筋トレは自宅でもできるとはいえ、誤ったやり方で筋トレをすると、期待するような効果を得られないばかりか、筋肉を傷める可能性もあります。鍛えたい部位に分けて、効果的なメニューを組むことが大切です。
この記事では、ジムに通わなくても自宅でできるトレーニング方法を解説します。ぜひ参考にして、ダイエットや筋力アップを目指してください。
自宅筋トレのやり方のポイント
マシンのあるジムに行かなくても、自宅で筋トレは可能です。しかし、適当なやり方でトレーニングをすると、期待する効果を得られないばかりか、筋肉を傷めてしまう可能性があります。
とりわけ初心者は、自宅筋トレを始める前に、正しいやり方とコツを理解しておくことが必要です。ここでは、自宅筋トレに関するポイントを4つ紹介します。
鍛える部位を意識
筋トレをするときは、鍛えたい身体の部位や目的を意識することが重要です。どの部位をどのように鍛えたいのか意識することで、効果的なトレーニングを実現できます。
また、トレーニングをするときは、鍛えたい部位の筋肉の動きを目で見て確認することも大切です。筋トレを始める前に、部位と目的を再確認しておきましょう。
回数と負荷
筋トレをするときは、回数と負荷を意識しましょう。回数が多すぎると身体に負担を与えますが、負荷が大きすぎるときも身体に負担がかかって筋肉を傷めることがあります。
なお、負荷はダンベルなどの重さだけでなく、運動のスピードや休憩時間、回数でも調整できます。筋トレ初心者であれば、ひとつの運動を15~20回繰り返すことを1セットとして、1日に2~3セットを目安に始めてください。
超回復の原理をベースに
筋肉を構成する筋繊維は、筋トレをすることで太く強く成長するわけではありません。負荷がかかると破断され、時間経過とともに修復されるという過程を繰り返すことで、強く鍛えられていきます。
破断された筋繊維が修復される過程を超回復と呼びます。超回復には48~72時間程度かかるとされているため、このサイクルにあわせてトレーニングをおこなうと効果的です。たとえば筋トレをしたときは、翌日1日、あるいは翌日と翌々日の2日間の休息日を設けるとよいでしょう。
ストレッチする
筋トレの前後にはストレッチが欠かせません。ストレッチで筋肉を適度にほぐし、身体を温めておくと、トレーニングによるケガを回避しやすくなるだけでなく、トレーニング後の疲労も短時間で回復できるようになります。
筋トレ前のストレッチは、身体を大きく動かす種類がおすすめです。全身を伸ばして、隅々までほぐすように意識することが重要です。一方、筋トレ後のストレッチは、反動を使わずにゆっくりと筋肉を伸ばす種類を選びましょう。身体に負荷をかけないことで、疲労回復の効果を期待できます。
効果的な筋トレメニューの組み方
思いつくままにトレーニングをしても、期待するような効果は得られません。メニューを組み、計画的に筋トレを続けていくことが大切です。自宅筋トレのメニューの組み方や、筋トレを続けるコツについて説明します。
筋トレの頻度は週2〜3回がベスト
筋トレの頻度を増やしても、筋肉の成長が早まるわけではありません。超回復の期間を考慮すれば、休息日を設け、1日ないしは2日おきにトレーニングをすることがおすすめです。
とりわけ初心者は、筋トレによる疲労が長引き、頻度が少なくなるかもしれません。慣れるまではだるさを感じることもありますが、筋トレによる効果を得るためにも、週2~3回はトレーニングしましょう。
鍛えたい部位を分けてメニューを作る
全身を鍛えるトレーニングというものはありません。どのトレーニングも、特定の筋肉にはたらきかけるため、鍛えたい部位にあわせてメニューを組み立てることが大切です。
また、1日ですべての筋肉を鍛える必要はありません。「今日は上半身の筋トレ」「明後日は下半身の筋トレ」というように、部位に分けてメニューを組みましょう。上半身は胸・肩・腕・背中に分けると、よりまんべんなく身体の筋肉を鍛えられます。
大きな筋肉から順番に鍛えていく
筋トレは、大きな筋肉から順に鍛えていきます。大きな筋肉は鍛えるときにエネルギーを大量に使うため、小さな筋肉から先に鍛えてしまうと、大きな筋肉を鍛えるのに必要なエネルギーが不足してしまうことがあるためです。
なお、人体の筋肉でもっとも大きいのは太ももの大腿四頭筋です。大腿四頭筋の次に大臀筋・三角筋・ハムストリングスが続きます。
いずれも下半身の筋肉のため、先に下半身をトレーニングしましょう。下半身の大きな筋肉を鍛えた後で、上半身の胸・腕・背中・肩の筋肉を鍛えていきます。たとえば腕立て伏せ(プッシュアップ)は、腕や背中、肩などの上半身の筋肉を効果的に鍛えるトレーニングです。
筋肉を傷めないためにも、初心者はまずは正しいやり方を覚えてからトレーニングを始めてください。詳しいやり方については後述します。
多関節種目の筋トレから実施する
多関節種目とは、複数の関節を動かすトレーニングです。大きな筋肉を鍛える筋トレは、ほとんどが多関節種目のため、先に多関節種目をトレーニングするようにメニューを組みましょう。
たとえば太ももの大腿四頭筋のトレーニングには、多関節種目のひとつであるスクワットが効果的です。詳しいやり方は後述します。ぜひ参考にして自宅筋トレのメニューに加えてください。
【鍛えたい部位別】自宅でできる人気の自重筋トレメニュー6選
器具を使わなくても実施できるトレーニングなら、筋トレ初心者の方も気軽に始められます。自宅筋トレにおすすめの自重筋トレメニューを、部位・目的別に6種類紹介します。
なお、自重(じじゅう)とは自分の体重を負荷するトレーニングのことです。体重以上の力がかからないため、無理のない範囲で効果的に鍛えられ、初心者もおすすめです。身体の筋肉を傷めないためにも、正しいやり方をマスターしてください。
[上半身]腕立て伏せ(プッシュアップ)
腕立て伏せ(プッシュアップ)は上半身を効果的に鍛えるトレーニングです。以下のやり方で進めていきましょう。ただし、初心者はつま先ではなく膝で身体を支えるほうがおすすめです。頭から膝が一直線になるようにイメージして、無理のない範囲でトレーニングをしてください。
- 両手を肩幅よりも少し広めにつき、うつ伏せの姿勢になる
- 両足を軽く開き、つま先で身体を支える。頭から背中、かかとを一直線にしてキープ
- 肘を曲げてゆっくりと上半身を沈める
- 息を吐きながら、肘を伸ばしてゆっくりと元の姿勢に戻る
実施回数 | 10回×3セット |
鍛えられる箇所 | 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋 |
[下半身]スクワット
スクワットは下半身の筋肉を効果的に鍛えるトレーニングです。大きな筋肉を鍛えるため、基礎代謝が上がり、痩せやすい身体になります。正しいやり方で無理のない範囲で続けていきましょう。
- 両足を肩幅程度に平行に開き、お尻を軽く突き出す
- 膝を曲げてゆっくりと上半身を沈ませて、太ももと床が平行になる位置でキープ
- 最初の姿勢に素早く戻る
- 背中をまっすぐにすることを意識して繰り返す
実施回数 | 15回×3セット |
鍛えられる箇所 | 大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、ヒラメ筋 |
[お腹周り]クランチ(腹筋)
クランチ(腹筋)はお腹周りの筋肉を効果的に鍛えるトレーニングです。お腹周りが気になる方は、やり方を覚えて筋トレに組み込んでみてはいかがでしょうか。
なお、クランチはゆっくりと時間をかけて鍛える筋トレです。息を吸いながら元の姿勢に戻ったときは、すぐに上体を丸めるのではなく、30秒ほど休憩を挟んでください。
- 仰向けに寝転び、膝を曲げて持ち上げ、太ももが床と垂直になるようにする
- 両手は頭の後ろで組み、肩を少し床から浮かせて、おへそをのぞき込む姿勢を取る
- ゆっくりと息を吐き、上体を丸めるイメージで頭を膝に近づける
- ゆっくりと息を吸い、元の姿勢に戻る
実施回数 | 10回×3セット |
鍛えられる箇所 | 腹直筋 |
[お尻ライン]ヒップリフト
ヒップリフトは、お尻から太もものラインをキレイにする筋トレです。ボディシェイプ目的で自宅筋トレをする方にもおすすめです。トレーニングマットを敷いて、身体に負担がかからないやり方で続けていきましょう。
- 仰向けに寝転び、膝を90度に曲げて足の裏を床にしっかりとつく
- 両腕は体側に沿わせ、手のひらは軽く開く
- お尻を持ち上げ、肩から膝が一直線になった状態でキープ
- ゆっくりとお尻を床に戻す
実施回数 | 15回×3セット |
鍛えられる箇所 | 大臀筋 |
[体幹]プランク(フロントブリッジ)
プランクも初心者におすすめの自宅筋トレのメニューです。最初は20秒キープを目標にしますが、慣れてきたら2~3分程度キープしましょう。
ただし、崩れた姿勢で長時間キープしても効果がありません。時間よりも姿勢を重視することが、効果的なトレーニングのコツです。
- うつ伏せになる
- 腕を肩幅くらいに開き、肘で上体を支える
- つま先を床につき、下半身を浮かせる
- かかとから首までが一直線になった状態でキープする
実施回数 | 20秒×3セット |
鍛えられる箇所 | 体幹、二の腕 |
[ふくらはぎ]カーフレイズ
かかとを高く上げるときは、無理のない範囲で実施してください。つま先立ちになることに注目してしまうと、足がつったり足首に負担がかかったりすることがあり、効果的なトレーニングとはなりません。
- 肩幅に両足を開き、足の裏をしっかりと床につけて立つ
- かかとを可能な限り高く持ち上げる
- つま先立ちの姿勢になる
- ゆっくりとかかとを下ろす
実施回数 | 30回×1セット |
鍛えられる箇所 | ヒラメ筋 |
おすすめ器具4種類と筋トレ方法
体重を負荷とした自重筋トレも手軽に実施できますが、器具を使った筋トレもおすすめです。自宅で簡単にトレーニングをしたい方向けに、おすすめ器具を紹介します。
ただし、いずれの器具も正しい使い方で使用しないと、期待するような効果を得られないばかりか、かえって筋肉を傷める可能性があります。不安のある初心者は、ジムでトレーナーから正しい器具の使用方法について学ぶのもおすすめです。
腹筋ローラー
お腹周りなどの上半身を効果的に鍛えたい方におすすめの器具が、腹筋ローラーです。両膝を床について、膝の前に腹筋ローラーを置きましょう。しっかりと両手で腹筋ローラーを握り、限界まで前方に転がしてから、同じスピードで膝のほうに戻していきます。
扱い方も簡単で、自宅筋トレ初心者にもおすすめです。10回×2セットが目安ですが、慣れてきたら10回×3セットに増やしていきましょう。
おすすめトレーニング | 10回×2セット、週3回 |
ダンベル
自重筋トレでは、かけられる負荷に限界があります。負荷を増やしたい方は、ダンベルを使ってトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。
初心者なら、無理に重いダンベルを持たなくても、水の入ったペットボトルを持つだけでも効果的なトレーニングができます。無理のない範囲で始めていきましょう。
おすすめトレーニング | スクワットや腹筋、背筋などの部位を鍛えるときに両手に持つ |
バランスボール
バランスボールは、筋トレ初心者にも効果的なトレーニングができる器具です。椅子代わりに座るだけでも、正しい姿勢を保てるようになるだけでなく、体幹を刺激して効果的に鍛えられます。
座ることに慣れてきたら、下半身を鍛える手軽なトレーニングをしてみましょう。膝を90度に曲げてバランスボールに腰掛け、そのまま上半身を反らして仰向けの姿勢になります。次は、おへそをのぞき込むように元の姿勢に戻してください。通常の腹筋よりも負荷がかかり、身体が引き締まってダイエット効果も期待できます。
おすすめトレーニング | 10回×3セット |
トレーニングマット
自宅筋トレをするときは、トレーニングマットを敷くことが重要です。
キープの姿勢を取るときも、手足がずれにくく、身体に負担がかかりにくくなります。正しい姿勢で効果的な筋トレを続けるためにも、ぜひ準備しておきましょう。
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今回は、自宅でできるおすすめの筋トレメニューを紹介しました。隙間時間で実施できるトレーニングばかりなので、ジムに通う時間がなくても体を鍛えられます。
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