パーソナルトレーニング
2023/06/22 2024/10/21

ダンベルなどの器具やマシンがなくても、自分の体重(自重)を活かすことで、適度に負荷をかけた効果的な筋トレが可能です。

この記事では、自宅で可能な自重トレーニングのやり方や、上体全体や背中、太ももなどの筋力アップを目指す部位別に鍛える方法について解説します。また、腕立て伏せやスクワットなどのトレーニングが、上腕三頭筋・背筋・大胸筋など、どの筋肉を肥大させるのかについてもまとめました。

とりわけ初心者は、正しい知識と姿勢・フォーム、各自の限界の目安を理解したうえでトレーニングを行うことが必要です。ぜひ参考にしてください。

自宅でできる!自重トレーニングとは

自重(じじゅう)トレーニングとは、自分の体重(自重)を活かした筋トレのことです。筋肉にある程度の負荷をかけて効果を高めるのが一般的な筋トレですが、自重トレーニングでは自分の体重を負荷として筋トレを行います。自宅でもできるのがメリットで、ダンベルやバーベルなどの器具に慣れていない初心者でも安心して行えます。

しかし、特別な器具を使わない分、正しいフォームや姿勢でトレーニングを行わないと、思わぬ怪我に繋がったり、うまく鍛えられない場合があります。鍛えたい部位にきちんと負荷がかからないと、せっかくの筋トレを行っても効果があまり得られません。

自重で行う筋トレの効果を高めるためには、自重トレーニングの基本や正しいフォームをマスターしてから行いましょう。

自重トレーニングとマシントレーニングの違い

自重トレーニングマシン・器具を使ったトレーニング
・自宅でできる
・身体に負荷がかかりすぎない
・初心者でも取り組みやすい
・メニューが豊富
・マシンや器具で効率よく鍛えられる
・負荷が大きく筋肉を傷めることがある
・マシンや器具によりメニューが限られる

自重トレーニングは自分自身の体重を負荷とするため、どこでも気軽に筋トレできる点がメリットです。部位ごとの効果的なやり方や正しいフォーム・姿勢を覚え、日々のトレーニングに加えてください。

自重トレーニングの効果を上げる4つのポイント

自重トレーニングの効果を高めるためにも、次のポイントを押さえておくことが必要です。

  1. 反復回数を重ねて負荷をかける
  2. インターバル(休憩時間)は1分程度
  3. 正しいフォームで狙った部位に筋力をつける
  4. 同じ部位は週3回前後を目安に行う

反復回数を重ねて負荷をかける

自重トレーニングでは、ダンベルやバーベルのように重量を増やすことができません。そこで、効果を高めるために重要なのが、回数を重ねて筋肉に負荷をかけることです。同じ動作を繰り返す回数を増やすことで、筋肉に負荷を与えて効果を高めます。

 インターバル(休憩時間)は1分程度

セット間の休憩時間であるインターバルを短くすることも、効果的なトレーニング方法の一つです。休憩時間を短くすることで、筋肉が回復する暇を与えず、連続して負荷をかけられます。自重トレーニングのインターバルは、30秒〜1分程度を目安として行うと良いでしょう。

正しいフォームで狙った部位に筋力をつける

どんな筋トレでも、正しいフォームで行うことはとても重要です。フォームが崩れると、鍛えたい部位とは違う筋肉が鍛えられてしまい、効果が半減してしまいます。また、正しいフォームでないと怪我のリスクが高まるため、フォームに気をつけてトレーニングを行いましょう。

自重トレーニングで高い効果を得るには、動作をゆっくりと行うことも重要なので、一つの動作を5〜8秒ほどかけて行うのがおすすめです。

同じ部位は週3回前後を目安に行う

特別な器具を使う筋トレと違い、自重トレーニングは筋肉にかかる負荷が少ないため、その分回復も早い傾向があります。最低でも週に3回は行うと効果が実感しやすいですが、理想は毎日のトレーニングです。

自宅でも気軽に行える筋トレなので、習慣化して継続できると、より高い効果を得られるでしょう。

超回復を考えた頻度で行う

超回復とは筋トレによって損傷した筋肉が修復され、トレーニング前よりも増強することです。超回復の時間を考慮することで、より効率的に体重を活かした自重トレーニングが可能になります。

超回復にかかる時間筋肉の部位
24時間腹筋、下腿三頭筋、前腕筋
48時間大胸筋、三角筋、僧帽筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、大臀筋
72時間広背筋、脊柱起立筋、大腿四頭筋、ハムストリングス

年齢を重ねると超回復までにかかる時間も長引きます。無理に筋力の限界まで追い込むのではなく、正しいやり方・姿勢・フォーム・両手の位置・上体バランスを維持することを意識してください。

また、ジムで器具を使うときはセット回数を減らすなど、身体に負荷をかけすぎないように注意が必要です。とりわけ初心者が自宅でトレーニングをするときは、トレーナーがいない分、自分自身で自重トレーニングのメリットを活かせるように管理しましょう。

長期的な筋トレメニューの組み方のコツ

自重トレーニングやジムでの筋力トレーニングの効果を高めるためにも、長期的に続けることが大切です。部位ごとの超回復の時間を考慮し、自宅筋トレの回数を決めていきましょう。

たとえば上腕三頭筋は回復に48時間かかるため、月水金と1日おきに3セット。太もものハムストリングスや背中の広背筋は72時間のため、月木のように2日おきに3セットなどとプランを立てます。

上半身・下半身に偏らず、全身をバランスよく鍛えるために、初心者は特に丁寧にメニューを組みましょう。なお、正しいやり方・姿勢・フォームを維持すること、身体の動作や手の位置に注意が必要です。体重を負荷として活用するためにも、セット数を増やして筋肉の限界まで挑戦していきましょう。

[部位別]自宅でできる自重筋トレメニュー

ここでは、自宅でできる自重筋トレメニューを紹介します。鍛えたい筋肉別に適したメニューを選びましょう。

いずれのメニューでも、鍛えたい部位(背中や背筋など)を意識することが大切です。全身や上半身、下半身のようにざっくりとした感覚では、期待するような効果を得られません。

特に、筋トレ初心者は正しいやり方・姿勢・フォームを守ること、両手を肩幅の位置につくこと、上体のバランスを意識すること、つま先までしっかりと床につくことにも注意しましょう。自重筋トレのメリットを活かし、身体全体を簡単に鍛えるためにも、基本を守ることが大切です。

【大胸筋】ノーマルプッシュアップ(腕立て伏せ)

一般的に腕立て伏せとして知られているノーマルプッシュアップは、大胸筋を鍛えられるトレーニングです。10回~20回の3セットを1日おきを目安に行いましょう。腕立て伏せは、上腕三頭筋も鍛えられます。

<筋トレのやり方>

  1. うつ伏せになります
  2. 肩幅より広めの位置で両手をつきます
  3. つま先を立てて体重をかけ、身体全体のバランスが取れる姿勢でキープします
  4. 息を吸いながら肘を曲げ、上体を限界まで下げます
  5. 息を吐きながら腕を伸ばし、2~3秒かけて元のフォームに戻ります

【大胸筋】パイクプッシュアップ

パイクプッシュアップも、大胸筋のトレーニングにおすすめのメニューです。5回~10回の3セットを1日おきに行いましょう。腕立て伏せと同様、上腕三頭筋も鍛えられるメニューです。

<筋トレのやり方>

  1. うつ伏せになります
  2. 肩幅の1.5~2倍の位置で両手をつきます
  3. つま先を床につき、お尻を高く上げた逆V字の姿勢でキープします
  4. そのままの姿勢で息を吸いながら肘だけを曲げ、上体を限界まで下げます
  5. 息を吐きながら腕を伸ばし、2~3秒かけて元のフォームに戻ります

【腹筋】クランチ

クランチは、腹筋を鍛えるトレーニングとして有名なメニューです。10回~20回の3セットを目安に行います。大胸筋や上腕三頭筋などの上半身を鍛える腕立て伏せや、太ももなどの下半身の部位を鍛えるスクワットなどの筋トレもセットにして行い、全身の筋肉を鍛えていきましょう。

<筋トレにやり方>

  1. 仰向けに寝転がります
  2. 膝を直角に曲げて持ち上げ、つま先をまっすぐに伸ばします
  3. 両手を頭の後ろに置き、背筋をつかって背中と肩を少し浮かせます
  4. 息を吐きながら腹筋を使って上体を起こし、バランスを取ります
  5. 息を吸いながら元のフォームに戻ります

【腹筋】レッグレイズ

レッグレイズは、名前の通り足を上げるトレーニングメニューで、腹筋が鍛えられます。10回・3セットを目安に行いますが、負荷を増やしたいときはクランチを加えたり、回数を増やしたりしましょう。

また、背筋を鍛える筋トレを組み合わせるのもおすすめです。大胸筋や上腕三頭筋などの上半身の筋肉を鍛える腕立て伏せや、太ももなどの下半身の部位を鍛えるスクワットなども同時に行い、身体全体を鍛えていきましょう。

<筋トレのやり方>

  1. 仰向けになり、両手は体側で手の平を床面につけます
  2. 両足をそろえて、ゆっくりと高く上げます
  3. 足と上体が垂直のフォームになったらゆっくりとつま先から下ろし、床にあたる直前の位置でバランスをキープします
  4. 筋力の限界まで姿勢を維持してから、ゆっくりと両足をアップします
  5. 繰り返します

【背筋】バックエクステンション

バックエクステンションは、背筋に効果を発揮する簡単な筋トレです。10~15回の1セットで行いましょう。ほとんどのトレーニングは3セットを目安に行いますが、バックエクステンションは回数が多すぎると背中に熱を持ち、身体全体を傷めることにもなるため、注意が必要です。

<筋トレのやり方>

  1. うつぶせに寝転び、両手は頭の上に構えます
  2. 両足は肩幅の半分程度に開き、リラックスします
  3. 背筋を使って上体とつま先を同時にアップし、数秒同じ姿勢でキープします
  4. 元のフォームに戻ります

【背筋】ハイリバースプランク

ハイリバースプランクは、背筋だけでなく腹筋や太ももなどの下半身の筋肉にも効果が期待できる筋トレです。大胸筋や上腕三頭筋などの上半身の部位を鍛える腕立て伏せや、スクワット、クランチなどの簡単なメニューとも組み合わせて行うのがおすすめです。回数の目安はないので、できる範囲で行いましょう。

<筋トレのやり方>

  1. 床に仰向けに寝転がり、両手を肩幅に開いて手のひらを床につきます
  2. 上体を浮かせます
  3. つま先から背中・頭まで身体全体が一直線になった状態で、キープします
  4. ゆっくりと元に戻ります

【上腕三頭筋(二の腕)】バックプッシュアップ

バックプッシュアップとは、通常の腕立て伏せよりも両手を少しおへそ寄りで行う筋トレです。大胸筋や背筋だけでなく、上腕三頭筋にも全体的に働きかけられ、自分の体重で適度な負荷も与えられます。10回~20回を3セット繰り返します。

上半身の筋力をまんべんなく鍛えられるため、腹筋を鍛えるクランチや、太ももなどの下半身を鍛えるスクワットと組み合わせて、バランスよく自宅で自重トレーニングを行いましょう。

<筋トレのやり方>

  1. うつぶせに寝転がります
  2. 肩幅よりも少し内側で、おへその少し上の位置に両手をつきます
  3. つま先を床につき、肘を伸ばして全身をまっすぐな姿勢に保ちます
  4. 背中をまっすぐにしたまま、上体を限界まで下ろしてキープします
  5. ゆっくりと元のフォームに戻ります

バックプッシュアップは、手をつく位置を変えるだけで、簡単に鍛える部位を変えられる点がメリットです。ただし、間違うと手首を傷めることがあるため、プロのトレーナーに解説してもらい、効果的に行いましょう。

【大腿四頭筋(お尻)とハムストリングス(太もも)】スクワット

スクワットは、ハムストリングスなどの下半身をバランスよく効果的に鍛える筋トレメニューです。内転筋などの周辺筋肉も効果的に鍛えるときには、両足を肩幅の2倍程度に開く「ワイドスクワット」もおすすめです。いずれも10回~20回程度を3セット行います。

<筋トレのやり方>

  1. 肩幅よりも少し広めに両足をつき、上体をまっすぐに起こして立ちます
  2. つま先はやや外側に向け、両手は胸の前もしくは頭の後ろで組みます
  3. 背中をまっすぐにキープしたまま、息を吸いながらお尻の位置を引くようにしゃがみます
  4. 息を吐きながら元の姿勢に戻します

【ハムストリングス(太もも)】フロントランジ

フロントランジは、太ももの筋肉を鍛える自重トレーニングです。10回3セットを目安に行いましょう。

同じく下半身の部位を鍛えるスクワットや、大胸筋や上腕三頭筋などの上半身向けの腕立て伏せ(プッシュアップ)や、腹筋・背筋向けのクランチやバックエクステンションなども組み合わせて筋トレをしてください。身体全体を効果的に鍛えられます。

<筋トレのやり方>

  1. 両足のつま先をそろえて立ち、片足を大きく前に踏み出します
  2. 体をまっすぐな姿勢に維持し、踏み込んだ足の膝を曲げます
  3. 膝を直角に曲げて数秒キープし、元のフォームに戻ります
  4. 反対側の足も同じ動作を行います

負荷を増やして効果を高めたい方は、回数を増やしたり、直角に膝を曲げた姿勢を限界までキープするのがおすすめです。また、両手を肩幅に広げて高い位置に上げ、背中をまっすぐにバランスよく維持することでも、負荷を高められます。

自重トレーニングのメリット・デメリット

ここでは、自重トレーニングのメリットとデメリットをご紹介します。

自重トレーニングのメリット

自重トレーニングのメリットは、さまざまあります。それぞれのメリットを解説していきます。

場所や時間を選ばない

自重トレーニングは、特別な器具が必要ないのでジムに通わなくても、自宅や公園など、好きな場所でトレーニングができます。場所や時間を選ばずにトレーニングできるため、忙しい現代人にとって良いエクササイズです。

筋トレ初心者でも手軽に始められる

自重トレーニングでは自分の体重で負荷をかけるので、筋トレに慣れていない初心者でも安心して始められます。特別な器具を使うと、その分筋肉に負荷がかかって効果が期待できますが、急にやり始めると体に負担がかかり過ぎてしまう可能性があります。

自宅である程度筋トレを習慣化してから、本格的なトレーニング器具やジムに通い始めるのもおすすめです。

怪我のリスクが低い

ダンベルやマシンを使う筋トレは、器具の使い方を間違えると怪我に繋がります。自宅でトレーニングをする際は、万が一のリスクを避けるため、ヨガマットやトレーニングマットなどを敷いて行うのがおすすめです。

自重トレーニングのデメリット

自重トレーニングには、デメリットも存在します。それぞれのデメリットを解説していきます。

負荷に限界がある

自重トレーニングでは、自分の体重を負荷とするため、ある程度筋力をつけてしまうと、それ以上の負荷をかけることが難しくなります。自重トレーニングで鍛えられる筋肉には限界があるので、ウェイトトレーニングなどを併用するのがおすすめです。

自己流になりやすい

自重トレーニングは他の筋トレと比べると優しいメニューが多く、実際に効いているかが分かりにくいため、正しいフォームができているか自分では分かりづらいです。自己流になってしまうと、せっかく筋トレを行っても効果を得られないので、トレーナーに見てもらってから行うのが良いでしょう。

鍛えにくい部位がある

自重トレーニングでは、できることが限られているので、鍛えにくい部位が存在します。主に上半身の前面を鍛えるメニューが多いので、背中や内ももなどは鍛えにくいです。全身を鍛えたい場合は、器具を使ったりトレーナーに追加のメニューを考えてもらいましょう。

長期的な筋トレメニューの組み方のコツ

自重トレーニングやジムでのトレーニング効果を高めるためにも、長期的に続けることが大切です。筋肉を回復させるための時間も考慮し、筋トレの回数を決めていきましょう。

たとえば、上腕三頭筋は回復に48時間かかるため、1日おきに3セット。太もものハムストリングスや背中の広背筋は72時間かかるため、2日おきに3セットなどとプランを立てます。

上半身・下半身に偏らず、全身をバランスよく鍛えるために、特に初心者は丁寧にメニューを組みましょう。なお、正しいやり方・姿勢・フォームを維持すること、身体の動作や手の位置に注意が必要です。体重を負荷として活用するためにも、セット数を増やして効率よく筋肉を鍛えましょう。

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本記事でもご紹介したように、効果的な自重トレーニングを行うには、さまざまな注意点があります。せっかく筋トレを行うのであれば、怪我をせずに筋肉を増やしたい人が多いかと思います。そこで、まずはパーソナルトレーナーに指導を受けてから自宅で続けるというのも一つの手です。

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