「フローリングの部屋に置き畳を取り入れたい」と考える方も、多いのではないでしょうか。置き畳は畳を張り替えるよりも簡単に、くつろぎのスペースをつくることができます。
本記事では、置き畳をフローリングに設置するメリット・デメリットや選び方、費用を解説します。おすすめの置き畳も紹介するため、ぜひ参考にしてください。
置き畳とは
置き畳とは、フローリングなどに自由に敷くことのできる畳のことです。ユニット畳やリビング畳とも呼ばれます。
素材は「い草」をはじめ、「和紙」や「化学製品(樹脂素材)」で作られているものもあります。置き畳は、半畳サイズの正方形のものを組み合わせて使うことが一般的です。
「フローリングの一部を畳にしたい」「和室を作るほどではないが畳のスペースはほしい」といった場合に、手軽に畳を取り入れられるアイテムです。
置き畳をフローリングに設置するメリット
置き畳を洋室のフローリングに設置することで、次のようなメリットがあります。
簡単に設置・移動ができる
通常の畳と比較して簡単に設置・移動ができる点がメリットです。フローリング材の部屋を本格的な畳の部屋にするにはリフォームが必要ですが、置き畳であれば自分でも簡単に畳を設置できます。
置き畳は通常の畳よりもサイズが小さく軽いため、簡単に持ち運ぶことが可能です。部屋全体に敷き詰めたり、リビングに畳のコーナーを作ったり、場合に応じて自由にレイアウトできます。
手入れが簡単
置き畳は、手入れも簡単です。普段の掃除は、乾拭きか掃除機を掛けるだけで問題ありません。
また、畳ごと動かせるので、天日干しも可能です。い草は水分を吸いすぎるとカビの原因になるため、定期的に天日干しをして湿気を取り除くとよいでしょう。
和紙や化学製品の置き畳であれば撥水性の高いものが多いため、汚れがついた場合でもさっと一拭きで落とせます。
コストが比較的安い
畳の部屋にするとき、通常はリフォーム工事が必要になります。しかし、置き畳の場合は置くだけで設置できるため、必要なのは置き畳本体の購入費用のみです。
費用を抑えながら、空間を和の雰囲気をつくることができます。
置き畳をフローリングに設置するデメリット
置き畳をフローリングに設置することには、次のようなデメリットもあります。
見た目や質感が違う
置き畳は通常の畳と比較して、見た目や質感が異なります。特に和紙や化学製品の素材を選ぶと、従来の畳のようない草の香りや感触が楽しめません。
畳の質感やメリットをフローリングの部屋に取り入れたいときは、い草素材の置き畳を選ぶとよいでしょう。
耐久性が低い
い草は自然素材のため定期的なメンテナンスが必要ですが、置き畳のい草は基本的にメンテナンスができず、耐久性が低い点がデメリットです。
従来の畳の場合、経年により表面が汚れたり変色したりした場合、い草の部分を裏返す「裏返し」や、交換する「畳替え」というメンテナンスを行います。
置き畳でも同じようにメンテナンスができるものもありますが、実際は買い替えることが多いでしょう。耐久性を考慮する場合は、い草以外の置き畳をおすすめします。
カビが発生することがある
置き畳は、通常の畳と同じくカビが発生することもあるため、注意が必要です。カビは高温多湿の状態で発生するため、とくに梅雨や湿度の高い夏場は適切に管理しなければなりません。
そのため、こまめに掃除や換気を行うようにしましょう。水をこぼしたときは、すぐに乾いた布で拭き取るようにしてください。
カビを避けたいときは、化学製品の置き畳を選ぶとよいでしょう。抗カビ加工が施された製品もあります。
置き畳の選び方
置き畳は、大きさや素材、デザインなどの種類が豊富です。インテリアに合わせたり、和モダンの雰囲気にしたりなど、部屋に合わせて自由に選べます。
ここでは、置き畳の選び方をみていきましょう。
大きさ
置き畳のサイズは、一辺が60〜90センチ程度の正方形が一般的です。大きいもので、半畳サイズになります。
サイズが大きければそれだけ継ぎ目が少なく、隙間からゴミが入るといった不都合がなくなるでしょう。手入れの手間をできるだけ省きたい場合は、大きいサイズがおすすめです。
小さいサイズの置き畳は軽量で、自由にレイアウトができます。ソファの前やテーブルの周りなど、限られた場所に置きたいときに便利です。
部屋一面に置き畳を敷き詰めたい場合は、サイズオーダーをすることもできます。お店によっては、1ミリ単位で依頼が可能です。
素材
置き畳に使われている素材は、主に次の3つです。
- い草
- 和紙
- 化学製品(ポリプロピレン製)
い草は香りや質感が普通の畳に近く、湿度を調整する調湿効果やリラックス効果、殺菌作用などがあります。い草は日に当たると日焼けする特徴もあり、グレードの高いい草であれば、きれいに日焼けしていく様子を楽しめます。
和紙は撥水加工が施されているものが多く、汚れに強くて耐久性が高いのが特徴です。デザインやカラーバリエーションが豊富で、部屋をおしゃれにできるという魅力があります。い草のようなカビやダニが発生する心配がないこともメリットです。
化学製品も和紙と同じくデザインやカラーが選べ、い草のデメリットをカバーしています。和紙との違いは、ポリプロピレン製のため、洗剤で洗えるという点です。
デザイン
さまざまなデザインから、お部屋の雰囲気に合わせて選びましょう。
縁無しは琉球畳とも呼ばれ、スタイリッシュな見た目です。洋室に合わせやすく、畳の目が縦と横になるよう交互に並べると影の濃淡で市松模様に見えます。
縁ありは一般の畳と似たテイストで和の雰囲気が強く、縁があることで置き畳同士の摩擦が発生しにくいのが特徴です。和紙や化学製品の素材であれば、豊富なカラーバリエーションから選べます。
機能性
い草素材の置き畳は、調湿や消臭というい草本来の効果があります。また、い草の香りにはフィトンチッドという芳香成分が含まれ、空気浄化やリラックス効果をもたらします。
置き畳は、防音効果があるのも特徴です。フローリングでは響きやすい足音を軽減し、近隣への騒音対策もできます。このほか、暖房効率を高める床暖房用の置き畳もあります。
和紙や化学製品の置き畳にはさまざまな加工で機能性を高めている商品が多く、主に次のような機能が施されています。
- 抗菌・防臭
- 抗ウイルス
- 防炎
- アレルギー物質抑制
- 衝撃緩和
置き畳の値段
置き畳のサイズは80センチ前後の正方形タイプのものが主流で、値段は素材によって異なります。
1枚あたりの価格を比較した表は次のとおりです。
い草 | 6,000~8,000円 |
和紙 | 8,000円 |
化学製品 | 14,000~17,000円 |
化学製品が高額になるのは、耐久性が高く、長く使えるためです。価格は高くても手入れが簡単で長持ちするため、トータルではお得といえるでしょう。
おすすめの置き畳
さるるの部屋 折りたためるユニット畳
簡単に置くだけで、畳の部屋が作れます。軽量でほどよいクッション性のフェルト(不織布)を使用し、スベリ止メ裏貼り加工でフローリングの上でもすべりくく安心です。たたんでコンパクトに収納できるので、使わない時はしまっておけるのもポイントです。
こうひん 縁なし 置き畳 ユニット畳 『オッチ 70』
縁なしのスタイリッシュな置き畳です。畳屋が作った商品なので、品質はお墨付き。裏面は防虫・防ダニ・防カビPPシートで加工されています。大きさと枚数を選べます。
フローリングに和のスペースを作る「小上がり和室」
置き畳ではなく、フローリングの一部に小上がり和室を設置するという方法もあります。小上がり和室とは、床の一部分に段差を設けて畳を敷いたスペースのことです。
主にリビングの一角に設置されることが多く、「畳コーナー」と呼ばれることもあります。部屋を和モダンのイメージにしたいときにおすすめです。
小上がり和室は、床から20〜40センチ程度の段差を設けることが多く、段差部分を収納スペースとして活用することもできます。
小上がり和室を後付けする費用は、3畳で15万円から、4.5畳で20万円からが相場です。小上がり和室については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
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