筋トレの初心者で「自宅で気軽にトレーニングしたい」という方に向けて、効果的なメニューを紹介します。自宅のわずかなスペースでできる筋トレのメニューは豊富にあり、各部位の効果的な筋トレが可能です。
本記事では自宅で簡単にできる筋トレメニューや、初心者が始める際のポイントなどを解説します。ダイエットや筋力増強などの目的で筋トレを始めたい方は、ぜひ参考にしてください。
筋肉トレーニングの基礎知識
筋肉トレーニングを始める際は、まず基本的な知識を身につけましょう。ここでは、筋肉トレーニングの効果を出すために理想的なトレーニングの順番や回数、インターバルなどの知識を紹介します。
大きい筋肉から順番に鍛えると効果的
筋肉トレーニングは、鍛える順番が重要です。下半身には大きな筋肉が多く、下半身を集中的に鍛えることでトレーニング効果が高まります。そのため、下半身から上半身に向かう順番で鍛えるのがおすすめです。
大きな筋肉とは、お尻や太ももにある以下のような筋肉です。
- 大臀筋
- 大腿四頭筋
- 内転筋
- 下腿三頭筋
- ハムストリングス
大きな筋肉から順番に鍛えることで、以下の効果が期待できます。
- ボディ全体の筋肉量を増やす
- 効率的に脂肪を燃焼する
鍛えるべき部位の優先順位
筋トレは大きい筋肉から小さい筋肉という順番で鍛えることで、身体の筋肉量を効率的に増強できます。鍛えるべき部位の優先順位は、以下のとおりです。
- 太もも
- ヒップ
- ふくらはぎ
- 背中
- 胸
大きい筋肉を動かすと連動してほかの小さい筋肉や関節も動くため、効率の良いトレーニングができます。大きい筋肉を鍛えることで、同時に小さい筋肉も鍛えられるということです。反対に小さい筋肉から始めると、大きい筋肉をトレーニングするときにまた小さい筋肉も連動するため、疲労が大きくなってしまうでしょう。
適切なトレーニング回数とインターバル
筋トレでは、トレーニング回数とインターバルも大切です。インターバルとは筋トレのセットの間にとる休憩のことで、筋肉の疲労を回復させるために必要です。
「トレーニング回数」はひとつの種目を実施する回数のことで、種目の中で繰り返す回数をセット回数といいます。初心者の場合、10回を1セットとして2〜3セット行うのが一般的です。
適切なトレーニング回数とインターバルは筋トレの目的によって異なり、目安は以下のとおりです。
目的 | インターバル |
筋持久力の向上 | 1分以内 |
筋肥大 | 1~2分 |
筋力の向上 | 3~5分 |
【自宅で簡単】初心者におすすめの筋トレメニュー7選
自宅で簡単にできる、初心者向けの筋肉トレーニングメニューを紹介します。手順や目的、効果も解説しているので、自分にとって必要なトレーニングを見つけてください。
プッシュアップ(腕立て伏せ)
プッシュアップは腕立て伏せのことで、胸・腕・体幹を鍛えます。シンプルな動作で初心者でも始めやすい筋トレです。
<プッシュアップの方法>
- うつ伏せになり、腕を肩幅程度に広げて床に手をつく
- 腕を伸ばして体を起こす
- 肘を曲げ、床に胸がつきそうになるまでゆっくり体を落とす
- 手のひら全体で床を押す感覚で体を持ち上げる
- 3~4を繰り返す
鍛えられる部位・筋肉 | 上腕三頭筋、大胸筋、体幹 |
効果 | バストアップ、姿勢を良くする、二の腕を引き締める |
目的 | シェイプアップ、筋力増強 |
プランク
プランクはシンプルなポーズで腹筋を鍛えるトレーニングです。
<プランクの方法>
- うつ伏せになり、腕を肩幅に広げる
- 上半身を軽く起こす
- つま先を立てて下半身を浮かせる
- 息を吸いながら元の位置に戻す
- 呼吸を整えてから1〜2回繰り返す
肩からつま先までのボディが一直線になっていること、キープしているときも息は止めずに呼吸することがポイントです。
鍛えられる部位・筋肉 | 腹直筋、腹横筋、脊柱起立筋、体幹 |
効果 | お腹周りを引き締める、姿勢を良くする |
目的 | ダイエット、シェイプアップ |
ドローイング
ドローイングは、お腹周りのインナーマッスルを鍛えるトレーニングです。次に紹介するクランチと同じく初心者でも簡単にできる筋トレで、家事や仕事の合間に行いながら理想の身体が手に入ります。
<ドローイングの方法>
- うつ伏せになり、腕を肩幅に広げる
- 上半身を軽く起こす
- つま先を立てて下半身を浮かせる
- 息を吸いながら元の位置に戻す
- 呼吸を整えてから1〜2回繰り返す
- 仰向けになって膝を立てる
- 何度か腹式呼吸して、息をゆっくりと吐きながらお腹をへこませる
- 息を出し切ってお腹をへこませたら、30秒キープする
- 1〜3を1セットとして、3セット行う
鍛えられる部位・筋肉 | 腹横筋、腹斜筋、体幹 |
効果 | 基礎代謝を高める、姿勢を良くする、お腹を引き締める |
目的 | シェイプアップ |
クランチ
クランチは、腹筋を集中的に鍛えるトレーニングです。横たわるスペースさえあれば自宅でも手軽に行えます。
<クランチの方法>
- 仰向けになり、太ももを床から垂直に上げ、膝を軽く曲げる
- 両手を頭の後ろで組む
- 腰が上がらないように、肩甲骨の辺りから上体を起こす
- 息を吐きながら頭を膝に近づける
- 1〜4を10回繰り返して1セットとし、2~3セット程度行う
鍛えられる部位・筋肉 | 腹直筋、腹斜筋 |
効果 | お腹を引き締める |
目的 | シェイプアップ |
ヒップリフト
大臀筋を鍛え、お尻周りを引き締めるトレーニングです。自宅で空いた時間にでき、背中からお尻にかけてのスタイルが良くなります。
<ヒップリフトの方法>
- 仰向けになり、膝を90度曲げる
- 足と肩甲骨・頭で体を支えながら腰を持ち上げる
- 肩から膝までが一直線になるようにして、両手は体の横に置いておく
- 力を抜かず、ゆっくりと元の位置に戻る
- 10回を1セットに、3セット程度行う
鍛えられる部位・筋肉 | 大臀筋、脊柱起立筋 |
効果 | ヒップアップ、姿勢を良くする |
目的 | シェイプアップ |
スクワット
スクワットは、下半身の大きな筋肉を鍛えるトレーニングです。効率的に筋肉量を増やし、基礎代謝を高められる筋トレとして人気です。
<スクワットの方法>
- 足を肩幅に開き、つま先と膝が同じ向きになるようにする
- 手を胸の前で軽く組む
- 太ももと床が平行になるまでお尻を下げる
- ゆっくりとお尻を元の位置まで戻す
- 3〜4を繰り返す
1セット10回として、2〜3セット行います。腰を落とすときに背中が丸まったり、かかとが浮いたりしないようチェックしましょう。
鍛えられる部位・筋肉 | 大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス |
効果 | 基礎代謝を上げる、姿勢を良くする |
目的 | ダイエット |
ランジ
下半身を効率的に鍛えるトレーニングです。自宅で簡単にできるため、初心者にもおすすめです。
<ランジの方法>
- 足を肩幅より大きく開き、手は腰に当てる
- 大きく足を前に踏み出し、上体を真っ直ぐに保ちながら膝を曲げる
- 前に出した足の膝が90度になるまで腰を落とす
- ゆっくり元の姿勢に戻る
- 2〜4を5回行い、反対の足に切り替えて同じ手順で行う
鍛えられる部位・筋肉 | 大臀筋、大腿四頭筋、ハムストリングス |
効果 | 基礎代謝を上げる、姿勢を良くする |
目的 | ダイエット |
筋トレを行う頻度
筋トレは毎日するものではなく、筋肉を休める日を設けなければなりません。初心者は、週2~3回の頻度から始めるのがおすすめです。
筋肉は筋トレをしていなくても日々成長しており、筋トレによって筋肉が分解されると、その回復には時間が必要です。回復の時間には個人差がありますが、およそ48〜72時間程度かかるでしょう。回復する過程で、筋肉はより強く成長します。この期間を過ぎないうちに筋トレすると筋肉の成長が間に合わず、逆に減少する可能性もあります。そのため、筋肉の疲労をとる休養日の設定が不可欠です。
また、トレーニングする日によって部位も変えなければなりません。同じ部位だけを連続して鍛えると、筋肉の成長を妨げるためです。
1日に行う筋トレの時間は、インターバルも含めて30分から1時間以内が理想です。休養をとりながら無理なく取り組むことで、効率的なトレーニングができます。
筋トレルーティンの立て方
筋トレはバランスよく鍛えることが大切であり、ルーティンも全身を鍛えられるように組むことをおすすめします。曜日ごとに部位を決めると、継続しやすくなるでしょう。
ルーティンを立てるときは、筋肉を休ませることを考慮してください。ここでは、1週間の筋トレメニューを頻度別に紹介します。
【頻度別】1週間の筋トレメニュー
1週間の筋トレメニューを、週2回〜3回に分けて紹介します。上半身や下半身、太もも、腕などを効率良くトレーニングできるメニューです。
週2回の筋トレ
自宅で行う筋トレを週に2回行う場合、間に2〜3日の休息が入るため、無理なく効率的なトレーニングができます。以下のようなスケジュールがおすすめです。
日曜 | 全身(プランク、ドローイング、ヒップリフト、スクワット) |
月曜 | 休息日 |
火曜 | 休息日 |
水曜 | 休息日 |
木曜 | 全身(プランク、クランチ、ヒップリフト、ランジ) |
金曜 | 休息日 |
土曜 | 休息日 |
回数が少ないため、1日で全身の部位を筋トレするメニューをこなします。全身の筋肉を適切に刺激することで、効率的なトレーニングができるでしょう。
上半身・下半身をそれぞれ2日で分ける方法もあります。1日のトレーニングでは、各メニューを実施するたびに休憩を挟むことも大切です。
週3回の筋トレ
自宅で行う週3回のトレーニングは、上半身と下半身に分け、それぞれの部位を鍛えましょう。一例として、以下のようなメニューがあげられます。
日曜 | 上半身(プランク、ドローイング) |
月曜 | 休息日 |
火曜 | 休息日(ヒップリフト、スクワット、ランジ) |
水曜 | 下半身 |
木曜 | 休息日 |
金曜 | 上半身(プランク、ドローイング、クランチ) |
土曜 | 休息日 |
1〜2日の休息を挟んで行うメニューであり、筋トレに慣れてきて筋肉の回復が早くなってきたころにおすすめです。週2日の場合と同じく、各メニューの間に適切な休憩を挟むことが大切です。
初心者が筋トレをする際のポイント
初心者が自宅で筋トレを効率的に行うには、ウォーミングアップやクールダウンを行うなど、いくつか注意すべきポイントがあります。
筋トレ前後のストレッチを心がける
筋トレはいきなりトレーニングを開始するのではなく、ウォーミングアップのストレッチで身体を柔らかくしておくことが重要です。ストレッチは筋トレのパフォーマンスを高めるだけでなく、怪我を予防する目的もあります。
ストレッチは筋トレの前後で必要ですが、前とあとでは、ストレッチの方法が異なる点に注意しましょう。筋トレ前は股関節や筋肉を大きく動かして十分に伸ばし、柔軟性を高める動的なストレッチを行います。
一方、筋トレ後のストレッチは筋肉の疲労を回復させ、緊張を解いてリラックスする目的があります。時間をかけて筋肉や関節をゆっくりと伸ばし、リラックスしながら行いましょう。
クールダウンはしっかり行う
筋トレのあとは筋肉が炎症を起こしています。修復や回復を早めるためには、クールダウンも大切です。疲労回復をすることで、トレーニング効果のアップも期待できるでしょう。
クールダウンには、ストレッチやウォーキングなどの軽い運動がおすすめです。軽い運動をすることで、興奮している神経・筋肉を鎮静させます。
また、入浴の際はゆっくりと湯船につかったり、夜は十分な睡眠をとったりすることも筋肉回復の向上につながります。
筋肉に必要な栄養素を摂取する
筋トレの効果を上げるには、筋肉に必要な栄養の摂取も重要です。特に筋肉の回復には魚・肉・乳製品などのタンパク質が欠かせません。
ダイエットでは炭水化物など糖質を制限しがちですが、糖質は筋肉を動かすエネルギー源であり、筋力を高めるために必要な栄養素です。エネルギー源が不足すると、エネルギーを作り出すために筋肉が分解されてしまうため注意しましょう。
ほかにも、筋肉の合成を促進するビタミンDや、エネルギー代謝に効果的なビタミンB群などは積極的に摂りたい栄養素です。
負荷をかけすぎない
筋トレでは負荷をかけすぎないように注意しましょう。ダイエットを開始したばかりのときは早く効果を出したいために張り切り、負荷をかけすぎてしまう可能性があります。過度なトレーニングは筋肉が疲労してしまい、怪我につながる可能性もあるでしょう。
初心者のうちは簡単なトレーニングメニューで、10回を3セット程度行うだけで十分です。1回の筋トレは30分程度にとどめましょう。慣れてきたら、徐々に負荷を上げていくようにしてください。
満腹・空腹状態で行わない
筋トレの前は、満腹・空腹のどちらも良くありません。空腹状態でトレーニングすると、エネルギー源として筋肉が分解されてしまい、トレーニング効果が得られない可能性があります。
筋トレ前に摂る栄養は、必須アミノ酸や糖質などがおすすめです。素早くエネルギー源となり、パフォーマンスも向上するでしょう。
満腹状態でトレーニングを行うこともNGです。食後は食べ物を消化するため、胃腸に多くの血液や酸素が必要になります。
しかし、筋トレをすると血液が筋肉に流れるため、胃腸への血液・酸素が不足して消化不良になってしまいます。食事のあとの1〜2時間は消化にかける時間であり、筋トレは避けるようにしましょう。
鍛える目的を意識する
筋トレを継続するためには、目的を意識することが重要です。「何のために」「どこを」を鍛えるのかを明確にしましょう。
目的が具体的かつ明確であれば、モチベーションを維持でき、筋トレを長く続けられます。途中でやめたくなったときでも、目的がはっきりしていれば、続ける原動力になるでしょう。
ただ漠然と「痩せたい」「筋肉をつけたい」と考えるのではなく、より具体的に「なりたい自分」をイメージすることが大切です。
初心者におすすめな筋トレ器具・アイテム
初心者の筋トレは自重による簡単なメニューもありますが、器具を使うことでよりメニューの幅が広まります。また、怪我の予防やパフォーマンスの向上のためにも、トレーニングマットは必要です。
ここでは、筋トレグッズのおすすめを紹介します。
トレーニングマット
自宅で筋トレする場合に必要なのが、トレーニングマットです。自重トレーニングは床に膝や肘をつくことも多く、衝撃を和らげるトレーニングマットが欠かせません。怪我の予防にもつながります。
重量のある器具を使用する場合に、トレーニングマットがあれば床を傷つけるのも防ぎます。
また、マンションなどの集合住宅で筋トレを行う場合にも、トレーニングマットが必要です。柔らかい素材を使ったトレーニングマットは、近隣への振動・騒音を防ぐ効果が期待できるでしょう。
ダンベル
筋トレの効果を高めるには、ダンベルの使用がおすすめです。ダンベルはさまざまなメニューに取り入れられるため、運動効果を効率的に高められます。
ダンベルには重さが固定された固定式と、重量を変えられる可変式があります。可変式は自分の運動負荷に合わせて重さを調整できるため、初心者や女性にも最適です。また、場所を取らないのもメリットです。負荷に慣れてきたら負荷を徐々に増やしていくことで、より効果的なトレーニングができるでしょう。
チューブ
チューブは、ゴムの張力が負荷となるトレーニング器具です。場所をとらず手軽に自宅で筋トレできるため、初心者にも人気のあるアイテムです。持ち運びしやすく、旅行や出張先でもトレーニングができます。
引っ張るだけで自然な負荷がかかり、長さを変えるだけで強度の調整ができるのもメリットです。紐状や平らなゴムバンドタイプなどバリエーションがあり、グリップが付いて使いやすいタイプもあります。体力に合わせて適切なものを選びましょう。
ゼヒトモでパーソナルトレーニングのプロを探す
今回は、初心者でもできるおすすめの筋トレメニューについて紹介しました。簡単にできる筋トレばかりなので、自宅で気軽にトレーニングをしたい方におすすめです。
しかし、効果的な筋トレをより高いレベルで習得したいと考える人も多いでしょう。そんな方は、ゼヒトモからパーソナルトレーニングのプロを探してみませんか?
いくつかの質問に答えるだけであなたにピッタリのプロが見つかります。パーソナルトレーナーを探している方は、ゼヒトモをお気軽にご利用ください。
パーソナルトレーニング関連の最新記事
ダンベルなどの器具やマシンがなくても、自分の体重(自重)を活かすことで、適度に負荷をかけた効果的な筋トレが可能です。 この記事では、自宅で可能な自重トレーニングのやり方や、上体全体や背中、太ももなどの筋力アップを目指す部 […]
筋トレに慣れてきた中級者の方は、POF法やレストポーズ法などを取り入れたトレーニングがおすすめです。トレーニングメニューに関しても、難易度や負荷の高い種目にチャレンジしてみましょう。 本記事では、効果的に筋肉を鍛える中級 […]