和式トイレは掃除がしやすい、低コストであるといったメリットがある一方で、使用時の身体への負担や汚れやすいといったデメリットもあります。
今回は洋式トイレへのリフォームを検討している方に向けて、費用や工期などのポイントをお伝えします。 トイレを快適な空間にするコツも詰まっているので、ぜひ参考にしてみてください。
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今もなくならない和式トイレの歴史
和式トイレはスリッパに似た形で、便器をまたぎしゃがんで使用するトイレのことです。前方が膨らんでおり、この部分を「金隠し」といいます。
日本人がトイレを使い始めた時期は明らかになっていません。しかし、弥生時代の遺跡には下水道のような構造も発見されており、遅くともこの時代にはいわゆるトイレが成立していたとされています。 しゃがんで用を足す和式トイレから始まり、第二次世界大戦後に西ヨーロッパから、座って使用する洋式トイレが輸入され普及しました。
和式トイレの普及率
日本に古くからある和式トイレですが、洋式トイレの登場後、利用率は低下の一途をたどっている状況です。1977年には洋式トイレの利用率が50%を超え、現在の和式トイレの利用率は全体の1%以下にとどまっています。
和式トイレのメリット
現在は洋式トイレが主流になっていますが、和式トイレにもメリットがあるため、完全に無くなる可能性は低いでしょう。和式トイレのメリットには次の3点が挙げられます。
- 掃除がしやすい
- 低コストである
- 排便しやすい
和式トイレは、洋式トイレに比べてシンプルな形であるため、掃除がしやすい点が大きな メリットといえるでしょう。現状の洋式トイレは、裏側の床や壁の拭き掃除をするのが困難な作りのものがほとんどです。
その一方、和式トイレは埋め込み式であるため、床も一緒に掃除でき、汚れた水をそのままトイレに流すことも可能です。 また、和式トイレの本体と工事の費用は、洋式トイレよりも安い点もメリットの一つといえます。
そのため、学校や商業施設など、多くのトイレを設置する必要がある場所では和式トイレが採用されることが多かったようです。 さらに、排便のしやすさも和式トイレの魅力です。しゃがむと下腹部に力を入れやすくなるため、スムーズに排便が行えます。
和式トイレのデメリット
和式トイレのデメリットは次の3点です。
- 臭いが広がりやすい
- 人によっては身体に負担がかかる
- 汚れやすい
和式トイレは槽が浅いため、排便時の臭いが広がりやすいことがデメリットとして挙げられます。 また、人によっては身体に負担がかかる可能性があることにも注意しましょう。しゃがんだ姿勢で使用するため、足腰を痛める危険性があります。特にお年寄りや介護が必要な方、妊娠中の方などにとっては使いづらい形状です。
さらに、和式トイレは便器が床と同じ高さにあるため、水で流す際に飛び散る場合があります。そのため、洋式トイレと比べて清潔に保つのが困難といえるでしょう。
和式のデメリットを解決する洋式トイレ
和式トイレを洋式トイレにリフォームすることで、和式トイレ特有のデメリットを解決することができます。ここからは、洋式トイレのメリットに加え、洋式トイレへのリフォームの種類や費用、工期などを解説していきます。
洋式トイレのメリット
洋式トイレのメリットは、以下の3点です。
- 節水できる
- 季節を問わず快適に使える
- バリアフリーである
洋式トイレで流す水の量は、最近の一般的なタイプで6リットル程度です。節水タイプでは大が3.8リットル、小が3.2リットル程度で済みます。初期の水洗トイレはおよそ20リットルが必要でしたが、技術の進歩により、少量の水で洗浄することが可能になりました。
季節を問わず快適に使えるのも、洋式トイレの大きなメリットです。温度調節が可能な便座の普及によって、寒い季節でも冷たさを我慢することなく快適に使えます。洋式トイレには欠かせないウォシュレットから、温水が出ることも魅力といえるでしょう。
また、洋式トイレのメリットとして、バリアフリーであることも挙げられます。洋式トイレは座って使用するため、しゃがんで用を足す和式トイレに比べて足腰への負担がほとんどありません。高齢の方や要介護の方も、使いやすい仕様になっています。
リフォームの種類
和式トイレから洋式トイレにリフォームする際、洋式トイレの種類を選ぶ必要があります。洋式トイレのタイプは、大きく分けて次の3種類です。
- 組み合わせトイレ
- 一体型トイレ
- タンクレストイレ
組み合わせトイレは、便器と便座、タンクがそれぞれ別売りで、好きなものを組み合わせることができるタイプです。現在最も普及しており、3種類のうちで一番低価格であることも特徴です。
故障した際は便座のみを交換できるため、無駄が少ないことが利点といえます。 一体型トイレは、便器と便座、タンクが一体型のトイレを指します。一体感のあるデザインで、拭き掃除がしやすい点がメリットです。
水を溜めるタンクがついていない、タンクレストイレもあります。シンプルなフォルムでデザインにこだわる方に人気があります。タンクがないためトイレの高さが抑えられ、トイレルームが広く見えることも魅力です。
リフォームの費用
和式トイレから洋式トイレのリフォームに必要な費用の相場は、おおよそ30〜50万円です。リフォームの費用は洋式トイレの種類やグレードによって変動します。
最も安いのは一体型トイレで、グレードが低いタイプです。一方で、最も高いのはタンクレス型トイレのハイグレードのものです。
比較検討の目安として、洋式トイレの種類とグレード別の費用相場をまとめていますので、ご確認ください。
種類/グレード | 低 | 中 | 高 |
組み合わせトイレ | 35~40万円 | 37~45万円 | 43~48万円 |
一体型トイレ | 43~45万円 | 44~49万円 | 46~54万円 |
タンクレストイレ | 48~52万円 | 51~56万円 | 54~59万円 |
和式トイレから洋式トイレへのリフォーム費用は、上記の洋式トイレへの変更後の種類やグレードだけでなく、既存のトイレの状態によっても変動します。今使っているトイレの床や壁、ドアなどが、リフォーム後にどの程度使えるかによって費用が変わるためです。築年数が経過した家の場合、費用が高くなる可能性もあることに注意しましょう。
また、新たにトイレにコンセントを設置する場合も、1万円程度費用が高くなることが一般的です。洋式トイレに暖房機能をつけるといった場合に、コンセントが必要になります。
リフォームの工期
和式トイレから洋式トイレへのリフォームの工期は、ほとんどの場合は1日程度で終わります。和式トイレに取り付けるだけで洋式風に変えられる簡易的なものは数時間で完了しますし、便器の交換を伴うリフォームであっても1日程度で終わる場合が多いです。
ただし、トイレの壁紙や床の張り替え、配管や電線の工事も行う場合は数日かかることがあることを覚えておきましょう。工事内容が同じであっても、施工業者によって工期が異なるため、事前に確認しておくことをおすすめします。
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和式トイレは掃除がしやすく、低コストといったメリットがある反面、身体に負担がかかりやすかったり汚れやすかったりするなどのデメリットもあります。和式トイレのデメリットが気になる場合は、洋式トイレへのリフォームの検討をおすすめします。
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監修プロからのコメント
和式から洋式トイレにリフォームする場合、配管の設置場所が異なります。
水回りの施工に追加費用がかかる場合があることを頭に置いておきましょう。また、和式の場合は付近に電気が通っていないこともあります。その場合は追加で電気工事も必要です。床に段差がある場合は、それをフラットにして張り替える作業も必要なこともあります。変更する素材によっても、お値段や工期が変わります。
事前にしっかり全体のプランを確認することが大切です。
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