襖の上からでも、壁紙を貼ることは十分可能です。特に古い襖や汚れが目立つ襖を使い続けると部屋全体の雰囲気が暗くなるため、定期的に張り替える必要があります。襖の劣化が見られるなら、襖に貼れる壁紙でおしゃれにリフォームしましょう。
本記事では、DIYで襖に壁紙を貼る方法や張り替え時のコツ、襖向け壁紙の選び方を解説します。襖の張り替えにおすすめの壁紙についても紹介するので、襖リフォームで困っている方はぜひ参考にしてください。
襖に壁紙は貼れる!DIYでの張り替えも可能
襖の張り替えには「襖(ふすま)紙)を用いるのが基本ですが、壁紙を使うことも可能です。襖紙に比べてデザイン性が高いため、和室を洋室のような雰囲気に一新させることができます。道具さえ揃えればDIYでも張り替えられるので、比較的コスパの良いリフォームとも言えるでしょう。
襖(ふすま)紙と壁紙の違いは?
襖紙と壁紙の違いは、材質と使用目的にあります。襖紙は和紙や織物が主流で、和室の襖や障子に使用されるのに対し、壁紙はビニールクロスや紙が主流で洋室やキッチンの壁に使用されるケースが多いです。
また、襖紙は「襖専用」として作られているため、通気性が良く耐久性も高いという特徴があります。対して壁紙は消臭や防火といった機能性に優れており、豊富なデザインから選べるのが魅力です。無地だけでなく、北欧風やストライプ柄といった壁紙もあるので、部屋の雰囲気を変化させたいときに向いています。
ただし、基本的に壁紙は襖での使用を想定して作られていません。壁紙を襖の張り替えに使用することは可能ですが、場合によっては通気性や耐久性の面で不便を感じる場合もあるでしょう。
壁紙を貼れる襖の種類
襖に壁紙を貼ることは可能ですが、襖の種類によって可能な貼り方は異なります。襖は大きく下記3種類に分けられるため、まずはそれぞれの特徴を確認することが大切です。
- 本襖
- 戸襖(板襖)
- 発泡スチロール襖・段ボール襖
また、襖紙と壁紙では根本的な用途が異なるため、誤った貼り方をすると襖が傷つく恐れがある点は留意しておきましょう。
本襖
本襖とは、細かい木の枠組み(中骨)に和紙を数枚重ね、その上に襖紙を張り付けた襖のことを指します。昔からある伝統的なタイプで、通気性に優れているのが特徴です。
反りやねじれにも強く、外枠を外せば襖紙を張り替えられます。量産できないため高価な傾向にありますが、骨組みがしっかりしていれば何度でも張り替え可能なので、総合的に見ればコスパが良いと言えるでしょう。
本襖に壁紙を貼る際は、のりまたは両面テープを使った方法がおすすめです。
戸襖(板襖)
別名板襖と呼ばれる戸襖は、骨組みの上にベニヤ板を重ね、その上に襖紙を貼ります。和室と洋室を区切るために使用され、和室側には和風の襖紙、洋室側には木材やクロスを貼る場合が多いです。
戸襖にも壁紙を貼ることは可能ですが、本襖とは異なり縁の取り外しはできません。壁紙を貼る際は、既存の襖紙から重ねるように壁紙を重ねましょう。戸襖の場合は、のりや両面テープのほかアイロンでの貼り付けも可能です。
発泡スチロール襖・段ボール襖
発砲スチロール襖と段ボール襖とは、それぞれ芯材に発泡スチロールと段ボールを使用している襖のことです。木製の枠を使わないため比較的軽量かつ価格も安い傾向にあります。賃貸住宅にもよく使用されている襖ですが、他の襖に比べて強度が低い点には注意が必要です。
発砲スチロール襖・段ボール襖に壁紙を貼る場合は、できるだけ両面テープを使用すると良いでしょう。のりで塗ると襖が反ってしまう恐れがあるほか、どちらも熱に弱いためアイロンでの貼り付けはできません。
戸襖と同様に枠は外せないため、襖紙に壁紙を重ねて貼る必要があります。
襖の張り替えに適した壁紙の選び方
襖の張り替えに壁紙を使用するなら、適した壁紙のタイプを選ぶことが大切です。
- 襖の張り替え方法で選ぶ
- 国産壁紙か輸入壁紙かで選ぶ
- 襖に貼れる壁紙の素材・種類で選ぶ
ここでは、襖の張り替えに適した壁紙の選び方を詳しく解説します。
襖の張り替え方法で選ぶ
襖の張り替え方法には、大きく「のりで貼るタイプ」「シールタイプ」「アイロンタイプ」「両面テープタイプ」の4種類があります。
本襖や戸襖の場合は、基本的に全ての張り替え方法を適用することが可能です。一方で発泡スチロール襖やダンボール襖は頑丈なつくりではないので、のりを使うと水分で襖が反ってしまう恐れがあります。また、発泡スチロール襖は熱に弱い性質のため、アイロンで貼ることはできません。
どの襖のタイプでも貼れる壁紙を選びたいなら、シールタイプや両面テープタイプを選ぶようにしましょう。ここでは、それぞれの張り替え方法について解説します。
のりで貼るタイプ
のりで貼るタイプの壁紙は、その名の通りのりを塗って壁紙を貼り付けるのが特徴です。のりを使用してしっかりと貼り付けるため、耐久性が高く長持ちする傾向にあります。
のりで貼り付けるタイプには「自分でのりを塗るタイプ」と「襖紙にあらかじめのりが塗られているのり付きタイプ」があるので、使いやすいほうを選びましょう。水に濡らせば軽い力できれいに剥がせる壁紙が多いので、初心者でも安心です。
ただし、のりタイプは貼ってから乾くまでに時間がかかるのがデメリット。シワやたるみもできやすいので、張り替える際はある程度のコツが必要になります。
裏面がシールになったタイプ
裏面がシールになったタイプの壁紙は、初心者でも簡単に貼れるのが魅力です。粘着シート(シール)を剥がして貼るだけなので、どんな襖の種類でも対応できます。
道具が少なくて済むほか、張り替え時間も短いため、DIYでの張り替えにもおすすめのタイプです。木目調や北欧風の壁紙を購入すれば、賃貸でも気軽に模様替えできます。
しかし、のりタイプと同様にズレやしわができやすいため、1人での作業は難しい傾向にあります。DIYできれいに貼りたいなら、必ず複数人でシワを伸ばしながら張り替えましょう。
アイロンで貼るタイプ
アイロンで貼るタイプの壁紙は、熱を加えることで接着する特殊な素材を使用しています。シワが寄りにくく、表面が滑らかに仕上がるのがメリットです。
特に襖の表面がザラザラしている場合でも、アイロンを使用すればきれいに貼ることができます。
ただし、アイロンの当て方を誤ると壁紙が縮んでしまう恐れがあるので注意しましょう。なお、発泡スチロール襖は熱に弱いため、アイロンタイプの壁紙は使用できません。
両面テープで貼るタイプ
両面テープで貼るタイプの壁紙は手軽に使えるうえ、強力な粘着力を持っているのが特徴です。張り替えも簡単で、襖の寸法に合わせてカットして使うことができます。
発泡スチロール襖や段ボール襖など、のりやアイロンが使いにくいタイプの襖にもぴったりです。壁紙の位置も微調整できるため、初心者でも安心して作業できるでしょう。
一方で一度壁紙を貼ると剥がしにくいため、やり直ししづらいのがデメリット。両面テープタイプを使用する場合は、狭い範囲で試し張りをしてから広範囲に貼るのがおすすめです。
国産壁紙か輸入壁紙かで選ぶ
襖に使える壁紙には、大きく「国産壁紙」と「輸入壁紙」の2種類があります。基本的に襖の張り替えに使用する場合は、国産壁紙を使用するのがおすすめです。
国産壁紙は幅が約92cmで、襖の一般的な幅である約90cmに近いサイズ感のため、1枚貼り付けるだけできれいに張り替えられます。
一方輸入壁紙は約52cmのものが多いため、襖に貼る場合は2枚程度張り合わせなければいけません。2枚以上使うと継ぎ目が出てしまうので、初心者だときれいに貼れない可能性も考えられます。
そのため、基本的には国産壁紙を選び、豊富なデザインの中から選びたい場合は輸入壁紙の中から選ぶと良いでしょう。
襖に貼れる壁紙の素材・種類で選ぶ
襖に貼る壁紙の素材や種類も、選択の際に重要なポイントです。素材によって質感や貼りやすさ、耐久性が異なります。ここでは、代表的な素材である和紙襖紙と織物襖紙について解説します。
和紙襖紙
和紙襖紙は伝統的な日本の素材であり、柔らかくしなやかな質感が特徴です。落ち着いた雰囲気を演出でき、透湿性があるため部屋の湿度を適度に調節してくれます。
また、和紙襖髪には鳥の子・上新鳥の子・鳥の子・本鳥の子といったランクがあり、ランクが上がるほど価格も高額になります。和紙独特の風合いがあるため、古民家や和モダンなインテリアにおすすめです。
織物襖紙
織物襖紙とは、和紙に繊維を折りこんだ高級感のある素材です。耐久性が高く、しっかりとした厚みがあるため、襖の張替えにも適しています。
大きく普及版織物・中級織物・上級織物の3つのグレードがあり、麻や木綿などの天然繊維を織り込んだものは費用が高額になります。織物襖紙は豪華な模様やテクスチャーがあるため、部屋を洗練された印象にしたい場合におすすめです。
DIYも簡単!襖の張り替え方法
襖に壁紙を貼る方法としては、主に両面テープを使う方法とのりを使う方法が挙げられます。アイロンを使う方法もありますが、本襖や発砲スチロール襖には適さないことも多いため避けたほうが無難です。
ここでは、襖への壁紙の貼り方をテープとのりに分けてご紹介するので、DIYを検討している方はチェックしてみてください。
また、以下の関連記事では壁紙・クロスの素材別費用や施工事例について解説しています。実際にかかった費用についても紹介していますので、気になる方はぜひご覧ください。
関連記事:壁紙・クロス張り替えリフォームの費用相場
両面テープを使った貼り方
まずは、両面テープを使った貼り方を紹介します。襖に壁紙を貼る際は、下記のものを準備する必要があります。
【準備するもの】
- 壁紙
- 両面テープ
- カッター
- 定規
- マスキングテープ
- ヘラ(竹ベラ・地ベラ)
- 雑巾
- ハサミ
- ローラー
必要な道具を揃えたら、下記の手順に沿って壁紙を貼っていきましょう。
- 襖の表面を掃除する
- 襖の高さを測定後、引き手を外す
- 壁紙をカットする(襖の高さより10cm高くカット)
- 襖の4辺に両面テープを貼り、縦・横に20cmの四角形を作るように貼る
※縦長と横長のテープが重ならないよう注意
- 壁紙を貼る位置を決め、マスキングテープで壁紙の縦半分を仮止めする
- 仮止めした反対側から壁紙を貼り付ける
※両面テープの剥離紙を少しずつ剥がし、転がすようにして壁紙を貼るのがコツ
- 壁紙を貼り終わったらヘラで襖の縁に折り目を付ける
- カッターまたはハサミで折り目をなぞるようにカットする
- 引き手をはめる穴を空ける
両面テープを使って壁紙を貼る際は、シワやたるみが出ないようにするのがポイントです。1人でうまくできない場合は、複数人でシワを伸ばしながら貼り付けましょう。
のりを使った張り方
つづいて、のりを使った貼り方を見ていきましょう。本襖や戸襖はのりで貼り付け可能ですが、発泡スチロール襖やダンボール襖の場合は、襖が反るため他の方法で貼り付けてください。のりで壁紙を貼る際は、まず下記の道具を準備する必要があります。
【準備するもの】
- 壁紙
- 両面テープ
- カッター
- 定規
- ヘラ(竹ベラ・地ベラ)
- スポンジ
- ハサミ
- ローラー
のりを使った貼り方は、両面テープを使用した手順とほとんど変わりません。のりつきの壁紙を使うとさらに綺麗に仕上がるので、うまく貼る自信がない方はチェックしてみるのがおすすめです。
- 襖の表面を掃除する
- 襖の高さを測定後、引き手を外す
- 壁紙をカットする(襖の高さより10cm高くカット)
- 壁紙に付いているフィルムを剥がし、のり面を出す
- ハケを使い、中心から外側にかけて空気を抜く
- 余分な壁紙を折り目を付けてからカットする
- 端にはみ出たのりをスポンジで拭き取る
- 引き手をはめる穴を空ける
のりは乾くまでに時間がかかるため、貼り付けた後はなるべく触らないようにしましょう。うまく貼れなければシワやたるみができるものの、両面テープに比べてきれいに仕上がりやすいです。
DIYが難しければ襖の張り替え業者に依頼しよう
襖への壁紙の貼り付けはDIYで可能ですが、難しいと感じる場合は専門業者に依頼するのもおすすめです。「壁紙にシワができた」「誤って襖が壊れた」のような初歩的な失敗を防げるので、美しい仕上がりを期待できます。
襖の寸法から素材の選定、施工まで一貫して対応してくれるため、初心者でも安心でしょう。また、襖の引き手や芯材の補修も同時に行ってくれるため、総合的なリフォームが可能です。
張り替え費用は壁紙の種類や施工条件によっても異なりますが、襖1枚につき約2,000円〜5,000円前後が目安となります。業者によっても費用が変動するため、安く済ませたい場合は複数業者に相見積もりを取ったり地元の業者に依頼したりするのがおすすめです。
襖をおしゃれに張り替えるコツ
襖に壁紙を貼っておしゃれに仕上げたい方は、下記2つのポイントを確認しておくのがおすすめです。
- シンプルな無地柄にする
- 襖の引き戸を壁紙に合わせる
襖は部屋の雰囲気にも影響するため、シンプルな無地柄を選ぶのがポイントです。また、壁紙に合わせて引き手の色を変更すれば、統一感が生まれスタイリッシュに仕上がります。
ここからは、襖をおしゃれに仕上げるコツを詳しく見ていきましょう。
シンプルな無地柄が人気
襖をおしゃれに張り替えるためには、シンプルな無地柄の壁紙を選ぶのがポイントです。無地柄はどんなインテリアにも合わせやすく、部屋全体の雰囲気を整える効果が期待できます。部屋を広く見せる効果もあるため、落ち着いた空間を演出できるでしょう。
白地の壁紙であればデザインに飽きがこないほか、上からステッカーを貼っておしゃれにリメイクすることもできます。襖に壁紙を貼って洋風にアレンジしたい方は、木目のデザインをチョイスするのもおすすめです。
襖の引き戸を壁紙に合わせる
さらにおしゃれに仕上げたい場合は、壁紙と一緒に引き手を変更するのもひとつの方法です。襖の引き手は黒が一般的ですが、貼り付けた壁紙の色やデザインによっては悪目立ちする可能性もあるでしょう。
たとえば木目調の壁紙を使用する場合、引き戸も同様に木目調にすると自然な統一感が生まれます。引き手自体もホームセンターで販売されているので、襖を張り替える際は同時に購入を検討してみてください。
おしゃれな壁紙のおすすめアイテム
せっかく襖を張り替えるなら、おしゃれな壁紙を選びたいという方も多いでしょう。選ぶ壁紙によって、部屋の雰囲気を大きく変更することができます。
- 無地&木目調のふすま紙
- 和モダンのふすま紙
- 洋風・北欧風のふすま紙
ここでは、上記3つのカテゴリー別におすすめのアイテムを紹介します。
無地&木目調のふすま紙
無地や木目調のふすま紙は、シンプルでどんなインテリアにもマッチするため非常に人気があります。特に木目調のふすま紙は自然な風合いが魅力で、和室やモダンなリビングルームにぴったりです。ナチュラルな印象を演出できるので、部屋全体に温かみをプラスできます。
Harmn homeの木目調壁紙は北欧風の雰囲気があり、和室を洋室のように変更したい場合におすすめです。粘着性が高く、貼ってもきれいに剥がせるため賃貸物件にも向いています。詳しくは商品ページをご覧ください。
和モダンのふすま紙
伝統的な和室にしつつも現代的なデザインを取り入れたい場合は、和モダンの襖紙を取り入れてみましょう。和モダンのデザインは、和洋折衷のインテリアにも合い、おしゃれで落ち着いた空間を演出します。
富永インテリアのふすま紙を使えば、色・デザイン共に上品な雰囲気があり、部屋を明るい印象に仕上げることが可能です。のりで貼り付けるタイプなので、素人でも簡単かつきれいに張り替えられます。
洋風・北欧風のふすま紙
洋風・北欧風のふすま紙は、シンプルでスタイリッシュなデザインが特徴です。リビングや洋室に合わせやすく、部屋全体を明るくモダンに見せられます。
花柄の壁紙も多いため、部屋の一部にアクセントとして使用するのもおすすめです。全体的に淡い色使いが多いため、ナチュラルテイストの雰囲気にしたい場合に向いています。
plune.MODEのふすま紙は木の実柄のデザインの壁紙で、モノトーンでシックな印象。オリジナル性があるので、洋風のインテリアともよくマッチします。ほかにも花々やフルーツなどさまざまなデザインがあるので、好みに合わせて選んでみましょう。
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本記事では、襖に壁紙を貼る方法やおしゃれにリメイクするコツなどを解説しました。襖の張り替えはDIYでもできますが、失敗したくない方は信頼できる専門業者に依頼するのもおすすめです。
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