健康増進を目的に、エクササイズや運動を始めようと思っている方もいるでしょう。エクササイズで健康を維持したい場合は、効果や正しい方法を理解しておくことが大切です。
この記事では、エクササイズで得られる5つの効果や適切な頻度などを解説します。自宅で簡単にできるおすすめエクササイズも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
エクササイズとは?
エクササイズとは、身体的な活動や運動を行うことを指します。筋力や持久力を向上させるために行われる活動や練習も、エクササイズと呼ぶのが一般的です。
エクササイズと似た言葉に「トレーニング」や「フィットネス」などがありますが、ニュアンスが微妙に異なります。
定義があるわけではありませんが、トレーニングは「スポーツパフォーマンスを向上するための練習」の意味合いが強い言葉です。
フィットネスは「健康維持を目的とした運動」という意味合いが強く、エクササイズとよく似ています。ただし、エクササイズが「体を動かす」点に重きを置くのに対し、フィットネスは「健康維持」に重きを置いている点が相違点です。
エクササイズがもたらす5つ効果
健康増進を目的としてエクササイズをする場合、得られる効果は主に5つです。それぞれ詳しく解説するので、エクササイズをする際の目的としてぜひ参考にしてください。
①体力や筋力の維持・向上
エクササイズをすることで、体力や筋力の維持・向上につながります。人間の身体に備わった体力や筋力といった機能は、使わないと衰えてしまうのが一般的です。歳を重ねても元気に動ける身体でいるためには、エクササイズで身体を動かすことが大切になるでしょう。
体力や筋力の維持には、筋力トレーニング(筋トレ)が効果的といえます。筋肉に一定の負荷をかけ続けるトレーニングをすることで、筋肉量を維持したり増やしたりすることが可能です。
②生活習慣病の予防
エクササイズは、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防に効果的です。人間は、食事から摂取したエネルギーが消費エネルギーを上回り、脂肪として蓄積されることで太っていきます。
生活習慣病のリスクを下げる意味でも、エクササイズを生活に取り入れて肥満を予防・改善することが重要です。
生活習慣病の予防を含むダイエットには、有酸素運動が有効です。酸素を使って脂肪や糖質を燃焼しエネルギー源とするため、体脂肪の減少やダイエットに効果が見込めます。
③心臓病のリスクの低下
エクササイズにより定期的な有酸素運動を取り入れることは、心臓病のリスク低下にも効果があると言われています。
世界的にも死因のトップに挙げられている「心臓病」。有酸素運動をすることで心臓を鍛えられ、心臓への負荷を抑えられるという研究結果も発表されています。
そのほか、血圧低下や心臓発作、脳卒中などのリスク防止にも効果が期待できるため、長生きするためにもエクササイズを積極的に取り入れましょう。
④ストレスを解消するリラクゼーション効果
エクササイズで身体を動かすことで副交感神経の働きが優位になり、リラクゼーション効果が見込めることもあります。心身共にリラックスできるので、ストレス解消につながるでしょう。
ストレス解消を目的とした場合、激しい運動をする必要はなく、ストレッチなどのエクササイズでも十分効果的です。そのほか、ウォーキング、ランニングやサイクリングなどの有酸素運動もストレス緩和に効果があるとされています。
⑤脳の健康を保持
エクササイズなどで身体を動かすことは、脳の健康保持にも効果的です。運動は学習と記憶の促進に役立ち、認知症などの脳疾患も予防してくれるという研究結果も出ています。
また、運動をすると、気分を高めるエンドルフィンという脳内物質が放出されるため、うつ病やストレス緩和に役立つとされています。
どのくらいの頻度で行うと効果的?
エクササイズは、週に2〜3日程度の頻度で行うと効果的です。それぞれの目的別に効果的な頻度をまとめると、下記の通りです。
- 【血糖値改善:1日20分以上・週に3日以上の運動】
血糖値の改善には、可能であれば毎日〜最低週3日以上の運動が欠かせません。エクササイズのタイミングは、血糖値の上昇がピークとなる食後30〜60分の間がベストです。有酸素運動や筋トレを行いましょう。
- 【血圧・血中脂質の改善:1日30分以上・週に3日以上の運動】
有酸素運動を行うと、血液中の中性脂肪がエネルギーとして消費され、悪玉コレステロールを減少させる効果が期待できます。また、定期的な運動は善玉コレステロールの増加にもつながるため、意識的に運動するようにしましょう。
運動の効果を実感するまでにかかる期間は?
「運動の効果をすぐに実感したい」という方も多いとは思いますが、身体の変化を実感できるまでには90日程度かかるといわれています。自分の目的に応じたエクササイズを、最低90日間は続けてみましょう。
1日でも運動習慣をサボると身体はすぐに元に戻ってしまうため、継続することが何よりも重要です。
家でできるおすすめの有酸素運動
ここでは、自宅でできるおすすめの有酸素運動を紹介します。どれも難しい運動ではなく、簡単なものばかりなので、ぜひ実践してみてください。
ステップエクササイズ
ステップエクササイズとは、台を使って昇り降りを繰り返すエクササイズです。「ステップ台」と呼ばれる台を使用して行うことが一般的ですが、自宅では階段や家にある台を活用できます。
ステップエクササイズは、一見地味に見えるかもしれませんが、実はウォーキングよりもカロリー消費量が多く、脂肪燃焼に効果があります。台の高さや時間、動く速さを変えることで負荷を調整可能です。
ステップエクササイズは、4カウントを1セットとして行います。片足ずつ「1、2」のカウントで台に登り、「3、4」のカウントで台から片足ずつ降りましょう。少し息が上がるくらいのペースで行うことがポイントです。
ウォーキング
ウォーキングも、日常生活に取り入れやすいエクササイズです。有酸素運動のひとつであるウォーキングは、20分継続すると脂肪をエネルギーとして消費するようになるため、ダイエット効果も期待できます。
通勤・通学途中や買い物途中にも気軽に実践でき、初心者でも始めやすいのがウォーキングのメリットです。ただし長時間続けると、脂肪だけでなく筋肉のアミノ酸も消費されて筋肉が分解されてしまうため、注意が必要です。筋トレも行い、忘れずに筋肉量をアップさせましょう。
ラジオ体操
子どもの頃からなじみのあるラジオ体操も、自宅でできるおすすめのエクササイズです。ラジオ体操は、もともと国民の体力向上や健康増進を目的に考案された体操で、有酸素運動とストレッチの要素を兼備した運動法といえます。
ラジオ体操では全身の筋肉や関節を動かすため、血行が良くなり肩こり改善や腰痛予防の効果が期待できるでしょう。朝起きて体操をすれば、身体も心が目覚めるだけでなく、自律神経も整い代謝アップにもつながります。
毎日テレビやラジオで放送されているほか、インターネット上で公開されている動画を活用すれば、自分の好きなタイミングで実践可能です。
エアロビクスダンス
エアロビクスダンスは、手軽に取り入れられる有酸素運動です。エアロビクスにはジャンプや回転といった動きが含まれているため、普段動かさない筋肉を動かすことができます。
「動き方がわからない」という方は、スポーツジムのサイトや動画共有サイトの解説動画などを参考にしてみてください。また、公営社団法人 日本エアロビック連盟が「小学校体育のエアロビクス授業」で基本ステップを使ったプログラムの動画を公開しています。初めてやる方は、こちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。
日本エアロビック連盟「小学校体育のエアロビクス授業」:https://www.aerobic.or.jp/qualification/physical-education/
家でできるおすすめの筋力トレーニング
続いて、自宅でできるおすすめの筋力トレーニング(筋トレ)を紹介します。筋肉をつけることで基礎代謝を上げられるため、ぜひ生活に取り入れてみましょう。
ちなみに、筋トレと有酸素運動を組み合わせると、健康増進の効果もアップすると言われています。
スクワット
スクワットは、しゃがんで立ち上がる動作を繰り返す筋トレです。主に下半身を鍛えるトレーニングで、下半身についた大きな筋肉を鍛えられます。効率よく筋力アップでき、基礎代謝を高める効果も期待できるでしょう。
- 肩幅より少し広く足を開き、足先を外向きにし、両手を横に伸ばす
- 息をはきながら5秒かけてしゃがみ、息を吸いながら5秒かけて立ち上がる
この動き10回が、1セットです。3セットを目安として、毎日実践することをおすすめします。
プランク
プランクは、体幹を鍛えるトレーニングです。姿勢改善やダイエットにも効果的で、自宅で簡単に実践できます。
- うつぶせになり、前腕・ひじ・つま先を地面につける
- 30秒間、頭・背中・腰・かかとを一直線にキープ
これを1セットとして、数セット繰り返しましょう。
プランクをする際は、お尻や腰が突き出たり、下がったりしないよう注意が必要です。
また、体幹が鍛えられていない場合は、いきなり30秒間も姿勢をキープすることが難しいかもしれません。まずはできる範囲から始めて、徐々に時間や回数を増やしていきましょう。
プッシュ・アップ(腕立て伏せ)
プッシュ・アップは、いわゆる腕立て伏せのことを指します。腕立て伏せは、腕の筋肉や胸の筋肉である大胸筋を鍛えられる筋トレです。
- 床にうつぶせになり、両手とつま先を床につける
- 両手を肩幅よりやや広くし、肘が手の真上にくるように伸ばす
肘を曲げて、胸が床につかない程度に近づけ、床を押すようにして体を元の状態に戻す10〜15回を1セットとし、1日に3セット繰り返すといいでしょう。
背中が丸まったり反ったりしないよう、体勢をキープするのがポイントです。
シット・アップ(腹筋)
シット・アップは、いわゆる腹筋のことです。腹筋では、腹直筋というお腹の正面の筋肉を鍛えられます。
- あおむけに寝て両膝を立て、両手を頭の後ろで組む
- 頭・肩・背中・腰の順に上体を起こしていく
- 上体が床に対して垂直になるまで起こしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻る
10回を1セットとし、1日に3セット繰り返しましょう。つま先をイスなどに引っ掛けると負荷が軽くなり、上体を起こしやすいです。
効果的にエクササイズするポイント
ここまで、家でできる有酸素運動や筋力トレーニングを確認しました。続けて、それらを効果的に実践するためのポイントを解説します。
ストレッチを行う
運動の前後には、ストレッチを行うように心掛けましょう。ストレッチを行うことで、ケガの予防や疲労回復に効果が期待できます。
ストレッチとは、筋を伸ばしたり関節を動かしたりする運動のことです。運動前には、関節を動かしながら筋肉を伸び縮みさせる「動的ストレッチ」が適しています。運動後には、筋を伸ばし続けてリラックスさせる「静的ストレッチ」をするのがおすすめです。
食事を意識する
食事を工夫することも、運動の効果を高めるポイントのひとつです。運動後に炭水化物や脂肪の多い食べ物を摂ると脂肪に変わりやすく、せっかく運動したにも関わらずダイエット効果が落ちてしまいます。
最初に野菜を食べると脂肪がつきにくくなるため、食べる順番も意識するようにしましょう。また、エクササイズ時に飲むスポーツドリンクも糖濃度が高いため、注意が必要です。代わりに牛乳を飲むと筋力アップにもつながり、脂肪が燃えやすい身体になります。
夕方に運動する
運動する時間帯を夕方にするだけでも、エクササイズの効果がアップします。夕方のほうが運動能力が高くなるほか、夕方に運動を行うことで体温が上がり熟睡しやすくなるためです。
熟睡できることで、睡眠中に分泌される成長ホルモンの分泌量がアップします。成長ホルモンは、脳の疲労回復や脂肪燃焼、体組織の修復・再生、肌の再生など身体の健康状態を維持するのに欠かせないホルモンです。
エクササイズの時間帯をずらすだけでも、得られる効果がアップする可能性があるため、できるだけ夕方に運動を取り入れましょう。
しっかりと休む
運動後はしっかり休むことも、運動の効果を上げるために欠かせないポイントです。
運動は負荷がかかる動作であり、疲労がたまりやすくなります。疲労を回復するのに十分な休息がとれていないと、運動の効果が低下してしまう恐れがあるため、注意が必要です。
特に筋トレは、休息により筋肉量が増え、筋力がアップするといわれています。同じ部位の筋トレは2〜3日に1回、週2〜3回程度が望ましいでしょう。
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今回の記事では、エクササイズの効果や自宅でできるおすすめメニューを紹介しました。エクササイズは、ダイエットや健康増進に大きな効果が期待できます。より本格的に取り組みたい方は、パーソナルトレーニングジムに通ってみるのもおすすめです。
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