、DIYではなく、スキルや経験が豊富な業者に依頼しましょう。

費用が気になる場合は、複数業者に相見積もりをとってください。多くの業者が、見積もりや相談に無料で対応してくれます。

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今回は、外壁のコーキングについて、機能や補修方法、種類ごとの特徴やメリット・デメリットなどをご紹介しました。外壁のコーキング補修工事を依頼する際は、信頼できる業者を見極める必要があります。

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